ニュース

2024.12.20

通底縁劇・通底音劇「super folklore」のライブ映像が12月27日(金)17:30からU-NEXTで10日間の限定配信決定!

2024年4月20日(土)・21日(日)に開催された、小林武史プロデュースの通底縁劇・通底音劇シリーズ。 櫻井和寿、スガ シカオ、Butterfly Studioによる「super folklore」が、12月27日(金)17:30からU-NEXTで10日間の限定配信されることになりました。 歌と共に表現されたドローンパフォーマンスは圧巻! 詳しくはU-NEXTのホームページ(https://t.unext.jp/r/super_folklore) ※同日配信の通底縁劇・通底音劇シリーズ「不思議な愛な富津岬」と、ぜひ二本立てでご覧ください。 通底縁劇・通底音劇「super folklore」ライブ配信:2024年12月27日 (金) 17:30〜ライブ終了まで見逃し配信:配信準備完了次第〜2025年1月6日 (月) 23:59まで出演:櫻井和寿、スガ シカオ、Butterfly Studio、KUMI、高村月、Hana Hope

2024.12.20

通底縁劇・通底音劇「不思議な愛な富津岬」のライブ映像が12月27日(金)17:30からU-NEXTで10日間の限定配信決定!

2024年4月20日(土)・21日(日)に開催された、小林武史プロデュースの通底縁劇・通底音劇シリーズ。 今年ソロとして初の武道館公演を成功させたアイナ・ジ・エンドと、アオイヤマダらが所属する生き様パフォーマンス集団・東京QQQ (トーキョーサンキュウ) による、一日限りの公演「不思議な愛な富津岬」が、12月27日(金)14:00〜U-NEXTにて配信されることになりました。 詳しくはU-NEXTのホームページ(https://t.unext.jp/r/futtsumisaki)※同日配信の通底縁劇・通底音劇シリーズ「super folklore」と、ぜひ二本立てでご覧ください。 「通底縁劇・通底音劇 不思議な愛な富津岬」ライブ配信:2024年12月27日 (金) 14:00〜ライブ終了まで見逃し配信:配信準備完了次第〜2025年1月6日 (月) 23:59まで出演:アイナ・ジ・エンド、東京QQQ(アオイヤマダ、かんばらけんた、Kily shakley、KUMI、高村月、ちびもえこ、平位蛙、MONDO、山田ホアニータ)

2024.11.18

「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」の公式記録集が販売中です

千葉県の内房総5市(市原市・木更津市・君津市・袖ケ浦市・富津市)を舞台に開催された「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」(イベント・パフォーマンス期間:2023年9月30日~11月5日、アート作品展示期間:2024年3月23日~5月26日)の公式記録集が版元ドットコム・Amazon・紀伊国屋BookWebで販売中です。(B5/164P/価格 2,200円+税、監修:小林武史/北川フラム/内房総アートフェス実行委員会 、発行:現代企画室) 【掲載内容】2024年3月から5月にかけて、千葉県の内房総5市 (市原市・木更津市・君津市・袖ケ浦市・富津市)を舞台に開催された「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」の公式記録集。全作品・ライブパフォーマンスなどのイベントの記録を網羅し、5つの市の特色の紹介や、来場者数等のデータも掲載。 房総半島の里山・里海の豊かな自然や土地の歴史などの多様な要素から、アーティストの視点で魅力を掘り起こし、地域がもつユニークな資源を浮かび上がらせた内房総アートフェス。芸術祭の背景から深く知ることができる一冊です。

2024.07.13

終了:百年後芸術祭-内房総アートフェス- アフターイベント オリジナルエコバッグ等作成ワークショップ

百年後芸術祭-内房総アートフェス-で使用された会場サインや作品キャプションのターポリン生地を再利用し、オリジナルのブックカバーやエコバッグを作成することで、リサイクルの重要性や創造性を体験します。ともに百年後を考え、百年後を創っていくうえで、持続可能性につながる意識を高めることを目的として開催します。 開催概要 日時:2024年8月3日(土)13:00〜15:00会場:木更津駅東口前 旧インフォメーションセンター(JR木更津駅東口階段横、木更津市富士見1-1-1)※車で来場される場合は、お近くのコインパーキングをご利用ください対象:小学生以上(親子での参加歓迎)※小学生が参加する場合は、成人の保護者の同伴が必須となります※未就学児でも、成人の保護者が同伴していれば参加できます定員:20名参加費:無料持ち物:ハサミ、カッターナイフ、カッターマット、鉛筆、消しゴム、定規(30cm以上)、穴あけパンチ (必要に応じて貸出可能) 当日の流れ ①導入(20分程度)ターポリンの再利用について説明、作成するブックカバー・エコバッグのデザイン例紹介②実技(80分程度、各自で休憩可)ターポリンの裁断方法やハトメの使い方を実演、参加者が自分でデザインを考えて作成※サポートスタッフがいますので、わからないときはその場で作成補助・アドバイスを受けられます③仕上げ・共有(20分程度)作品の仕上げとチェック、参加者同士の作品共有とフィードバック 参加方法 事前申し込み:申し込みフォームまたはSNS(Instagram/X)から7月31日(水)までにオンライン申し込み※満員になった場合は、7月31日(水)よりも前に〆切になる場合があります※定員に満たない場合は当日参加可能です。改めてお知らせいたします chirashiダウンロード

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イベント

終了:百年後芸術祭-内房総アートフェス- アフターイベント オリジナルエコバッグ等作成ワークショップ

木更津市

2024.8.3

終了:百年後芸術祭-内房総アートフェス- アフターイベント オリジナルエコバッグ等作成ワークショップ

百年後芸術祭-内房総アートフェス-で使用された会場サインや作品キャプションのターポリン生地を再利用し、オリジナルのブックカバーやエコバッグを作成することで、リサイクルの重要性や創造性を体験します。ともに百年後を考え、百年後を創っていくうえで、持続可能性につながる意識を高めることを目的として開催します。 開催概要 日時:2024年8月3日(土)13:00〜15:00会場:木更津駅東口前 旧インフォメーションセンター(JR木更津駅東口階段横、木更津市富士見1-1-1)※車で来場される場合は、お近くのコインパーキングをご利用ください対象:小学生以上(親子での参加歓迎)※小学生が参加する場合は、成人の保護者の同伴が必須となります※未就学児でも、成人の保護者が同伴していれば参加できます定員:20名参加費:無料持ち物:ハサミ、カッターナイフ、カッターマット、鉛筆、消しゴム、定規(30cm以上)、穴あけパンチ (必要に応じて貸出可能) 当日の流れ ①導入(20分程度)ターポリンの再利用について説明、作成するブックカバー・エコバッグのデザイン例紹介②実技(80分程度、各自で休憩可)ターポリンの裁断方法やハトメの使い方を実演、参加者が自分でデザインを考えて作成※サポートスタッフがいますので、わからないときはその場で作成補助・アドバイスを受けられます③仕上げ・共有(20分程度)作品の仕上げとチェック、参加者同士の作品共有とフィードバック 参加方法 事前申し込み:申し込みフォームまたはSNS(Instagram/X)から7月31日(水)までにオンライン申し込み※満員になった場合は、7月31日(水)よりも前に〆切になる場合があります※定員に満たない場合は当日参加可能です。改めてお知らせいたします chirashiダウンロード

【応募は締め切りました】百年後芸術祭-内房総アートフェス-Instagram写真投稿キャンペーンを開催しています!

内房総アートフェス

2024.5.1-5.26

【応募は締め切りました】百年後芸術祭-内房総アートフェス-Instagram写真投稿キャンペーンを開催しています!

Instagram写真投稿でオリジナルグッズをプレゼント! 百年後芸術祭-内房総アートフェス-では、ご来場いただいた皆様にさらに楽しんでいただくため、Instagram写真投稿キャンペーンを開催します!コンセプトの異なる賞を複数ご用意し、ご来場いただいた皆様がInstagramを通じて作品やイベントなどの写真を投稿いただいた中から選定し、オリジナルグッズをプレゼントいたします。ご来場者様同士の楽しみの共有や、まだご来場されていない方々を芸術祭にお誘いするきっかけ作りに、ぜひこのキャンペーンをご利用ください。 応募方法は、2ステップ!(応募締切:5月26日〆)①公式アカウント(@100nengo_art_fes)をフォロー②「#内房総アートフェス」を付けて写真を投稿※2024年3月23日(土)以降の、応募方法を遵守した投稿についても、対象とします。 ※公式アカウントのURL→https://www.instagram.com/100nengo_art_fes/ ●各賞のコンセプト内房総賞 : 応募された写真の中で最も優れているもの百年後賞 : 百年後を連想させるものなどサステナブル賞 : 環境に配慮したことがわかるもの(自転車を活用した周回など) ●プレゼント内容百年後芸術祭-内房総アートフェス-オリジナルグッズ詰め合わせ内房総賞 (1名):内房総アートフェスグッズセットA(ボールペン3本、クリアファイル3枚、手ぬぐい2枚、トートバック1個、Tシャツ1枚)百年後賞 (2名):内房総アートフェスグッズセットB(ボールペン1本、クリアファイル3枚、手ぬぐい2枚、Tシャツ1枚)サステナブル賞(3名) :内房総アートフェスグッズセットC(ボールペン1本、クリアファイル1枚、手ぬぐい1枚、Tシャツ1枚) 応募の際は以下のpdfの規約を必ずお読みください。 instagram_campaignダウンロード

レストランperus (ペルース)

内房総アートフェス

2024.3.23-5.26 の毎週土日祝

レストランperus (ペルース)

クルックフィールズ内にあるレストランperus(ペルース)では、芸術祭期間限定のランチコースが登場!食体験を通して「人と自然との繋がり」を体感し、農場の野菜やジビエをはじめ、地元の漁港で水揚げされた魚など、その時々の旬の食材を用いた料理をお楽しみいただけます。 イタリア、スペインをはじめ国内外の星付きレストランで研修を重ねた山名新貴シェフが、自然と共生し、生産者の想いと素材に寄り添った食体験をお届けします。 ■芸術祭限定手打ちパスタコースC (4,980円/税込) ※百年後芸術祭期間中の3/23~5/26限定(終了しました)前菜1『本日のフィンガーフード』前菜2『水牛モッツァレッラのカプレーゼ』前菜3『お野菜たっぷりミネストローネ』パン『Lankaの全粒粉パン』魚料理『芸術祭』メイン『選べる手打ちパスタ3種』・本日のパスタ・バジルと農場野菜のジェノベーゼ・猪肉と農場野菜のボロネーゼ ご予約はこちらから

終了:栄町百年後芸術祭

栄町

2024.6.1

終了:栄町百年後芸術祭

栄町百年後芸術祭とは 栄町では千葉県誕生150 周年記念事業といたしまして「栄町百年後芸術祭」 を開催します。千葉県立房総のむら旧学習院初等科正堂において、百年後芸術祭の総合プロデューサーであり音楽家の小林武史・音楽家の青葉市子・チェリストの四家卯大による音楽LIVEを実施します。また、旧学習院初等科正堂前広場では、栄町に伝わる「龍伝説」をモチーフにしたミュージカルとドローンによる「光」の演出のほか、「食」に関するイベントを開催します。また、隣接するドラムの里では吹奏楽団による演奏やスマートフォンを使い文化財を巡るデジタルスタンプラリーなども実施します。ぜひこの機会に「音」「光」「食」の融合をお楽しみください。

終了:小林武史が四家卯大と林田順平を迎え、百年後芸術祭-内房総アートフェス-の最後の週末を飾る音楽ライブを開催!

内房総アートフェス

2024.5.25-5.26

終了:小林武史が四家卯大と林田順平を迎え、百年後芸術祭-内房総アートフェス-の最後の週末を飾る音楽ライブを開催!

5月26日(日)に閉幕を迎える「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」のフィナーレに向け、総合プロデューサーの小林武史が、チェリストに四家卯大と林田順平を迎え音楽ライブを開催します。5月25日(土)は木更津市のKURKKU FIELDS、5月26日(日)は市原市の市原湖畔美術館での公演となります。アート作品や食、豊かな自然環境も同時に楽しめる会場で、芸術祭最後の週末に相応しいパフォーマンスをお届けします。 ●5月25日(土)時間:14:30開場、15:00開演会場:KURKKU FIELDS FLACC棟内出演:小林武史(key)/林田順平(Vc)料金:無料(アート鑑賞パスポートまたはクルックフィールズのエリア鑑賞券の提示が必要です)事前申込:不要 ●5月26日(日)時間:14:30開場、15:00開演会場:市原湖畔美術館前の広場出演:小林武史(key)/四家卯大(Vc)料金:無料事前申込:不要※雨天時は市原湖畔美術館内での演奏となるため、アート鑑賞パスポートまたは市原湖畔美術館のエリア鑑賞券の提示が必要です※百年後芸術祭-内房総アートフェス-のクロージングイベントとして、5月26日(日)の旧里見小学校で、EN NICHI BA及び<百年後芸術祭 EN NICHI BA Special > 百宴〜Epilogue〜を開催いたします。

終了:百年後芸術祭-内房総アートフェス-「EN NICHI BA」を旧里見小学校で開催!

内房総アートフェス

2024.5.26

終了:百年後芸術祭-内房総アートフェス-「EN NICHI BA」を旧里見小学校で開催!

百年後芸術祭では、百年後の⾷を考えることもアートのひとつだと考え、『EN NICHI BA(エンニチバ)』を「LIVE ART」の各会場やKURKKU FIELDSで展開してきました。今回、百年後芸術祭-内房総アートフェス-のクロージングイベントの一つとして、5月26日(日)に、旧里見小学校で『EN NICHI BA(エンニチバ)』を開催します。『EN NICHI BA(エンニチバ)』は、未来に食をつなげていくための「 縁日(ENNICHI)」であり、山の幸・海の幸など豊かな食材が集まる「市場(ICHIBA)」であり、百年後にも食文化豊かな「千葉(CHIBA)」であって欲しいという願いが込められています。 ■開催日時2023年5月26日(日)OPEN:10:00CLOSE:17:00 ■会場旧里見小学校( 千葉県市原市徳氏 541)※通常のアクセスの他、高滝臨時駐車場(市原湖畔美術館近隣から徒歩5分、場所は下記GoogleMapを参照)・里見駅を結ぶ無料シャトルバスを運行いたします。【無料シャトルバス周回ルート】高滝臨時駐車場→(10分)→里見駅→(10分)→会場→(15分)→高滝臨時駐車場 bus-may26ダウンロード ■飲食出店THE COFFEE、purpura、からだにやさしいごはんとおやつキッチンFOO、tsukuyomi coffee organic、野菜ソムリエのスープ屋さん Soup Cafe くるみ、JUNSE KIMPPA ■加工品/農産物出店手作りジャム工房〜iPPO〜 ※加工品や農産物を購入される方はマイバッグをご持参ください。※<百年後芸術祭 EN NICHI BA Special > 百宴〜Epilogue〜を、同日同会場で開催いたします。詳細はこちらからご覧ください。※百年後芸術祭-内房総アートフェス-のクロージングイベントとして、5月25日(土)は木更津市のKURKKU FIELDS、5月26日(日)は市原市の市原湖畔美術館で音楽ライブを開催します(両日とも14:30開場、15:00開演)。詳細はこちらEN NICHI BAの情報は、instagram @ennichibaもご覧ください。

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コンセプト

コンセプトイメージ

百年後芸術祭とは

百年後芸術祭は、千葉県を舞台とした百年後を考える誰もが参加できる芸術祭です。

100年後を思うことは「利他」そのもの。
100年後に残したいアートとは何か?
100年後に残したい音楽とは何か?
100年後に残したい食とは何か?
100年後に残したいこととは何か?

この芸術祭は、
一緒に100年後の未来を創っていくための、共創の場。
100年後を考え、表現することすべてが芸術活動になります。
さぁ、一緒に100年後を考えてみませんか?

百年後芸術祭

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ストーリー

続いていく未来に想いを寄せて。<百年後芸術祭 EN NICHI BA Special > 百宴〜epilogue〜

2024.07.05

続いていく未来に想いを寄せて。<百年後芸術祭 EN NICHI BA Special > 百宴〜epilogue〜

百年後芸術祭の最終日である5月26日(日)に、「百宴〜epilogue〜」が開催されました。このイベントは昨年11月5日に開催された「百宴〜prologue〜」に続くもの。”分かち合う”をテーマに人と人、人と自然との共生をプリミティブな食体験を通して学び、その先の続いていく未来に想いを寄せようという思いが込められたイベントです。 「百宴」の集大成となる今回は、前回を超える60名の参加者が集いました。開催場所は旧里見小学校。お天気にも恵まれたこの日、まずはKURKKU FIELDSのレストラン「perus」シェフの山名新貴さんからの挨拶と、イベントに込められた想いなどを聞きます。参加者とスタッフの気持ちを共有して1日を過ごす準備をします。 「この場所は、閉校になった学校にアート作品やカフェを併設し、感性を磨き、人々が集える新しい場所としてリジェネラティブな取り組みを実践している場です。以前より先駆けて未来に向けてアクションをしているこの場だからこそ、循環型の食体験を味わうのに相応しい一日となることを願っています。『食べる』という行為が自然環境を破壊するのではなく、今よりも豊かな自然環境を育むことに繋がるればと思っています。食べて終わるのではなく、100年後、私たち以外の誰かが生きる世界を想像しながら、未来に繋がるタネを蒔きたいと思います。100年後の未来に向けて、今日、この場に居合わせた人と、自然の恵みを分かち合い、時間と言葉を分かち合うひと時をお楽しみください」。 次に、ワークショップの説明をスタッフの佐藤剛さんにしていただきます。 「参加者の皆さんは、ふだん農業に関わることがそんなにないということを前提としてワークショップの内容を考えていますが、そんなことないよ!という方は初めての参加者に教えてあげたり、こういう風にやると気持ちいよねといったことを伝えてあげたり、一緒に作業を楽しんでください」 KURKKU FIELDSがある木更津からこの場所までは車で30分ほど。たくさんのスタッフの方が準備をしてくれていました。 まずは、ランチでいただく恵みを収穫したり、未来のための種を撒くワークショップからスタートです。 校庭にこんもりと盛られた小さな畑の前に集まります。これはドイツや東ヨーロッパで盛んにおこなわれてきた「ヒューゲル」という栽培床で、下地に枯れ木、次に枯れ草を敷いてその上に土を被せて堆肥と水持ちを兼ねさせるやり方だと言います。これと同じヒューゲルを隣にみんなで作ります。 あらかじめ切ってくれていた木の枝をせっせと運びます。小さな女の子も大きな枝を持ってやる気満々! 子どもたちも土をほり、草を撒き、にょろっと出てきたミミズや大量のダンゴムシに驚きながら畑を耕していきます。 みんなで土を掘りながら、佐藤さんが「菌ちゃん農法」について教えてくれました。 従来の有機農業は、人の健康や自然環境を守るために化学肥料などの人工的な農業資材を使わずに病害虫を回避し、生産する農法でしたが、新たな有機農業のスタイルとして「微生物(菌)の力を活用して育てる方法」が注目されていて、その方法を「菌ちゃん農法」というのだそうです。 つまり、従来は、病害虫は敵で、排除しようという概念から抜け出していません。そうではなく、病害虫にも地球上の大切な役割があると考え、病害虫は周りにいるけれど、病害虫にやられない野菜こそ、健康な野菜であると考える農法です。なるほど、やっていることは変わらないけれど、考え方は大きく違います。 「生命循環」という自然界の営みに沿って、生ごみや草木などの有機物(死んだ生物体)を土に戻し、微生物(菌ちゃん)の力を活用して育てる方法でこれにより、微生物(小動物)が爆発的に増え、微生物代謝物質を野菜が吸収してより健康になると言います。 こんもりとしたヒューゲルが完成したら、最後にに苗を植えます。ナスタチウムやディル、イタリアンパセリ、ボリジなどのハーブを植え終わるとみんなが満足気な表情!成長が楽しみです。 ヒューゲルづくりの次は、校庭の奥に移動し、野菜を収穫します。案内人はKURKKU FIELDSオーガニックファーム農場長の伊藤雅史さん。実はこちら、もともとは学校が使っていた花壇でした。スタッフのみなさんが春頃にここに種を植えて、この日のために準備していてくれたのだそう。畑には、にんじんやかぶ、紅大根などがたくさん育っていました。 「僕がこの小学校に初めてきたのは3月だったのですが、まだ土に雪が被っていました。それから種を植えて、今日のために育ててきたのですが、寒さに耐えきれず大きくならなかった大根もありました。でも大根の花は食べることができます。ぜひお花も収穫してくださいね」 ちょっと引っ張るだけでスポッと抜けるにんじん。その感覚が楽しくて子どもたちはどんどん抜いていきます。 「大根の花ってかわいい!」と、白く可憐な花も摘んでいきます。 収穫した野菜は、たらいに入れた水でキレイに洗います。泥をとると、そのままかじりたくなるくらいみずみずしくておいしそうです。 野菜を収穫したら、種だんごづくり。堆肥を入れた泥だんごに種を入れてみんなで一斉に畑に投げて次の収穫を待ち望みます。 「種だんごは水を含んでいるので、砂漠でも育つことができるんですよ」おにぎりのようにこねこねと泥だんごをつくる作業は、大人にとってはとても新鮮で、みんなで楽しく畑時間を楽しむことができました。 さて、2時間ほどのワークショップでお腹はペッコペコ。いよいよお楽しみのランチタイムです! 「百宴」だけに、100人分の食材を一度に火入れすることができる焚き火台。みんなで収穫した野菜や魚介類がたくさん。 KURKKU FIELDSで飼っている子羊と子ヤギ。ミルクの出ない雄は育てていくのが難しいこともあり、今回はそのいのちをみんなで分かち合います。 大きなバナナの木の葉っぱをテーブルクロスに彩り豊かな食材がズラリ〜!すご〜い!! 「今日は千葉県の生産者さんにたくさんなった協力していただきました。朝から校庭の土の中で丸ごと蒸した野菜もあります。ピーナッツやバナナで作った数種類のドレッシングで色々な味わいを楽しんでみてください」と山名さん。 今回のメニューはこちら。さまざまな千葉の生産者さんが食材を提供してくださいました。 〜当日メニュー〜・採れたて野菜のガーデンサラダ(KURKKU FIELDS)・地中蒸し野菜のバーニャカウダ(KURKKU FIELDS)・Bocchiのピーナッツスパイスソース(Bocchi)・寺田本家の酒粕アンチョビソース(寺田本家)・バナナハニーソース(木更津バナナファーム、ワンドロップファーム)・猪の薪火グリルと山椒オイル(KURKKU FIELDS)・真鯛の姿焼きとファーべ(平井水産、エコファーム浅野)・Lankaの全粒粉パン(KURKKU FIELDS)・真蛸のグリルとマッシュポテト(漁師工房拓)・小川さんのキャロットケーキ(KURKKU FIELDS)・仔羊の丸焼き(KURKKU FIELDS)・仔山羊の丸焼き(KURKKU FIELDS) 全部食べたいので、少しずつ竹のお皿に盛り付けます。自分達で収穫したにんじんやかぶはとっても甘く、ピーナッツのスパイスソースやバナナハニーソースはお肉にもとっても相性が良くて満たされました。Lankaの全粒粉のパンもしっかりとした食べ応えで、どんどん食が進みます。何より、一緒に畑を耕したり、収穫したみんなで食事をするのがとても楽しい。「今日はどこからきたんですか?」「芸術祭はどのあたりをめぐりましたか?」なんて会話も弾みます。 夏みかんとハチミツのドリンクも甘酸っぱくて最高の味わいでした。 デザートは絶品のキャロットケーキを二つも食べて、お腹いっぱい! イベントは食事が終わったら終わり、ではありません。最後には竹の器やコップ、食べ残しの生ごみなどをすべて燃やして畑に還すという作業もみんなで行いました。燃え盛る火を眺めながら、畑を耕し種を蒔き、育った野菜を収穫し、みんなでおいしくいただいたことにすごく充実感で満たされたことを実感。 「今日は、当初目標にしていた100人とはいかなかったですが、約60人の参加者の皆さんと一緒に、農場から食卓へ至るまでのプロセスを体感していただきました。料理は原始的な調理法だけでなく、バナナの葉のお皿や竹の器、クロモジの箸置きや柑橘をくり抜いたコップ、と食事で使用する食器はナチュラルなもので統一し、最後には燃やして畑に還すというところまで体験していただきました。食べるだけで終わらない、終わらせないことがその先の未来に向けて重要なアクションであると改めて感じていますし、感じていただけたかと思います。今日はみなさんといい時間を分かち合えて嬉しかったですと山名シェフ。 ふだん、私たちが使っているすべてのモノはほとんど土に還らないものばかりですが、自然界のものを工夫して使うことで、こうして循環させることができる。シンプルだけど、これって日常に活かすことはすごく難しい。しかしながら、世界中の人々が、日々の営みの中で少しでも循環を意識して生活することができたなら、百年後の地球は今思い描くよりも暮らし良い場所になっているかもしれません。 「たとえ世界の終末が明日であっても私はリンゴの樹を植える」と明言を残したのはドイツの神学者マルチン・ルターですが、百年後の未来を考えたとき、地球から緑がなくならないように、花や作物がんばくならないように、一粒でも多くの種を植えたいなと感じました。 百年後芸術祭のクロージングイベントとなった「百宴」は、参加することで、身体を動かすことで、食べることで、百年後の未来を考えることができる素晴らしいイベントでした。なにより、百年後も、その時代に生きている人が、大切な家族や友人と笑顔でおいしい食事を囲むことができていたらと願ってやみません。 Text:Kana Yokota

チバニアンの地層に刻まれた声に耳を傾けるー。ニブロール「風か水やがらんとした空か」パフォーマンスレポート

内房総アートフェス

2024.07.01

チバニアンの地層に刻まれた声に耳を傾けるー。ニブロール「風か水やがらんとした空か」パフォーマンスレポート

百年後芸術祭のイベントとして、5月18日(土)、19日(日)の二日間、世界的に注目を集める国の天然記念物「養老川流域田淵の地磁気逆転地層」を背景に開催されたニブロールによるパフォーマンス。 この場所は「チバニアン」と呼ばれ、千葉県市原市の観光スポットとしても人気の場所ですが、この二日間は鑑賞者のための特別な空間となりました。 ニブロールは、1997年に振付家の矢内原美邦、 映像作家の高橋啓祐、音楽家のスカンク/SKANKを中心として結成されたパフォーミング・カンパニーです。彼らは舞台のみならず、美術館でのパフォーマンスやビジュアル作品の発表などを行い、身体表現の可能性を追求する唯一無二の集団です。 日常の身ぶりをモチーフに現代の空虚さや危うさをドライに提示するその独特の振付けは国内外での評価も高く、そんなニブロールのパフォーマンスがこの百年後芸術祭でも体感できるとあって、たくさんのファンが駆けつけました。 入り口にはチバニアンビジターセンターがあり、チバニアンのことや地磁気逆転のこと、化石のこと、地層の研究の歴史などについてパネルや展示で紹介されています。ガイドスタッフが常駐されているので、地層見学前に立ち寄るのがおすすめです。 20名ほどの参加者とここからゆっくりくだっていきます。 道を進んでいくと、パフォーマーが土の上に並べた服が目に入ります。誰の服なのか。なぜここに置かれたのか。入り口で渡されたパンフレットには「黒い丘から死者を見送る。」という言葉から続く一編が書かれていて、きっとこれは大切な誰かが生前に来ていた服であろうということ理解します。 林の中をどんどん進んでいくと、木々の間に、少しだけ開けた空間が現れます。どうやら最初のステージはこの場所のようです。白い衣装を身に纏った、矢内原さんを含む3人のパフォーマーが、高い木々から漏れる光を浴びてゆっくりと踊ります。踊り、と言うよりは、能の舞のようなゆったりとした動きです。 それぞれ草木のオブジェ、軍人や恐竜が散りばめられた白と黒のオブジェを背負い、ゆっくりと静かに、自然と光とともに時間を過ごします。時折観客が「チリーン」鳴らす金の音だけが林の中に響き渡り、実に静謐なひととき。 15分ほど彼らの舞に見惚れていると、3人はそっと背負っていたオブジェを置いて川へとくだっていきます。 この作品は、二年前の大地の芸術祭で上演された宮沢賢治の『ガドルフの百合」をモチーフにした『距離のない旅』に続くもので、タイトルの『風か水やがらんとした空か』もまた、『銀河鉄道の夜』のプリオシン海岸のシーンでの大學士の言葉からとったそうです。 ここ数年で大切な人をたくさん亡くしたという矢内原さんが、深い悲しみに暮れる日々の中、幼い頃から好きだった宮沢賢治の作品を読み返し、そこから着想したシリーズとのことです。 「そこにいくつかの体や、感覚や、その影を見ました。そして、その中から失いたくない記憶を紡いで三部作を作ろうと思い立ちました」。(矢内原美邦) 5月のチバニアンは、少し日差しは強いけれど、渓谷ならではのひんやりとした空気もあいまって、風が吹き、とても心地よい場所だったことが印象的です。 川に入った3人の男性が、ホルンやトランペットを奏でます。 川の流れる音、太陽の光に美しく煌めく水面、雄大な景色に浸りながらも、パフォーマーの動きから目が離せません。ゆったりとした動きから、次第に激しく、水飛沫を飛ばしながら全身で踊ります。 3人が引っ張り合い、抱き合い、もがきながら、表現しようとしているものはなんなのか。なにかものすごくつらいことや悲しみから逃れたいのか、救われたいのか、なぜ人はずっと穏やかでいられないのか。大自然の中では人間の悲喜交々なんてとても小さく見えて、この瞬間も遠くの国で命を奪い合っている人間たちがいることがとても愚かに感じられます。地球や自然は何も変わらないのに。大切な人をたくさん亡くした矢内原さんの悲しみや自分自身の中に積もった悲しみの数々がどんどんと溢れ出てきて、涙が頬を流れます。 でも、それでも人は生きていく。今、この瞬間にしかないこの川の流れとともに。 芸術祭の終盤に、なにやらものすごいものを見せてもらった、という感覚となった今回のパフォーマンス。「100年後を想う」というテーマの芸術祭だけれど、そのテーマについて、千葉の奥深く、風と水と光と空を全身で感じられるこの場所で体感できたことの感動が何度も押し寄せました。 そして、パンフレットに書かれた矢内原さんのコメントを読んで、さらにこのパフォーマンスを鑑賞できたことの喜びを噛み締めます。 「チバニアン」で世界的に注目を集める国の天然記念物「養老川流域田淵の地磁気逆転地層」を背景に行う、ダンスというよりは「経験」という表現がしっくりくるパフォーマンス。ここで起こった事象について、心象やその時間について、遙かなるときを超えて空想する。約77万年前の地磁気逆転の地層に刻まれた声に耳を傾け、そこに降り積もった記録を経験し、いまここにいる私たちについて考える。 いまここにいること、生きていること。自分はちゃんと存在している。その感覚をずっと感じられるような日々を過ごしたい。 三作品目も楽しみです。 振付:矢内原美邦 美術:高橋啓祐 音楽:スカンク/SKANK Text:Kana Yokota

おにぎりをもっと美味しくいただくために。EAT&ART TARO「おにぎりのための運動会」レポート

内房総アートフェス

2024.06.21

おにぎりをもっと美味しくいただくために。EAT&ART TARO「おにぎりのための運動会」レポート

おにぎりをひときわおいしく食べることを目的とした運動会。「おにぎりのための運動会」。全3回の予定でしたが、あいにくの雨で1回は中止に。最終日の5月18日は眩しいほどの快晴で、まさに運動会日和!当日の様子をレポートします。 そもそもこの運動会は、アーティストであるEAT&ART TAROさんが「美味しいおにぎりを食べたいのだが、お米の炊き方や握り方にこだわるのではなくて、どうしようもなく美味しくなってしまうおにぎりにするために、食べるためには運動会をしなくてはいけない。飲食店とは違うアプローチで食べ物を美味しくしていく」という想いから生まれた作品。「いちはらアート×ミックス2014」で開催されて以来、さまざまな場所で白熱の運動会が受け継がれてきています。 スタートは10時。まずは事務局とEAT&ART TAROさんの挨拶から。運動会の目的や意図などを共有し、ますます士気が高まります。 参加者は受付でもらったゼッケンとはちまきをつけて紅白2組に分かれます。挨拶の後はみんなでラジオ体操! 「おにぎりのための運動会」と書かれたゼッケンを身につけたキッズたちがなんとも可愛い。 1種目目は玉入れです。なんと玉入れかごを紅白それぞれの代表が背負って逃げるというスタイル。足が速い人が背負うと本当にボールを入れるのが難しくて白熱します。 大人も子どもも関係なく。逃げるかごをひたすら追いかけます。ちょっとは手加減してよ〜と思うくらい本気度がすごい。そういえば玉入れなんて30年以上ぶりかも、、と懐かしくなりながら、ぜいは〜言いながら追いかけっこを楽しみます。 「ボール入れられたよ〜」と喜ぶキッズ。 何個ボールを入れられたか、一つずつ数えます。初回は赤が勝ちましたが、数回戦するとそれぞれ疲れが出てきたのか、良い勝負になってきました。 闘いに疲れた子どもたちは背後の遊具で遊ぶこともでき、会場は終始和やかな雰囲気です。アート作品を観にきたお客さんも「何をやっているんだろう?」と不思議な面持ちでこちらを観ていましたが、みんなが必死で駆け回っている姿を微笑ましく見守ってくれていました。 続いては、綱引きです。きっとこちらも30年ぶり。太い縄を持ち、みんなで「オーエス!オーエス!!」。ところで余談ですが、この「オーエス」という言葉の起源は、「水夫さんたちが帆を上げるときの掛け声」と言うのは有名ですが、実は「オー・イス(Oh, hisse)」というフランス語なのだそう。日本語で言うと「さあ、引っ張れ!」みたいな意味になるそう。 日本で綱引きが運動会の種目として行われるようになったのは明治初期で、イギリス人の指導によるものでしたが、当時は外国人との交流も行われ、一緒に運動会を楽しんだようです。外国人により伝えられた運動会の中で、チームの呼吸を合わせるための掛声が日本人に「オーエス」と聞こえた事から、綱引きの掛声として定着したというちょっとした小話も知っておくとより楽しめます。 この人数で綱引きをやると、結構力が入り合うのでそうぞう以上に大変。みんなで呼吸を合わせることの大切さを学びます。 今のところは紅組が優勢!お子さんと一緒に楽しむママたちも「日頃の運動不足解消になってサイコ〜!運動会って楽しい!」と盛り上がっていました。 最後はお待ちかねの大玉転がしならぬ、「おにぎり転がし」です。大きな大きなおにぎりが会場に登場し、会場の盛り上がりはマックスに。お父さんとお母さんが協力しておにぎりが変な方向に行ってしまわないように舵を切りつつ、子どもたちが一生懸命転がすというまさにチーム戦。リレー形式なので、追い抜かれたり、追い越したり、おにぎりを転がしながら熱いドラマが繰り広げられました。三角おにぎりは丸い球より転がすのが難しいということも学びでした。 3種目を無事に終えて、閉会式です。得点発表の結果は164対156!!8点差で紅組の勝ちです!とってもいい勝負。紅白、どちらもよく頑張りました! 優勝した紅組にはおにぎりがてっぺんに鎮座するトロフィーが贈られます。お父さんに抱き抱えられてトロフィーを手にした男の子、とても誇らしげでした。 そして!お待ちかねのおにぎりタイムです〜。ボランティアの方々がつくってくれたお弁当をありがたくいただきます。 中にはおにぎりだけではなく、唐揚げ、卵焼き、そして美味しい漬物も。心を込めて握ってくれたおにぎりは本当においしくて、何より2時間身体をめいっぱい動かして運動した後のおにぎりだから、それはもう格別なんですよね。 振り返ると、学生時代以来の運動会でした。敵と闘うと言うよりは、みんなで身体を動かして、健康的な時間を過ごすことこそが運動会の意義なんだなあ〜なんて考えながらモリモリいただきます。 みんなで記念撮影もパチリ!お疲れ様でした! text:Kana Yokota

色々なものが色々な役割をもって重なり合う。そこは日常の中の小さな宇宙ー。通底縁劇・通底音劇「茶の間ユニバース」レポート

内房総アートフェス

2024.05.28

色々なものが色々な役割をもって重なり合う。そこは日常の中の小さな宇宙ー。通底縁劇・通底音劇「茶の間ユニバース」レポート

市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市で開催中の「千葉県誕生 150 周年記念事業 百年後芸術祭~環境と欲望~内房総アートフェス」。音楽を主とする「LIVE ART」として、“通底縁劇・通底音劇”と題した小林武史さんプロデュースによるスペシャルライブ。5月12日(日)には、袖ケ浦市民会館で、荻野目洋子さん、MOROHAをフィーチャーした「茶の間ユニバース」が開催されました。 袖ケ浦市民会館はコンサートや成人式などを開催する大ホールに加えて、会議室や調理室などを備えた袖ケ浦市民が折に触れて集う場所。袖ケ浦市営野球場などが隣接されている開放的な広場で「EN NICHI BA(エンニチバ)」も開催されました。ツクヨミコーヒーのオーガニックコーヒーを飲んで、はやる気持ちを落ち着かせます。 今回のLIVEのタイトルにもある通り、実際にステージ上には「茶の間」が設置されていました。スクリーンにはテレビのある茶の間の風景が映し出され、そのテレビにカメラがズームされるとテレビの中にもまた茶の間が広がり、またテレビの中にーといったタイムトリップ感のある演出により、会場の世界観に観客を引き込みます。 オープニングは昭和のおふくろさんのような衣装に身を包んだダンサーのアオイヤマダさんが登場します。茶の間でお茶を入れながら、落花生をつまんでいる姿が可愛い。ダンサーであり、女優であり、アーティストとして国内外で活躍されているアオイさんですが、彼女はそこに存在するだけで圧倒的な魅力を放つから不思議です。このステージでは彼女の存在によって、登場するさまざまなアーティストが繋がっていきます。 その後、襖を開けて登場したのはラップグループのMOROHA。「恩学」や「革命」など、全4曲を披露しました。アコースティックギター一本の音色とラップで繰り広げられる2人の圧巻のパフォーマンスで会場を熱気に包みます。 その後、キラキラの衣装を纏った荻野目洋子さんが登場。ヤマグチヒロコさんと加藤哉⼦さんによるユニット、落花生ズとともに「恋のフーガ」を披露しました。荻野目さんは千葉県佐倉市出身ということもあり、今回の百年後芸術祭「LIVE ART」に参加してくれたそうです。 80年代の実力派アイドルとして活躍された荻野目さんですが、令和の今でもキレキレのダンスで「ダンシングヒーロー」を歌い上げ、観客もノリノリ! 4曲目「Daydream Believer」の歌唱前には、選曲について小林武史さんが話されました。 「次の曲は、荻野目洋子さんが提案してくださいました。様々なことが起こっている今の時代で、『平和ってなんだろう』と振り返ったり、先のことを考えた際に、この曲を選んでくださったのではないかと思っています。自分自身も、80年代にザ・モンキーズのデイビー・ジョーンズと一緒に演奏をして以来初めて人前で披露をするので、いろいろな思い出が蘇って感慨深いですし、不思議なご縁だと感じています。『日常の大切さ』みたいなものを皆さんにお伝えしたいです」 荻野目洋子さんは「母親になった今、歌うことの意味が大きくなってきています。意味のある、そして時代の流れと共にその時に求められている曲を歌うことが、これから先の自分の役割の一つなのではないかと思い、この曲を選びました」と話されました。 アラフォーの筆者にとって「Daydream Believer」は忌野清志郎さんがカバーされていた日本語の歌詞のイメージが思い出深いですが、「もう今は 彼女はどこにもいない」そんな歌い出しから、「ずっと夢を見て 安心してた」というストーリーに、幼心に切ない気持ちになったことを思い出します。今あるこの幸せはずっと続くわけではないかもしれない、後悔しないように、今この瞬間に大事な人を大切にしよう。そんなことを感じさせてくれる名曲です。荻野目さんにとっても特別な曲であることが伝わってくる、優しい時間でした。 そして、最後の曲「東京ブギウギ」を落花生ズとともに歌唱を始めると、突然スクリーン越しに「ちょっと待った!」の文言とセリフが割り込む演出が(笑)。 ヤンクロックバンド「氣志團」の綾小路 翔さんの登場です。綾小路さんは「私の生まれ育った南房総にこんな素敵なアーティストの方がいらっしゃることはこれまでなかったので、本気で感激しています。地元を代表して厚くお礼申し上げます。」と挨拶をし、その後自虐も交えながら地元愛を熱弁。 「『東京ブギウギ』ならぬ『房総ブギウギ』!!」との曲振りから「房総ブギウギ」の歌唱が始まると、アオイヤマダさんが会場を駆け巡り、観客に野菜を配るパフォーマンスで会場の盛り上がりはピークに。その後、綾小路さんは「喧嘩上等」を含む全3曲を披露し、会場を笑いと熱気で包んだところで会場を去りました。 熱気が残る会場にしばしの静けさが戻り、舞台にもう一度MOROHAが戻ってきました。音楽雑誌のインタビューで“通底縁劇・通底音劇”について小林武史さんが語っていた時の言葉を思い返します。「『日常」と真摯に向き合い表現をしているアーティストとして、まず思い浮かんだのがMOROHA。凛としたギター1本で演奏していく感じが、「茶の間ユニバース」を象徴する存在のような気がしたんです」。心の奥から沸き起こる想いやメッセージを、極限までのエネルギーを使って歌い上げるその姿に、歌声に、完全にノックアウトされたエンディングでした。 2時間半近くの熱いステージに放心状態になったところで出演者全員がステージに登場。オリジナルソング「通底(ツーツーテーテー)」を歌唱しました。 そして、「みなさんも一緒に踊りましょう!」というアオイヤマダさんの声かけで観客も立ち上がり、一緒に「ツーツーテーテー」の掛け声に合わせてダンスを踊り、会場はまさに渾然一体に。盆踊りをみんなで踊る時の楽しさというか、大人も子どもも年配のお客さんも、みんなで一緒に「ツーツーテーテー」を踊る姿は側から見ればきっとシュールなのですが、このホールのみんなが一つになった瞬間でした。 小林武史さんがこんな言葉で締めくくりました。 「これまで百年後芸術祭でのライブを3回行ってきましたが、今日が本当の意味での『通底』でした。これまでなかった繋がりを一番作れたライブでした」。深く共感。 音楽のジャンルもスタイルもバラバラなアーティストが茶の間ステージに集まって、『房総ブギウギ』を歌ったり、「通底」ダンスを踊ったり。それは、千葉で開催された百年後芸術祭だからこそのキャスティングであり、まさに唯一無二のステージと言える一夜だったと思います。 千葉って、楽しい。 Photo :Takao IwasawaText:Kana Yokota

「音楽を通じて誰かのために寄り添えたら」。“通底縁劇・通底音劇”「super folklore」LIVEレポート

内房総アートフェス

2024.05.28

「音楽を通じて誰かのために寄り添えたら」。“通底縁劇・通底音劇”「super folklore」LIVEレポート

KURKKU FIELDSを舞台に、櫻井和寿、スガ シカオ、Butterfly Studio、小林武史らが披露する圧巻の「LIVE ART」 市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市で開催中の「千葉県誕生 150 周年記念事業 百年後芸術祭~環境と欲望~内房総アートフェス」。音楽を主とする「LIVE ART」として、“通底縁劇・通底音劇”と題した小林武史さんプロデュースによるスペシャルライブ「super folklore(スーパーフォークロア)」が4月21日(土)、22日(日)の二日間開催されました。 場所は、今回の芸術祭のメイン会場でもある木更津のKURKKU FIELDS。取材した初日、21日の天気は快晴。ライブは夕方からでしたが、昼間から駐車場を開放して「EN NICHI BA(エンニチバ)」が開催されていたため、たくさんの人で賑わいました。 晴れ渡る空の下、風にそよぐ新緑が美しいKURKKU FIELDSに訪れた参加者は4000人強。ステージのある場所はクリエイティブパークと呼ばれる芝生広場。周りには小川が流れ、オーガニックファームがあり、花々が咲くエディブルガーデンの向こうには牛舎やヤギ小屋がある、のどかなエリアです。 オープニングでは前面の巨大スクリーンを使用して “通底縁劇・通底音劇”の世界観を表現した映像が流されました。 最初に登場したのはスガシカオさん。一曲目の「あなたへの手紙」歌唱前に百年後芸術祭「LIVE ART」のテーマ“通底縁劇・通底音劇”について触れ、「自分の持つ力や勇気を自分のためではなく、誰かのために使うと逆に自分が救われると感じています。今回のイベントのテーマと同じように、音楽を通じて誰かとつながっていけたら良いと思います」と語りました。 「夜空のムコウ」や「黄金の月」、「Progress」といった名曲、新曲を含む全7曲を披露し、会場を魅了しました。ラストソング、『私たちの望むものは』は、フォークの神様と言われる岡林信康さんのカバー。 "私たちの望むものは 生きる苦しみではなく私たちの望むものは 生きる喜びなのだ私たちの望むものは 社会のための私ではなく私たちの望むものは 私たちのための社会なのだ” ちょうど日が落ち、千葉の空がピンク色に染まる頃、百年後を想うこの芸術祭で、この歌詞がぐっと染み渡るのを感じました。私たちが百年後にのぞむものはー? 続いては、Butterfly Studioの2人のダンサーによるダイナミックなパフォーマンス。King Gnuや大橋トリオなど様々なアーティストのMV出演や振付を担当しながら俳優としても活躍しているダンサーの高村月さんによるダンスパフォーマンスは、縦横無尽に舞台を使い、音楽に合わせてエモーショナルな表現で観客を魅了します。そして、美しくしなやかなポールスタイルと繊細でダイナミックな表現力に定評のある日本屈指のポールダンサーであるKUMIさんは、まるで天女のような黄金の衣を纏いステージを舞います。神秘的な空気に包まれました。 ゲストボーカルのHana Hopeさんによる「Christ ist erstanden」は、岩井俊二さん監督の映画「キリエのうた」のオリジナルサウンドトラック。美しいウィスパーボイスが会場全体に響き渡り、個人的に映画観賞後の感動が蘇ります。 そして、櫻井和寿さんが登場。Hana Hopeさんとともに歌いあげる「to U」のイントロで観客から歓声が上がります。この曲は、音楽プロデューサーである小林武史さんと櫻井和寿さんが中心となって活動しているバンド・Bank Bandの最初のオリジナル曲であり、「ap bank fes」のコンセプトソング。百年後芸術祭という場で改めて聴くと感じ入ります。 櫻井さんはその後も「LOVEはじめました」「365日」「Drawing」など、Mr.Childrenの名曲も含め次々と披露してくれました。「365日」では前奏部分を櫻井さんがサックスを奏でる一幕も。「人前でサックスを演奏するのは今回が初めてなんです。今日は寒いからピッチが下がっちゃって」と苦笑する姿に会場はほっこり。 「かぞえうた」歌唱前は、小林武史さんが「“通底縁劇・通底音劇”のテーマに合わせてリクエストした歌です」と選曲への想いについて語りました。この楽曲は、東日本大震災をきっかけにつくられたもの。「僕は震災の際、被災地に駆けつけることができませんでした。そんな自分の情けなさ、弱さ、かっこ悪さがどうしようもなく悔しくて、どうにか自分を許す手立てがないかと思っていました。被災された方に思いが届くように、この曲を書きました。この歌がどんなに小さなことでも、誰かの悲しみに何らかの形で寄り添えれば」と当時の想いを語りました。 気がつくとすっかり日が暮れて、夜空ではドローンショーがスタート。1000台のドローンが星のように光り、その光りが少しずつ円になり、繋がっていきます。 「昨今、ドローンは戦争兵器にも使われているけれど、このように、アートだったり、音楽と共存させる演出だったり、使う側の発想次第で芸術作品として人々の心を打つものにもなるということを伝えたかった」。そんな小林さんのメッセージを聞きながら、まるで夜空をキャンバスのように縦横無尽に飛行しながら絵を描いていくドローンたちを見上げていると、なんだか愛おしくも思えます。 昨年、「en Live Art Performance」としてもドローンの演出はあったのですが、櫻井さんの歌声やMr.Children、Bank Bandの楽曲と融合することでまた新たなライブ空間が生まれていて、この素晴らしい感動体験ができたことの幸福をかみしめるばかりでした。 その後も、Bank Band「歓喜の歌」、Mr.Children「風と星とメビウスの輪」、「HANABI」が続きます。たくさんの胸を打つ楽曲を聞きながら、その時間、確かに観客すべての人とつながっているような感覚を覚えました。「つながるはずのないものがつながる、つながっている」。この「LIVE ART」の冠でもある“通底縁劇・通底音劇”に込められたテーマが自分の中ですっと溶け込んだような感覚です。アートや音楽を通して、人はつながることができる。そんなことを感じられたこの百年後芸術祭。たんなる音楽フェスとは違い、参加した人たち一人一人に気づきを与えてくれたり、想像力を高めてくれるようなライブでした。 「誰にでも、誰にも代われない大事な人がいる」。そんなメッセージが込められたラストソング「こだま、ことだま」を聴きながら、百年後に自分は生きていないけれど、いまここにいる大切な家族や友人と笑顔で過ごすこと、ささやかな日々を大切にしていこうと心に誓いました。 胸がいっぱいでしたが、ライブ後に「EN NICHI BA」で食べた肉巻きおにぎりも、絶品でした。 Photo :Takao IwasawaText:Kana Yokota

子どもたちが楽しむ声が聞こえて、それを大人たちが笑顔で見守っていてくれるような風景を100年後にも袖ケ浦市に残していきたい。

袖ケ浦市

2024.05.15

子どもたちが楽しむ声が聞こえて、それを大人たちが笑顔で見守っていてくれるような風景を100年後にも袖ケ浦市に残していきたい。

袖ケ浦市長 粕谷智浩 ---------まずは袖ケ浦という街の特徴を教えてください。 もともとは農業と漁業が市民生活の中心でしたが、今から50年ほど前に臨海部を埋め立てて工場地帯を造ったことで人口が増え、コンパクトながらも豊かな自然と産業が共存するという現在の街の基礎ができました。さらにアクアラインの開通によって交通の利便性が飛躍的に高まったことも大きな変化でした。市内のどこに住んでいても自動車で5分~30分も走ればアクアラインに乗れますし、羽田空港までは25kmほどの距離ですので、日本の大半の場所に3時間ほどで行けることになります。千葉のもうひとつの玄関口としての役割を担うようになると、他地域から袖ケ浦に移り住む人も増え、2005年以降はずっと人口が微増し続けている状態です。 観光地としては、東京ドイツ村や袖ケ浦フォレストレースウェイというサーキット場、複数のゴルフ場があり、アクセスの良さを活かして首都圏からの日帰り客も多くいます。また、アクアラインのすぐ近くということもあり、今回百年後芸術祭を連携開催する市原市、木更津市、君津市、富津市の人々が行き交う街でもあります。 一年を通して四季折々の花が鑑賞できる「東京ドイツ村」 ---------袖ケ浦市が百年後芸術祭に参加したきっかけを教えてください。 2023年度が千葉県誕生150周年という節目を迎えることもあり、各市との間で共に手を携えて事業をやりましょうという話が出ていたことが発端です。 5市を舞台にした芸術祭というのはとても大きな話ですが、その中で私たちの地域の魅力をどう活かしていくかということはすぐにイメージができました。例えば、桜の名所と言われる袖ケ浦公園のすぐ近くの田んぼには、インドネシアの芸術家であるダダン・クリスタントさんの作品が展示されます。そこは桜が咲くと鮮やかなピンクに囲まれ、新緑の季節には緑が美しく、田んぼの稲穂が育っていくと黄金色が広がります。そうやって季節が移り変わる度に異なる風景を楽しめる場所でもあるため、袖ケ浦が持つ豊かな自然と非常にマッチした展示になるだろうと楽しみにしています。 また、市内でアーティストの方にワークショップを開催していただき、小さなお子さんをはじめとした多くの方にアートに触れてもらう機会も作っています。 100年後というと私などはもう生きていないでしょうが(笑)、小さな子どもたちはもしかしたら100年後も生きているかもしれませんよね。その時に彼らの中に「自分たちが幼い頃、袖ケ浦でこんなことがあったね」という記憶が少しでも残っていたら嬉しいですし、そんな未来に思いを馳せて取り組めるのはいいことだと感じています。 袖ケ浦市農畜産物直売所「ゆりの里」付近農道で鑑賞できるダダン・クリスタント《カクラ・クルクル・イン・チバ》 袖ケ浦公園内で鑑賞できる東弘一郎《未来井戸》 旧進藤家住宅(袖ケ浦公園内)で鑑賞できる大貫仁美《たぐり、よせる、よすが、かけら》 ---------市民や他地域から来られる方に、百年後芸術祭をどのように楽しんでもらいたいとお考えですか。 今回は広域で開催する芸術祭ですので、袖ケ浦市だけでなく各市に訪れていただきながら楽しんでもらいたいと思います。1日では周りきれないと思いますから何回かに分けて来ていただきたいですし、季節の移り変わりに合わせて作品の見え方も変わってくるはずなので、気に入った作品が見つかったら時間を置いて再訪すると新しい発見もあると思います。 また、現在袖ケ浦で暮らしている方々は意外と近隣市を訪れる機会が少ないんですよね。そこで、この芸術祭をきっかけに他の地域を見てもらい、その場所の魅力を見つけていただきたいです。その発見は自分たちの地元を見直すきっかけにもなるはずですから。 ---------袖ケ浦の特徴として自然と近代性の融合を挙げていただきましたが、その他にはどのような魅力を持った地域なのでしょうか。 食の面では、春から初夏にかけて農作物がよく採れます。体験農園もあり、イチゴや様々なフルーツを楽しむことができます。野菜も旬のものが安く手に入るので、都内からわざわざ買いに来る方もいます。また、袖ケ浦は酪農が盛んな地域ですので、牛乳を活かした料理があるのも特徴で、ホワイトガウラーメンという牛乳をスープに用いたラーメンが人気グルメになっています。 大衆中華ホサナの「元祖 ホワイトガウラーメン 」 観光的な観点からは離れますが、教育にも力を入れていて、都心ではできないような学びの機会を子どもたちに設けています。代表的なものが毎年夏休みに開催する「そでがうらわんぱくクエスト」です。市内の小中学生を対象とした企画で、今年度は君津市・木更津市・袖ケ浦市の3市を舞台に、2泊3日をかけて歩いてゴールを目指します。自然の中で遊びながら進み、夜は民家の軒先などを借りて野外泊をするという人気イベントで、毎年多くの子どもたちに応募いただく人気の体験型学習です。 市としては図書館教育にも力を入れていて、2023年には「図書館を使った調べる学習コンクール(主催:公益財団法人図書館振興財団)」で袖ケ浦市の小学6年生が文部科学大臣賞を受賞しています。 また、地元企業のご協力をいただいて子どもたちに職業体験も提供しています。2023年には百年後芸術祭の連携事業として、袖ケ浦フォレストレースウェイをお借りして自動車に関わる仕事や、銀行員、助産師、大工といった様々な仕事を体験できるイベントを開催しました。その他にも、研究者の方が多くいる臨海部の企業にご協力いただき、科学実験を教えてもらう機会なども設けています。 都心へのアクセスの良さ、自然の豊かさ、そして教育へも力を入れていますので、袖ケ浦市はとても子育てがしやすい街だと胸を張って言うことができます。 ---------100年後の袖ケ浦市はどのような街になっていてもらいたいとお考えでしょうか。 街自体の発展はもちろんですが、何よりもその街にいる人たちが幸せに暮らせる地域になっていて欲しいですよね。子どもたちが楽しむ声が聞こえて、それを大人たちが笑顔で見守っていてくれるような風景を100年後にも残していきたいと思います。 現時点では、袖ケ浦駅周辺の整備が進み、駅周辺には新しい住宅地が広がり、多くの方に住んでいただいています。今後は住宅以外の開発も進めて街を広げていきたいですし、それは私自身の夢でもあります。もちろんそのためには地域の皆さんと同じ方向を向き、意識や将来のイメージを共有していかなければなりませんから、しっかりと時間をかけてコミュニケーションを取り、ともに歩んでいきたいと考えています。 より長期的な観点での取り組みとしては、しっかりとした都市機能の構築や、自然を維持していくことが挙げられます。都市化ばかりを進めて自然を蔑ろにしてしまうと元に戻すことは非常に大変ですし、反対に人の生活環境を整えることも疎かにしてはいけません。どうやってそのバランスを取っていくかが大事ですし、そこを誤ると街のバランスも崩れてしまいます。現在のこの街の姿は50年前、100年前に目指してきたものだと思いますし、今の時代を生きる私たちも50年後や100年後を見据えながら行動に移すことが重要です。そう考えると、百年後芸術祭を通じて未来を考えるきっかけを得られたことは非常によかったと感じています。 ---------最後に、「百年後芸術祭」への期待をお聞かせください。 この数年の間はコロナ禍の影響で多くの人が内向きな状態になっていましたし、行政の立場から外出や経済活動の自粛をお願いすることもありました。そうした中で徐々に人々が動き始める流れがつくられ、そして百年後芸術祭が開催されることとなりました。ようやく地域の方々に明るい話題をお届けできるようになってきたので、この百年後芸術祭をひとつのきっかけにして、外に出て自然に触れ、そしてアートを見ていただきたいと思っています。 Photo:Eri MasudaInterview :Kana Yokota  text :Tomoya Kuga

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