ニュース

2024.05.01

百年後芸術祭-内房総アートフェス-Instagram写真投稿キャンペーンを開催中!

Instagram写真投稿でオリジナルグッズをプレゼント! 百年後芸術祭-内房総アートフェス-では、ご来場いただいた皆様にさらに楽しんでいただくため、Instagram写真投稿キャンペーンを開催中です。コンセプトの異なる賞を複数ご用意し、ご来場いただいた皆様がInstagramを通じて作品やイベントなどの写真を投稿いただいた中から選定し、オリジナルグッズをプレゼントいたします。ご来場者様同士の楽しみの共有や、まだご来場されていない方々を芸術祭にお誘いするきっかけ作りに、ぜひこのキャンペーンをご利用ください。 応募方法は、2ステップ!(応募締切:5月26日〆)①公式アカウント(@100nengo_art_fes)をフォロー②「#内房総アートフェス」を付けて写真を投稿※2024年3月23日(土)以降の、応募方法を遵守した投稿についても、対象とします。 ※公式アカウントのURL→https://www.instagram.com/100nengo_art_fes/ ●各賞のコンセプト内房総賞 : 応募された写真の中で最も優れているもの百年後賞 : 百年後を連想させるものなどサステナブル賞 : 環境に配慮したことがわかるもの(自転車を活用した周回など) ●プレゼント内容百年後芸術祭-内房総アートフェス-オリジナルグッズ詰め合わせ内房総賞 (1名):内房総アートフェスグッズセットA(ボールペン3本、クリアファイル3枚、手ぬぐい2枚、トートバック1個、Tシャツ1枚)百年後賞 (2名):内房総アートフェスグッズセットB(ボールペン1本、クリアファイル3枚、手ぬぐい2枚、Tシャツ1枚)サステナブル賞(3名) :内房総アートフェスグッズセットC(ボールペン1本、クリアファイル1枚、手ぬぐい1枚、Tシャツ1枚) 応募の際は以下のpdfの規約を必ずお読みください。 instagram_campaignダウンロード

2024.04.25

市原市の60作品をエリア別にご紹介

内房総の中でも最も面積の広い市原市。60点と作品数も多く点在しているため、市原市内のエリア・施設ごとに作品情報をまとめてご紹介します。マップに記載された作品番号と下に記載された各作品を照らし合わせて、ぜひ作品巡りの参考にしてみてください。(※マップに記載されたページ数はガイドブックのページ数です) ●内田未来楽校 100年近くの歴史を持つノスタルジックな木造校舎。地域住民・支援者を中心としたNPO法人「報徳の会・内田未来楽校」のもと、里山ハイキング、展示会、朝市、こっこ市など、子どもからお年寄りまで楽しめる行事が盛んに開催されています。 公開時間:10:00~17:00(火・水曜日定休) エリア鑑賞券:300円 所在地:市原市宿174-8 アクセス:路線バス「内田」バス停から徒歩3分、上総牛久駅からタクシーで8分 無料周遊バス:[平日]東コース [土休日]東コースA・C 1 角文平《Homing》 2 イ・ビョンチャン《クリーチャー, 2024》 ●上総牛久駅周辺 養老川の船着場や荷揚げ場と、東京湾~太平洋の陸路との交点点にできた宿場町で、道路がマスの角のように直角に曲がる宿場町特有の街道が残ります。約100年前に上総牛久駅ができてからは商業の中心地として発展してきました。近年は「アートのまちいちはら推進ビジョン」のモデル事業として、「牛久リ・デザインプロジェクト」を実施しています。 公開時間:10:00~17:00(火・水曜日定休) ※《 MEAT SHOP》は月・火・水曜日定休、《でんせつのやたい》は火・水曜日/第1・3日曜日定休 エリア鑑賞券:800円(個別鑑賞券300円) 所在地:市原市牛久の各所 アクセス:上総牛久駅から徒歩数分 無料周遊バス:[平日]東コース [土休日]東コースA・C 3 栗真由美《ビルズクラウド》 4 沼田侑香《MEAT SHOP》《JAPANESE SWEETS SHOP》 5 大西康明《境の石 養老川》 6 柳建太郎《KINETIC PLAY》 7 豊福亮《牛久名画座》 8 千田泰広《アナレンマ》 9 岩沢兄弟《でんせつのやたい》 ●市原湖畔美術館 千葉県一の貯水面積を誇る高滝湖を臨む、自然豊かな美術館。現代アートを中心とした企画展、地域・子どもに開かれたワークショップなど多彩なプログラムを展開しています。ドラマやMVにも使われるユニークな建築や、隣接する「PIZZERIA BOSSO」での旬の食材をふんだんに使った食事も楽しめます。 公開時間:平日10:00~17:00、土・祝前日9:30~19:00、日・祝日9:30~18:00(会期中は火曜定休、最終入館30分前) 入館料:一般1,000円、大高生・65歳以上800円 所在地:市原市不入75-1 アクセス:高滝駅から徒歩20分、市原鶴舞BTからタクシーで5分 無料周遊バス:[平日]東コース [土休日]東コースA・B・C、東西横断コース 10 ディン・Q・レ《絆を結ぶ》 11 リーロイ・ニュー《多次元港としてのバレテ》 12 リュウ・イ(劉毅)《はじめまして》 13 チョ・ウンピル《私の青》 14 KOSUGE1-16《Heigh-Ho》 15 KOSUGE1-16《Toy Soldier》 16 クワクボリョウタ《Lost Windows》 17 アコンチ・スタジオ《MUSEUM - STAIRS / ROOF OFNEEDLES & PINS》 18 木村崇人《星ぶどう》 19 鈴木ヒラク《Warp》 ●旧里見小学校 旧里見小学校では、市原市の産業と生の現代アートが共演します。世界各国の作家の制作風景や、地域の品々からなるショップやレストランが並び、市原市の産業をたどる新しい体験を生み出します。 公開時間:10:00~17:00(火・水曜日定休) エリア鑑賞券:800円 所在地:市原市徳氏541-1 アクセス:路線バス「加茂農協里見支店」または「徳氏会館前」バス停から徒歩3分、飯給駅から徒歩15分 無料周遊バス:[平日]東コース [土休日]東コースB、東西横断コース 20 アレクサンドル・ポノマリョフ《永久機関》 21 ソカリ・ドグラス・カンプ《Peacetime》 22 森靖《Start up - Statue of Liberty》 23 エルヴェ・ユンビ《ブッダ・マントラ》 24 EAT&ART TARO《SATOMI HIROBA》 25 EAT&ART TARO《おにぎりのための運動会!》 26 カルロス・ガライコア《ウェイクアップ/シティ/スリープ》 27 豊福亮《里見プラントミュージアム》 ●旧平三小学校 養老川の支流である平蔵川に沿った大多喜街道の道中にある平三地区。会場である旧平三小学校の校庭の地下には、川廻しという手掘りの水路が流れており、先人たちが地域の発展ために捧げた思いを見ることができます。旧平三小学校から北に10分ほど歩くと、国指定重要文化財の西願寺阿弥陀堂が佇んでいます。 公開時間:10:00~17:00(火・水曜日定休) エリア鑑賞券:800円 所在地:市原市平蔵808 アクセス:路線バス「堀切」バス停から徒歩5分、市原鶴舞BTからタクシーで8分 無料周遊バス:[平日]東コース [土休日]東コースA・C 28 秋廣誠《時間鉄道》 29 アブドゥルラーマン・アブダラ《最後の3人》 30 冨安由真《Jacob's Ladder (Dream For Ascension)/ ヤコブの梯子(終わらない夢)》 31 冨安由真《The TOWER (Descension To The Emerald City)/ 塔(エメラルド・シティに落ちる)》 32 ラヴァル・モンロー《サンクチュアリ》 33 笹岡由梨子《Animale(アニマーレ) 34 冨安由真《Three on the Level》 ●月崎・田淵 養老川上流の蛇行した一帯で、小湊鉄道や車道を開通させるためにつくられた手掘りトンネルや切通しが数多く残っています。川に迫る山々や深い谷に雄大な自然を感じられるでしょう。2020年には、田淵にある約77万年前の地層が国際基準となったことで地層年代「チバニアン」が誕生し、県内屈指の魅力的な観光地に変貌しつつあります。 公開時間:10:00~17:00(火・水曜日定休) 個別鑑賞券:300円(《森ラジオ ステーション×森遊会》)<いちはらクオードの森> 所在地:市原市柿木台1011 アクセス:月崎駅から徒歩15分<月崎駅> 所在地:市原市月崎539 無料周遊バス:[平日]東コース[土休日]東コースB<チバニアンビジターセンター> 所在地:市原市田淵1157 アクセス:月崎駅から徒歩30分 35 木村崇人《森ラジオ ステーション×森遊会》 36 栗田宏武《田舎暮らし 陽だまりの庭にて》 37 小沢敦志《地熱の扉》 38 【5/18・19のみ実施】ニブロール《風か水やがらんとした空か》 ●月出工舎 市原市の山間部に位置し、2007年に閉校した月出小学校が、芸術の発信拠点として大きく生まれ変わりました。「みんなでつくるがっこう 月出工舎」をコンセプトに、「遊・学・匠・食」の4つのプロジェクトを展開。芸術のみならず、あらゆる分野や世代を超えた取り組みが、時間をかけて着実に月出の森に根付いています。金土日祝は「cafe-TSUKIDEYA」もオープン。 公開時間:10:00~17:00(火・水曜日定休) エリア鑑賞券:800円 所在地:市原市月出1045 旧月出小学校 アクセス:月崎駅からタクシーで10分 無料周遊バス:[平日]東コース [土休日]東コースA・C 39 岡田杏里《月が生まれたとき》 40 鈴村敦夫《つながる波紋》 41 塩月洋生《閒(あわい)》 42 チョウハシトオル《火処(ほど)》 43 ヘラルド・バルガス《Gente Del Mar - 海からの人々-》 44 石川洋樹《彫刻あるいは距離を測る為のプラットフォーム》 45 灰原千晶《耳鳴り》 46 岩間賢《やうやう》 47 竹村京《修復された月出小学校のものたち(2023)》 48 中根唯《出る月の絵たち》 《絵の宿木》 49 岩間賢《ほとり》 50 毛利悠子《I Can't Hear You》 51 岡博美《そことここが つながる時》 52 田中奈緒子《彼方の家》 ●駅舎/広域 五井駅~上総中野駅まで全線18駅のほとんどが、約100年前の開業当時の駅舎を使っている小湊鉄道。風情が残る駅舎とレトロな列車は、映画やドラマの舞台としても知られています。上総牛久駅~上総大久保駅間では、ユニークなトイレやコケに覆われたラジオステーションなど、アート作品たちが迎えてくれます。さらに今回は、月崎駅の新設トイレやいくつかの駅周辺で展開するパフォーマンスといった新たな魅力が加わり、ローカルな鉄道と各駅の作品を楽しむアートな旅へ人々を誘います。 53 【上総牛久駅】藤本壮介《里山トイレ》 54 【上総川間駅】ジョアン・カポーテ《Nostalgias》 55 【上総鶴舞駅】藤本壮介《Tree/Toilet》 56 【飯給駅】藤本壮介《Toilet in Nature》 57 【月崎駅】CLIP《(タイトルなし)》 58 【上総大久保駅】CLIP《森の入口》 59 【4/27・28・29のみ実施】時速30km の銀河の旅《終着駅2024》 60 【5/11・12のみ実施】東京デスロック TOKYO DEATHLOCK《Anti-Human Education Ⅵ「トイレを巡る修学旅行」》

2024.04.17

百年後芸術祭-内房総アートフェス-のオフィシャル飲食施設を紹介!

百年後芸術祭-内房総アートフェス-のオフィシャル飲食施設を紹介します! 今回紹介する施設では、地域の食材をふんだんに使ったオリジナル料理と、数々のアート作品を一度に楽しむことができます。房総で採れた地元野菜、牧場で作られた乳製品、それらを活かしたさまざまな料理を、アート作品の点在した廃校や農場などで食べることができます。この場所にしかない食事、自然に触れる体験、多様なアート作品など、都会にはない新鮮な体験があふれています。千葉県の内房総でしかできない特別な体験を、ぜひ堪能してください。 施設一覧 SATOMI HIROBA【市原市】●営業日:3/24-5/26(11:00-17:00/L.O.フード15:00、ドリンク16:00)※火・水定休日(4.30・5.1は除く)●住所:市原市徳氏541-1(旧里見小学校) 2024年の春に完成した、EAT&ART TAROが手掛ける「SATOMI HIROBA」は、アート作品でもあり、地元の人や来訪者が集える場所です。旧里見小学校の校庭に、色とりどりの椅子が並ぶテラス席で食事を楽しむことが出来ます。天気の良い日はピクニックやたき火も行うほか、手作りのベーコンと房総の新鮮卵を挟んだフォカッチャサンド、房総の豚肉を使った揚げたてカレーパン、手作り生いちごミルクなど、地域の恵みを味わえます。また廃校を活かして展示されたアート作品も見どころ満載です。 詳細はこちら   クルックフィールズ【木更津市】●営業時間:10:00-17:00 ※火・水曜 定休日(祝日は営業)●住所:木更津市矢那2503 クルックフィールズ内 2019年の秋にオープンしたクルックフィールズでは、その時期の旬の食材を使った料理やパンを、季節の味として楽しむことができます。 園内で育てられている有機野菜やハーブ、シャルキュトリーや平飼いで育てられた鶏の卵、酪農場の作りたてのチーズなど、新鮮な食材をふんだんに使ったメニューがおすすめです。牧場・農場・ふれあい広場・宿泊施設などが点在し、自然の中で数々のアート作品を鑑賞することもできる複合施設となっています。レストランperusでは芸術祭期間中限定の特別ランチコースが味わえます。事前予約がおすすめです。ご予約はこちらから。 詳細はこちら   百年後芸術祭「EN NICHI BA」「百宴~epilogue~」●営業日:5/26(11:00-15:30)●住所:旧里見小学校(市原市徳氏541) 「EN NICHI BA」とは、「縁日(ENNICHI)」、「市場(ICHIBA)」、「千葉(CHIBA)」 が融合した食と学びの新たな食体験イベントです。千葉県には山の幸、海の幸に恵まれた、豊かに受け継ぎ守られてきた食文化があります。この豊かな食文化を百年後にも伝えていきたい、そんな想いを込めてこのイベントは開催されています。KURKKU FIELDS「perus」の山名新貴シェフによって、参加者は千葉の恵みをコースで堪能することができます。 詳細はこちら   -cafe- TSUKIDEYA【市原市】●営業日:3/24-5/26の毎週金土日祝(10:00 -17:00/L.O.16:00) ※4/30・5/1・5/2は営業●住所:市原市月出1045 月出工舎1F(旧月出小学校) 月出工舎にて焙煎工房を構える「ヤマドリ珈琲」では、南市原をイメージした珈琲豆の販売や焙煎師が淹れるコーヒーを味わえます。また、月出の森で食べられるBBQ スタイルのサンドイッチや地元の食材を使用したオリジナルスイーツが週替わりで提供されています。国産小麦、天然酵母にこだわるベーカリー「麦を踏む」が焼くパンやお菓子でのおもてなしもあり、森の恵みでつくられた自家製シロップを使用したかき氷「月出のかまくら」が期間限定で登場する予定です。 詳細はこちら   <番外編>「PIZZERIA BOSSO」【市原市】●営業日:平日 11:00〜15:30 (L.O 15:00) /16:30〜20:00( L.O 19:00)、土日祝11:00〜21:00 (L.O 20:00) ※月曜日(祝日の場合は翌平日)・年末年始●住所:市原市不入75−1市原湖畔美術館 屋外敷地内 市原湖畔美術館に隣接した「PIZZERIA BOSSO」では、高滝湖を眺めながら、房総の旬の食材をふんだんに使った本格窯焼きのピザを中心とした食事を楽しめます。市原湖畔美術館の敷地内にあり、テラス席では、屋外作品を始めとしたアート作品を鑑賞できます。また、春には満開の桜が周辺に咲き誇り、夏には花火大会が開催されるなど、季節ごとの移ろいを感じられる場所となっています。 詳細はこちら

2024.04.15

百年後芸術祭-内房総アートフェス-開催エリア内の飲食店・観光施設・宿泊施設をご紹介します

内房総5市にお越しの際は、地元の店舗や施設をぜひご利用ください。のぼり旗が目印です。以下のpdfファイルで①飲食店、②観光地・観光施設/土産店、③宿泊施設を紹介しております。※★付きの店舗や施設はパスポート提示による特典があります。※ホームページ・SNS等がある店舗・施設については、URL及びリンクを掲載しております。 ①飲食店 restaurantダウンロード ②観光地・観光施設/土産店 sightseeing-giftダウンロード ③宿泊施設 hotelダウンロード

2024.05.20

No.88 岩崎貴宏《カタボリズムの海》:再公開のお知らせ

メンテナンスのため公開を休止していた、富津埋立記念館で展開中の岩崎貴宏の作品《カタボリズムの海》は、本日5/20(月)午後より再公開しております。 公開休止中はご迷惑をおかけしまして、申し訳ございませんでした。富津岬周辺会場では、富津公民館・富津埋立記念館及び下洲漁港に、海をテーマとした選りすぐりの作品が設置されております。ぜひお越しください。 作品詳細はこちら

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イベント

小林武史が四家卯大と林田順平を迎え、百年後芸術祭-内房総アートフェス-の最後の週末を飾る音楽ライブを開催!

内房総アートフェス

2024.5.25-5.26

小林武史が四家卯大と林田順平を迎え、百年後芸術祭-内房総アートフェス-の最後の週末を飾る音楽ライブを開催!

5月26日(日)に閉幕を迎える「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」のフィナーレに向け、総合プロデューサーの小林武史が、チェリストに四家卯大と林田順平を迎え音楽ライブを開催します。5月25日(土)は木更津市のKURKKU FIELDS、5月26日(日)は市原市の市原湖畔美術館での公演となります。アート作品や食、豊かな自然環境も同時に楽しめる会場で、芸術祭最後の週末に相応しいパフォーマンスをお届けします。 ●5月25日(土)時間:14:30開場、15:00開演会場:KURKKU FIELDS出演:小林武史(key)/林田順平(Vc)料金:無料(アート鑑賞パスポート又はクルックフィールズのエリア鑑賞券の提示が必要です)事前申込:不要 ●5月26日(日)時間:14:30開場、15:00開演会場:市原湖畔美術館出演:小林武史(key)/四家卯大(Vc)料金:無料(アート鑑賞パスポート又は市原湖畔美術館のエリア鑑賞券の提示が必要です)事前申込:不要

百年後芸術祭-内房総アートフェス-Instagram写真投稿キャンペーンを開催します!

内房総アートフェス

2024.5.1-5.26

百年後芸術祭-内房総アートフェス-Instagram写真投稿キャンペーンを開催します!

Instagram写真投稿でオリジナルグッズをプレゼント! 百年後芸術祭-内房総アートフェス-では、ご来場いただいた皆様にさらに楽しんでいただくため、Instagram写真投稿キャンペーンを開催します!コンセプトの異なる賞を複数ご用意し、ご来場いただいた皆様がInstagramを通じて作品やイベントなどの写真を投稿いただいた中から選定し、オリジナルグッズをプレゼントいたします。ご来場者様同士の楽しみの共有や、まだご来場されていない方々を芸術祭にお誘いするきっかけ作りに、ぜひこのキャンペーンをご利用ください。 応募方法は、2ステップ!(応募締切:5月26日〆)①公式アカウント(@100nengo_art_fes)をフォロー②「#内房総アートフェス」を付けて写真を投稿※2024年3月23日(土)以降の、応募方法を遵守した投稿についても、対象とします。 ※公式アカウントのURL→https://www.instagram.com/100nengo_art_fes/ ●各賞のコンセプト内房総賞 : 応募された写真の中で最も優れているもの百年後賞 : 百年後を連想させるものなどサステナブル賞 : 環境に配慮したことがわかるもの(自転車を活用した周回など) ●プレゼント内容百年後芸術祭-内房総アートフェス-オリジナルグッズ詰め合わせ内房総賞 (1名):内房総アートフェスグッズセットA(ボールペン3本、クリアファイル3枚、手ぬぐい2枚、トートバック1個、Tシャツ1枚)百年後賞 (2名):内房総アートフェスグッズセットB(ボールペン1本、クリアファイル3枚、手ぬぐい2枚、Tシャツ1枚)サステナブル賞(3名) :内房総アートフェスグッズセットC(ボールペン1本、クリアファイル1枚、手ぬぐい1枚、Tシャツ1枚) 応募の際は以下のpdfの規約を必ずお読みください。 instagram_campaignダウンロード

レストランperus (ペルース)

内房総アートフェス

2024.3.23-5.26 の毎週土日祝

レストランperus (ペルース)

クルックフィールズ内にあるレストランperus(ペルース)では、芸術祭期間限定のランチコースが登場!食体験を通して「人と自然との繋がり」を体感し、農場の野菜やジビエをはじめ、地元の漁港で水揚げされた魚など、その時々の旬の食材を用いた料理をお楽しみいただけます。 イタリア、スペインをはじめ国内外の星付きレストランで研修を重ねた山名新貴シェフが、自然と共生し、生産者の想いと素材に寄り添った食体験をお届けします。 ■芸術祭限定手打ちパスタコースC (4,980円/税込) ※百年後芸術祭期間中の3/23~5/26限定前菜1『本日のフィンガーフード』前菜2『水牛モッツァレッラのカプレーゼ』前菜3『お野菜たっぷりミネストローネ』パン『Lankaの全粒粉パン』魚料理『芸術祭』メイン『選べる手打ちパスタ3種』・本日のパスタ・バジルと農場野菜のジェノベーゼ・猪肉と農場野菜のボロネーゼ ご予約はこちらから

佐藤悠「おはなしの森 君津」

君津市

2024.3.23-5.26の毎週土日祝

佐藤悠「おはなしの森 君津」

一枚の絵を描きながら、その場にいる全員で即興の「おはなし」をつくるパフォーマンス「いちまいばなし」。「何がどうした?どうなった?」と参加者へ順番に続きを聞いていき、答えた内容を1枚の絵に描き足していきます。「面白い『おはなし』は、既に参加者の中にある」とし、それらをひも解きながら取り出していく作品。3人以上の希望者が集まれば、そこからパフォーマンスが始まります。 ●開催日:2024年3月23日(土)~5月26日(日)の毎週土日祝 ●所要時間:15分程度(3人以上の希望者が集まり次第実施) ●参加費:無料 ●予約:不要

柳建太郎「ガラス細工をつくろう」

市原市 上総牛久駅周辺

2024.3.23-5.26の毎週土日祝

柳建太郎「ガラス細工をつくろう」

千葉県印西市の印旛沼近くにある柳建太郎の工房「アトリエ炎」を、市原市の牛久商店街(上総牛久駅周辺)にそのまま移転した作品。真っ暗な空間の中には、動くガラスの透明な世界が広がります。その作品に関連したガラス細工のワークショップを毎週開催します。ぜひご参加ください。 ●開催日:2024年3月23日(土)~5月26日(日)の毎週土日祝 ●会場:作品会場(以下マップ参照) ●参加費:2500円~ ●予約:不要

-cafe- TSUKIDEYA

市原市 月出工舎

2024.3.23-5.26 の毎週金土日祝 ※4.30・5.2は営業

-cafe- TSUKIDEYA

月出工舎にて焙煎工房を構える「ヤマドリ珈琲」では、南市原をイメージした珈琲豆の販売や焙煎師が淹れるコーヒーを味わえます。また、月出の森で食べられるBBQ スタイルのサンドイッチや地元野菜を使用したオリジナルデザートを週替わりで楽しめます。月出町会や「焼き芋屋リッツファーム」の協力によって地域食材を集め、「FOOD TANK」の櫻場シェフがプロデュース。国産小麦、天然酵母にこだわるベーカリー「麦を踏む」が焼くパンやお菓子でのおもてなしも。さらに、森の恵みでつくられた自家製シロップを使用したかき氷「月出のかまくら」が期間限定で登場します。出展作家の小作品やオリジナルTシャツ、UP COFFEEとして焙煎時に見つかる欠点豆で一つひとつ手染めした鞄などもご購入いただけます。●営業日:3月23日(土)〜5月26日(日)の金土日祝※GW期間中の4月30日(火)、5月1日(水)、5月2日(木)は営業●時間:10:00 〜17:00 / L.O.16:00●会場:月出工舎(市原市月出1045) 詳細は月出工舎公式HPへ

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コンセプト

コンセプトイメージ

百年後芸術祭とは

百年後芸術祭は、千葉県を舞台とした百年後を考える誰もが参加できる芸術祭です。

100年後を思うことは「利他」そのもの。
100年後に残したいアートとは何か?
100年後に残したい音楽とは何か?
100年後に残したい食とは何か?
100年後に残したいこととは何か?

この芸術祭は、
一緒に100年後の未来を創っていくための、共創の場。
100年後を考え、表現することすべてが芸術活動になります。
さぁ、一緒に100年後を考えてみませんか?

百年後芸術祭

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ストーリー

子どもたちが楽しむ声が聞こえて、それを大人たちが笑顔で見守っていてくれるような風景を100年後にも袖ケ浦市に残していきたい。

袖ケ浦市

2024.05.15

子どもたちが楽しむ声が聞こえて、それを大人たちが笑顔で見守っていてくれるような風景を100年後にも袖ケ浦市に残していきたい。

袖ケ浦市長 粕谷智浩 ---------まずは袖ケ浦という街の特徴を教えてください。 もともとは農業と漁業が市民生活の中心でしたが、今から50年ほど前に臨海部を埋め立てて工場地帯を造ったことで人口が増え、コンパクトながらも豊かな自然と産業が共存するという現在の街の基礎ができました。さらにアクアラインの開通によって交通の利便性が飛躍的に高まったことも大きな変化でした。市内のどこに住んでいても自動車で5分~30分も走ればアクアラインに乗れますし、羽田空港までは25kmほどの距離ですので、日本の大半の場所に3時間ほどで行けることになります。千葉のもうひとつの玄関口としての役割を担うようになると、他地域から袖ケ浦に移り住む人も増え、2005年以降はずっと人口が微増し続けている状態です。 観光地としては、東京ドイツ村や袖ケ浦フォレストレースウェイというサーキット場、複数のゴルフ場があり、アクセスの良さを活かして首都圏からの日帰り客も多くいます。また、アクアラインのすぐ近くということもあり、今回百年後芸術祭を連携開催する市原市、木更津市、君津市、富津市の人々が行き交う街でもあります。 一年を通して四季折々の花が鑑賞できる「東京ドイツ村」 ---------袖ケ浦市が百年後芸術祭に参加したきっかけを教えてください。 2023年度が千葉県誕生150周年という節目を迎えることもあり、各市との間で共に手を携えて事業をやりましょうという話が出ていたことが発端です。 5市を舞台にした芸術祭というのはとても大きな話ですが、その中で私たちの地域の魅力をどう活かしていくかということはすぐにイメージができました。例えば、桜の名所と言われる袖ケ浦公園のすぐ近くの田んぼには、インドネシアの芸術家であるダダン・クリスタントさんの作品が展示されます。そこは桜が咲くと鮮やかなピンクに囲まれ、新緑の季節には緑が美しく、田んぼの稲穂が育っていくと黄金色が広がります。そうやって季節が移り変わる度に異なる風景を楽しめる場所でもあるため、袖ケ浦が持つ豊かな自然と非常にマッチした展示になるだろうと楽しみにしています。 また、市内でアーティストの方にワークショップを開催していただき、小さなお子さんをはじめとした多くの方にアートに触れてもらう機会も作っています。 100年後というと私などはもう生きていないでしょうが(笑)、小さな子どもたちはもしかしたら100年後も生きているかもしれませんよね。その時に彼らの中に「自分たちが幼い頃、袖ケ浦でこんなことがあったね」という記憶が少しでも残っていたら嬉しいですし、そんな未来に思いを馳せて取り組めるのはいいことだと感じています。 袖ケ浦市農畜産物直売所「ゆりの里」付近農道で鑑賞できるダダン・クリスタント《カクラ・クルクル・イン・チバ》 袖ケ浦公園内で鑑賞できる東弘一郎《未来井戸》 旧進藤家住宅(袖ケ浦公園内)で鑑賞できる大貫仁美《たぐり、よせる、よすが、かけら》 ---------市民や他地域から来られる方に、百年後芸術祭をどのように楽しんでもらいたいとお考えですか。 今回は広域で開催する芸術祭ですので、袖ケ浦市だけでなく各市に訪れていただきながら楽しんでもらいたいと思います。1日では周りきれないと思いますから何回かに分けて来ていただきたいですし、季節の移り変わりに合わせて作品の見え方も変わってくるはずなので、気に入った作品が見つかったら時間を置いて再訪すると新しい発見もあると思います。 また、現在袖ケ浦で暮らしている方々は意外と近隣市を訪れる機会が少ないんですよね。そこで、この芸術祭をきっかけに他の地域を見てもらい、その場所の魅力を見つけていただきたいです。その発見は自分たちの地元を見直すきっかけにもなるはずですから。 ---------袖ケ浦の特徴として自然と近代性の融合を挙げていただきましたが、その他にはどのような魅力を持った地域なのでしょうか。 食の面では、春から初夏にかけて農作物がよく採れます。体験農園もあり、イチゴや様々なフルーツを楽しむことができます。野菜も旬のものが安く手に入るので、都内からわざわざ買いに来る方もいます。また、袖ケ浦は酪農が盛んな地域ですので、牛乳を活かした料理があるのも特徴で、ホワイトガウラーメンという牛乳をスープに用いたラーメンが人気グルメになっています。 大衆中華ホサナの「元祖 ホワイトガウラーメン 」 観光的な観点からは離れますが、教育にも力を入れていて、都心ではできないような学びの機会を子どもたちに設けています。代表的なものが毎年夏休みに開催する「そでがうらわんぱくクエスト」です。市内の小中学生を対象とした企画で、今年度は君津市・木更津市・袖ケ浦市の3市を舞台に、2泊3日をかけて歩いてゴールを目指します。自然の中で遊びながら進み、夜は民家の軒先などを借りて野外泊をするという人気イベントで、毎年多くの子どもたちに応募いただく人気の体験型学習です。 市としては図書館教育にも力を入れていて、2023年には「図書館を使った調べる学習コンクール(主催:公益財団法人図書館振興財団)」で袖ケ浦市の小学6年生が文部科学大臣賞を受賞しています。 また、地元企業のご協力をいただいて子どもたちに職業体験も提供しています。2023年には百年後芸術祭の連携事業として、袖ケ浦フォレストレースウェイをお借りして自動車に関わる仕事や、銀行員、助産師、大工といった様々な仕事を体験できるイベントを開催しました。その他にも、研究者の方が多くいる臨海部の企業にご協力いただき、科学実験を教えてもらう機会なども設けています。 都心へのアクセスの良さ、自然の豊かさ、そして教育へも力を入れていますので、袖ケ浦市はとても子育てがしやすい街だと胸を張って言うことができます。 ---------100年後の袖ケ浦市はどのような街になっていてもらいたいとお考えでしょうか。 街自体の発展はもちろんですが、何よりもその街にいる人たちが幸せに暮らせる地域になっていて欲しいですよね。子どもたちが楽しむ声が聞こえて、それを大人たちが笑顔で見守っていてくれるような風景を100年後にも残していきたいと思います。 現時点では、袖ケ浦駅周辺の整備が進み、駅周辺には新しい住宅地が広がり、多くの方に住んでいただいています。今後は住宅以外の開発も進めて街を広げていきたいですし、それは私自身の夢でもあります。もちろんそのためには地域の皆さんと同じ方向を向き、意識や将来のイメージを共有していかなければなりませんから、しっかりと時間をかけてコミュニケーションを取り、ともに歩んでいきたいと考えています。 より長期的な観点での取り組みとしては、しっかりとした都市機能の構築や、自然を維持していくことが挙げられます。都市化ばかりを進めて自然を蔑ろにしてしまうと元に戻すことは非常に大変ですし、反対に人の生活環境を整えることも疎かにしてはいけません。どうやってそのバランスを取っていくかが大事ですし、そこを誤ると街のバランスも崩れてしまいます。現在のこの街の姿は50年前、100年前に目指してきたものだと思いますし、今の時代を生きる私たちも50年後や100年後を見据えながら行動に移すことが重要です。そう考えると、百年後芸術祭を通じて未来を考えるきっかけを得られたことは非常によかったと感じています。 ---------最後に、「百年後芸術祭」への期待をお聞かせください。 この数年の間はコロナ禍の影響で多くの人が内向きな状態になっていましたし、行政の立場から外出や経済活動の自粛をお願いすることもありました。そうした中で徐々に人々が動き始める流れがつくられ、そして百年後芸術祭が開催されることとなりました。ようやく地域の方々に明るい話題をお届けできるようになってきたので、この百年後芸術祭をひとつのきっかけにして、外に出て自然に触れ、そしてアートを見ていただきたいと思っています。 Photo:Eri MasudaInterview :Kana Yokota  text :Tomoya Kuga

木を植えることは利他そのもの。イオン環境財団が、今そして百年後の「平和」を願い、市民とともにおこなう環境への取り組み

山武市

2024.05.13

木を植えることは利他そのもの。イオン環境財団が、今そして百年後の「平和」を願い、市民とともにおこなう環境への取り組み

左から、公益財団法人イオン環境財団山本さん・降旗さん ーーー公益財団法人イオン環境財団はどうして創設されたのでしょう? 山本:イオン環境財団はイオン創業者であり、現イオン株式会社名誉会長相談役でもある岡田卓也によって1990年に創設されました。岡田は1925年生まれ。今年(2024年)で99歳になります。戦争や、故郷の三重県四日市市で四日市ぜんそくがおこった時代を生き、身近に人のいのちや自然が失われていく経験をしています。そのなかで「平和」を大切にし、平和を守るために、人や動植物、自然は共存共栄していかなければならないという思いを抱きました。 実際のところ、もし終戦がなかったら、今のイオンはなく、私たちもこうしていないだろうと私自身も想像する時があります。「戦争」というのは、最大の環境破壊で、人のいのちも自然も一瞬で壊してしまう。だからこそ、平和という大切なことをどうやったら守れるのか、人と自然が共存共栄するために社員の一人ひとりが出来ることがないかを社内でもよく話しています。また、当財団は日本で初めて地球環境をテーマにした企業単独の財団法人として設立されており、日本を代表する想いで取り組んでいます。財団が株式会社とは別に存在しているのも、営業数値に影響されずに社会貢献活動を続けるための覚悟のあらわれなのです。 イオンの誕生秘話をまとめた絵本。『町が生まれ 森が広がるー岡田卓也のものがたりー』(令和元年発行)四日市市や千葉市では全小学校に配布されている ーーーミッションと活動内容を教えてください。 山本:「平和の追求・人間尊重・地域社会への貢献」を基本理念に、同じ志を持つ団体への助成や個人への顕彰等をおこなったり、植樹や環境教育活動に取り組んだりしています。たとえば、助成事業では、生物多様性や里山環境の保全に、実際に最前で力を尽くしていらっしゃる非営利団体の皆さまに総額1億円を限度に助成をしています。他にも、人間だけではなく動植物にとっての生きやすさを考えていくために、千葉市動物公園さんと2023年に連携し、生物多様性に資する活動にも取り組んでいます。植樹の活動では、世界で累計1,268万本を超えた 木を植えてきました(2024年2月時点)。北海道から沖縄県まで日本各地だけでなく、タイやカンボジアなど海外でもおこない、中国の万里の長城では100万本を植樹。植樹するときには、地域の方や小学校の子どもたち 、イオンピープル が一緒に地域の自然環境に最も適した、その土地本来の 木を数十種類とりまぜて植えています。 2019年の様子 また、山武市百年後芸術祭の開催地でもある、山武市九十九里浜には、2019年から2021年にかけて累計1万5千本の植樹をおこないました。近年の九十九里浜は松くい虫被害や湿地化による疎林化が進行していたり、東日本大震災では津波で塩害に遭ったりしています。他にも千葉県内では、浦安市にて東日本大震災時に液状化で噴出した土砂を盛土として活用する植樹活動もおこないましたし、野鳥の森の再生を目指して千葉市泉自然公園でも植樹活動をしたり、さくらの苗木を植えたりもしました。再生可能エネルギー活用の啓発・普及および環境教育を目的に、鴨川市立鴨川中学校に太陽光発電システムの寄贈もしています。 ーーーイオン環境財団の活動と百年後芸術祭のテーマはどのように連動していると考えていますか? 降旗:コンセプトに書かれている「100年後を思うことは利他そのもの」という言葉に通ずるところを感じます。自分という存在は100年後にはもう存在しないですよね。つまり100年後を考えることは、自分はもうこの地上にはいないという前提で考えること。 木を植えることもおなじです。木が育ち、人が育つ、その先の未来はどうなっているかわからないけれど活動を重ねていく。我々のやっていることもまた利他ですよね。また私たちが非常にこだわっているところは、参加者に自らの手で木を植える体験をしていただくことです。その1本の木から何を想像するか。誰かがやるのではなく自分たちでやる。その体験にこそ価値があると考えています。 山本:木を植える行為の結果はすぐには出ないんですよね。50年、100年先のことを考えて普段活動しているので、この「百年後芸術祭」はまさに私たちの活動とマッチすると思いました。 また、「百年後芸術祭」は未来を作っていくための共創の場とのことですが、この共に創っていく部分も私たちの活動と共通点があると思っています。イオンは全国各地に店舗があり、店頭でたくさんのお客さま に直接ボランティアの募集もできますし、お取引先さま や株主さま 、地域に住んでいらっしゃる方や学校の生徒さんなど、さまざまなステークホルダーとかかわりを持っています。私たちはそんな一人ひとりの方とも自然の大切さを共有したいと考えています。 ーーー 活動を通しての変化や気づきなどはありましたか? 降旗: いろいろな方と一緒に、植樹をしたり、自然の大切さを共有したりしているときには、色々な意見もあり 、人間関係が変わり、行動が変化し、さまざまな対話をすることになります。我々は木を植える機会を提供しているものの、その体験から生まれるものは「植樹された木そのもの」だけではなく、「お互いを尊重しながら 対話を繰り返す行為自体からなにか」が生まれているように思います。 山本:その「なにか」は心の平和、心の豊かさ、生き甲斐のようなところに繋がっているような気がしています。ちょっと振り返り、立ち止まり、考え直すような。 降旗:もしかしたら、植樹などの社会貢献活動を通した新しい人間関係のネットワークの可能性みたいなものなのかもしれません。私自身も社会貢献活動をやっている中で、新しい形の人のつながりみたいなものの可能性を作れたらなと思う時が今までもありました。人との繋がりとして、地縁や血縁がありましたが、きっとこの新しい人間関係は一人ひとりの生き甲斐にも繋がっていくのだろうなと思います。 山本:実は、イオンピープルは社員だけでも57万人もいます。そ の中には植樹を体験できていない人 もいるので、さまざまな地域で、木を植える体験を通して新しい自然との関係性を考えたり、環境への気づきを得たり、環境を思う心を養ったりなど、いろんなことが生まれてほしい と思っています。きっと、活動の一つひとつが社員にとっても新しい「なにか」に繋がっていくのではないでしょうか。4月22日のアースデーの日に、「百年後芸術祭」の会場にもなる砂浜であり、イオンピープル で植樹した森のまわりでもある場所でビーチクリーンも行う予定です。こちらも楽しみです。 4月22日の実際の様子 ーーー百年後芸術祭では「百年後」のことを考えていますが、イオン環境財団さまの思い描く「百年後」や、「百年後」のために今必要だと考えられていることはありますか? 山本:「平和」に尽きると思います。私たちが一生懸命みどり を増やす活動をしている今でも、戦争はおこっていて、人のいのち も動植物も一瞬で失くなる事態が起きている…。ただそれを止められるのも人の力であると思うので、一人ひとりの力は小さいけれど、動植物も含めてこの世界全体が平和であり続けて、その笑顔が溢れるような社会を絶対に私たちが作っていくという覚悟を持ってやりきることが今を生きている人間の責任だと思います。今を生きている人間として、1つしかない地球をどう健全なより良い状態で次の世代にバトンタッチできるか。またそのための活動や思想を発信し続けるというのも、私たちのミッションのひとつなのではないかと考えています。 Photo, edit:Hinako ChibaInterview, text:Yuri Miyazaki

フラム海苔ノリ通信Vol.4

内房総アートフェス

2024.05.03

フラム海苔ノリ通信Vol.4

4月27(土)、雨でしたが「おにぎりのための運動会!」挙行。旧里見小学校の豊福亮さん監修の《里見プラントミュージアム》で開会式。 豊福亮が手がけた《里見プラントミュージアム》での開会式(EAT&ART TARO《おにぎりのための運動会!》)Photo by Osamu Nakamura Photo by Osamu Nakamura Photo by Osamu Nakamura 玉入れに参加し、白鳥公民館での「時速30kmの銀河の旅」の観劇です。雨は11時頃から上がり、「おにぎりころがし」「綱引き」はグラウンドでやれたそうで、観劇のあと旧里見小のキッチンで待望のおにぎりを食べました。おいしい。5月18日(土)にもあるのでぜひご参加を!》詳細・参加申込はこちら 時速30kmの銀河の旅《終着駅2024》Photo by Osamu Nakamura 午後2時頃、木更津市の干潟にSIDE COREの《dream house》を見に行きました。アクアラインの手前にある島のような洲に実際の1/5くらいの、かつてメンバーの木更津市に住んでいた高須咲恵さんの家を再現したもので、写真では本物のように見えるのですが、実際は小さいもので、実に楽しい。 SIDE CORE 《dream house》Photo by Osamu Nakamura この干潟にはホソウミニナが無数にいるし、小さな蟹を見つけていくとピタッと止まって分からなくなる。槙原さんの干潟ツアーはさぞ楽しいだろうと思いました。夜は菜の花プレーヤーズの集会に行きました。 槙原泰介の作品《オン・ザ・コース》に関連した干潟ツアー 菜の花プレーヤーズ集会 北川フラム

ガイドブックを手に入れていざ内房総アートめぐりへ出発! 「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」作品鑑賞レポート<PART 2>市原市編(後編/内田未来楽校→上総牛久駅周辺→市原湖畔美術館ルート)

内房総アートフェス

2024.05.01

ガイドブックを手に入れていざ内房総アートめぐりへ出発! 「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」作品鑑賞レポート<PART 2>市原市編(後編/内田未来楽校→上総牛久駅周辺→市原湖畔美術館ルート)

ノスタルジックな雰囲気の木造校舎では圧巻の大型作品を展示 廃校を訪ねること3軒目。ほかの二つの小学校と同じように内田未来楽校も100年近くの歴史を持つノスタルジックな木造校舎です。地域住民・支援者を中心としたNPO法人「報徳の会・内田未来楽校」のもと、里山ハイキング、展示会、朝市、こっこ市など、子どもからお年寄りまで楽しめる行事が盛んに開催されています。 中には二つの作品があります。一つめは、角文平さんによる《Homing》。たくさんの凧が舞う空間に大きな惑星?のような星が鎮座しています。 上総地方には、生まれた子どもの健康を願い、端午の節句に凧を贈る風習があるそうです。「空高く舞い上がる姿に子どもの未来を重ね合わせたのだろう。けれど凧が自由で力強く見えるのは、糸の先にいつでも帰って来られる安心な場所があるためだとも思う」と角さんは語ります。この地域の子どもたちの拠り所であっただろう古い木造校舎の中に惑星と凧のインスタレーションを創造し、思い出の地を目指して大小の袖凧が集まってくる姿を表現。 一貫して資本のエコシステムをテーマに作品を制作しているイ・ビョンチャンによる《クリーチャー, 2024》。とにかく巨大!消費生活で大量に廃棄され、環境汚染や生態系の破壊などを引き起こしているビニールやプラスチック素材を作品に用いてそれらを発光させ、動かし、奇妙な生き物(クリーチャー)を生み出しています。どこからか空気が送り込まれて、萎んだり膨らんだり。待ったなしの環境汚染問題をここで突きつけられます。 校舎の隣にあるのが「内田未来カフェ」。地域のボランティアのマダムがコーヒーを入れてくれました。おやつも出してくれてしばしほっこり。一度は取り壊されそうになったというこの学校ですが、地域住民が一体となって守り続け、「いちはらアート×ミックス2014」でアートを展示する場としてまた返り咲いた素敵な場所。「あなたたち取材にきたの?たくさん宣伝してね〜」と頼まれたので、ぜひ立ち寄ってお買い物やカフェを楽しんでくださいね! 地域の人々から愛される昔ながらの商店街をめぐる さて、市原市の個人的ハイライト、上総牛久駅周辺エリアにやってきました。ここは養老川の船着場や荷揚げ場と、東京湾~太平洋の陸路との交点にできた宿場町で、道路がマスの角のように直角に曲がる宿場町特有の街道が残ります。約100年前に上総牛久駅ができてからは商業の中心地として発展してきました。近年は「アートのまちいちはら推進ビジョン」のモデル事業として、「牛久リ・デザインプロジェクト」を実施しています。 上総牛久駅から20メートル離れた場所に広がる牛久商店街には、古くから続く和菓子屋や肉屋、金物屋、蕎麦屋、寿司屋、文房具屋、呉服屋、氷屋、薬屋などが軒を連ねます。ノスタルジックな商店街好きの筆者としては、本当に地域の人々からの愛を感じる魅力的な商店街だと感じました。 豊福亮《牛久名画座》 かつてパチンコ屋として使われていた空き店舗の空間を、20世紀後半の美術史家E. H. ゴンブリッジの著書『美術の物語』に登場する世界の名画の模写で埋め尽くしたのは豊福亮さん。パチンコ屋時代の賑やかな店舗を想像しながらも、美しい絵画を前にまるで美術館にいるような優雅なひとときを過ごせます。 そのお隣にある柳建太郎さんの《KINETIC PLAY》も中に入ると素晴らしいガラスの世界が広がっています。千葉県印西市の印旛沼近くにある柳建太郎さんの工房「アトリエ炎」を牛久商店街にそのまま移転した作品とのこと。真っ暗な空間の中には柳さんご本人がいらっしゃって、ガラスを動かしながら作品解説をしてくれました。土・日・祝日はガラス細工ワークショップを開催しているとのことです。 ゴブレットやデキャンタなどの酒器を使ったクレーンやタワー、風車など、繊細かつユニークな発想でつくられた遊園地のような世界に魅了されました。本当に素晴らしい職人技。 終始ユーモラスな柳さん。  Artdex「世界の9人の光のアーティスト (2019)」に選ばれるなど、世界のライトアートを牽引している千田泰広さんの《アナレンマ》は、ぜひ人のいない時間にじっくりと鑑賞してほしい作品です。手作業で立体的に編まれた膨大な量の糸と、光を用いたインスタレーション作品ですが、まずは心を無にして無数の光が飛び交う幻想的な空間をお楽しみください。 続いて、空洞や余白、日常的には意識されないような「間」や「境界」を、形にとどめにくい素材を用いて再構築し空間を満たすような作品を制作している大西康明さんによる《境の石 養老川》。 銅という素材を用いて表現された養老川は下から見ても上から見ても美しく、もともと店のインテリアだったであろう大きな鏡や白い鳥が舞う大きな絵画もあいまって実に幻想的な空間となっています。ぜひ階段の上からも見てみてください。 以前は何屋さんだったかわからない店舗に展示されている作品もありますが、こちらは現在も営業する「東屋精肉店」。沼田侑香さんによる《MEAT SHOP/JAPANESE SWEETS SHOP》が展示されています。 沼田さんは、忘れたくないノスタルジックな風景や時間軸が残されている牛久商店街の精肉店と和菓子屋で作品を展開しています。「デジタル社会を示唆するようなコンピューターグラフィックのイメージを現実世界に再インストールした」とは沼田さん。吊るされたグラフィカルな加工肉の向こうで店主さんが笑顔で働いている光景がなんとも微笑ましかったです。コロッケやメンチカツも絶品だそう。※《MEAT SHOP》のみ月・火・水曜日定休 岩沢兄弟による《でんせつのやたい》は、「モノ・コト・ヒトのおもしろたのしい関係」を合言葉に、人や組織の活動の足場となる拠点づくりを手掛ける兄弟が、地域の家電販売や修理を支えてきた家電販売店「フコクデンキ」を舞台に、「でんせつのやたい」と題した屋台型の作品を展示しています。見たことがあるようでないような不思議な電気関連グッズ。ちょっと欲しくなります。 ※ 火・水曜日/第1・3日曜日定休 ところで、牛久商店街を歩いていると営業中の各店舗前に写真と言葉がプリントされたのれんが目に入ります。これは市原市牛久商店街活性化事業の一環として、牛久商店会・牛久奉仕会が、千葉大学ベンチャーの株式会社ミライノラボと千葉大学生と連携し、「アート×広告」ののれとして制作されものだそうで、一つひとつ読んでいくだけでも牛久商店街愛が感じられるのでぜひ注目してくださいね。 そして、薬屋「いとう」さんの前に気になるお知らせが!最近ここにあったオレンジ象の「サトちゃん」が誘拐されてしまったそうです。早く帰ってきてくれますように。 上総牛久駅に戻り、栗真由美さんによる《ビルズクラウド》をじっくり見ると牛久商店街のさまざまなお店がプリントされたランプでした。「さっき行ったお店だ!」「このお店の前通った〜」とアートめぐりを振り返るひととき。栗さんのコメントも素敵です。 「私は駅で展示したいと希望した。駅を利用する人々をお迎えできる場所で、作品を通じて『いってらっしゃい』『いらっしゃい』『お帰りなさい』と地元住民の皆さんと同じ瞬間に立ち会えたら幸せだと思ったからだ」。 上総牛久駅にも藤本壮介さんによるトレイを発見。個室の中に木が植栽された《緑があるトイレ》、空に向かいそびえ立つ《塔のトイレ》、やわらかな黄色に包まれた《菜の花+ 切通しのトイレ》、緩やかな外階段を上がると高さ3.5mの屋上から列車が走る様子を一望できる《階段のトイレ》の5つのユニークなトイレを自由に使用できます。電車で移動される方は、待ち時間をここで過ごすのもいいですね。 上総牛久駅を出発し、市原湖畔美術館へ。途中、上総久保駅近くでも感動的な菜の花畑に出会うことができました。 鈴木ヒラク《Warp》 国境を超えてつながること、絆を結んでいくこと。市原湖畔美術館の企画展へ。 すっかり日が暮れてしまいましたが市原湖畔美術館は土・祝前日は19時まで開館しているのでセーフ。✳︎公開時間:平日10:00~17:00、土・祝前日9:30~19:00、日・祝日9:30~18:00(会期中は火曜定休、最終入館30分前) 市原湖畔美術館は千葉県一の貯水面積を誇る高滝湖に臨む自然豊かな美術館で、現代アートを中心とした企画展や地域・子どもに開かれたワークショップなど多彩なプログラムを展開しています。ドラマやMVにも使われるユニークな建築や、隣接する「PIZZERIABOSSO」での旬の食材をふんだんに使った食事も楽しめます。 美術館内外には恒久作品も多数あります。エントランスの吹き抜けにどっしりと立ち、酸素と二酸化炭素を交換する「肺胞」をモチーフにした木の形をしたKOSUGE1-16さんによる《Heigh-Ho》は、日が暮れてからの、呼吸をするように明滅するライトアップも幻想的です。 KOSUGE1-16《Toy Soldier》 市原湖畔美術館名物といえばこちらの兵隊さん。人がいるときはピシッと立って監視をしていますが、人目を盗んでは膝を曲げて休んでしまう怠け癖があります。 エレクトロニクスを使用したガジェット的な作品の制作から活動を開始し、インスタレーションや映像などへ活動の場を広げるクワクボリョウタさんによる《Lost Windows》。地下ホールの壁面いっぱいに投影された窓枠は、光がつくりだす木立の影が角度によって大きさを変えながらゆっくりと回転を続けます。 市原湖畔美術館では現在、「内房総アートフェス」の一環として企画展「アートを通じて<わたし>と世界が交差(クロス)する」が開催されています。(〜6月23日まで) 千葉県の中央に位置する市原市は、全国・世界から移り住んだ数多くの人々を受け入れ、人口の50人にひとりが海外にルーツを持っていると言います。本展は、市原に暮らす多様な民族的バックグラウンドをもつ人々が共に生きる社会を希求するプロジェクトで、彼らの母国から招いたアーティストたちが、ワークショップやリサーチ、インタビューを通して生み出した作品が展示されています。出展作家は、ディン・Q・レ(ベトナム)、リーロイ・ニュー(フィリピン)、リュウ・イ(中国)、チョ・ウンピル(韓国)。それぞれの国の歴史・文化・風土、そしてこの地で暮らす人々の人生や思いに光を当て、鑑賞者の想像力を開花させてほしいという願いが込められています。 ベトナム人アーティスト、ディン・Q・レさんによる《絆を結ぶ》は、国境を超えてつながること、絆を結んでいくこと、世界の繋がりを感じさせる温もりに満ちた作品です。 ベトナム戦争で国を出て移民として暮らした経験を持つディン・Q・レさんは、市原に生きるベトナム人にインタビューを重ねる中で、いかに彼らが故郷の家族を思い、人と人とのつながりを大切にするかを知りました。この地で新たなつながりが生まれることへの願いを込めて、ベトナムと市原で集めた古着を、日本人とベトナム人、さまざまなルーツをもつ外国人が協働して巨大なキルトへと縫い上げ、インスタレーションとして展示しています。 ✳︎本展のために市原に3月17日より1週間滞在していたディン・Q・レさんですが、ベトナム帰国後、脳卒中により4月6日にご逝去されました。ディン・Q・レさんは出展作《絆を結ぶ》の完成を、「私はアイデアを出したけれど、一切、手を動かすことはなかった。これはベトナムと市原のコミュニティによってつくりあげられた共同作品だ。私のまったく新しいチャレンジだった」と心から喜んでいたと言います。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 リュウ・イ[劉毅]《はじめまして》 市原に住む中国人のライフストーリーの聞き取りを通して、異国の地で自らの固有性を保ちながらも、居場所を求める中国人の魂の旅を、中国古来の水墨画の技法を活かしたアニメーション作品として描きだしています。 独特な青を使ったインスタレーションを中心に、映像作品などを手がけるチョ・ウンピルさんによる《私の青》。青は、朝鮮半島に住む人たちにとって特別な色だと言います。織り手と織り手の交差点をネットのように編むことで無から有を生み出す様子を示しています。ネットワークがネットを語源とするように、本作品は、作品を取り巻く環境や観客との関係を紡ぎ、さらに海を介した長きにわたる日本と朝鮮半島の交流へと思いをつないでいく。韓国と日本の平和への願いが伝わる壮観な作品です。 身に着けることができるウェアラブル・アートから大規模なインスタレーションまで、多彩な作品をつくるフィリピンの作家、リーロイ・ニューによる《多次元港としてのバレテ》。何千本ものペットボトルと竹でつくりあげたという作品は、美術館の吹き抜けスペースを支配しているかのようでした。 現在の地球規模での環境問題に警鐘を鳴らす作品でもある本作ですが、こちらもディン・Q・レ作品同様に、約4000本のペットボトルを用いて、市原に暮らす多様な人々とともに作り上げたそうです。 「多文化共生社会に向けて、世界と<わたし>がつながる契機となることを願う」。そんな企画展でしたが、さまざまな国のアーティストが一つの願いを掲げ、それぞれの表現を通してメッセージを発信する。そんなことができるのはアートだからこそ。 そして、百年後を想う芸術祭であることを考えた時、「今よりももっと世界がやさしくつながっていてほしい」。そんな想いに駆られました。争いは今この瞬間も世界各地で起こっていて、多くの命が奪われています。大切な人を想う気持ちと同じように、みんなが他者とやさしさでつながることができたら、100年後の世界は今よりも希望がある気がします。 今回、レポート記事のために二日間かけて約90作品のアート作品を駆け足でめぐりましたが、最低でも3日間は必要でした。いや5日間かも(笑)。千葉県は自然豊かで食も美味しい場所。その豊かな土地のめぐみを味わいながら、アートをゆっくり堪能することができたなら、それがベストです。作品を通じて千葉の魅力を知ることができる。そんなアートが盛りだくさんなこともあり、そこから新たな千葉を発見することもしばしば。地元の方であれば、知られざる我が街のルーツや歴史を知る機会になり、もっと千葉が好きになるかもしれません。 千葉のそれぞれの地域の営みに美を見いだした作品の数々が、たくさんの人の心に届きますように。そして、来場者のみなさんにとって、少しでも未来への希望が持てる機会となりますように。 Photo:Eri Masudatext :Kana Yokota 

ガイドブックを手に入れていざ内房総アートめぐりへ出発! 「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」作品鑑賞レポート<PART 2>市原市編(前編/旧里見小学校→月崎→月出工舎ルート)

内房総アートフェス

2024.04.30

ガイドブックを手に入れていざ内房総アートめぐりへ出発! 「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」作品鑑賞レポート<PART 2>市原市編(前編/旧里見小学校→月崎→月出工舎ルート)

小湊鉄道が走り抜ける自然豊かな市原市では「アート×ミックス2024」を満喫 ここでは、千葉県のほぼ中央に位置する市原市のアート作品をご紹介します。市原市は自然や観光名所がとても多い場所。南北を養老川と小湊鉄道が縦断し、菜の花が一斉に咲き誇る春は、「撮り鉄」の方々が数多くみられます。なんと、ゴルフ場の数は日本で最も多いそうです。 今回、百年後芸術祭の里山エリアでは2014年から開催している「いちはらアート×ミックス」の成果を継承し、「アート×ミックス2024」として展開します。市原市は内房総5市のなかでも圧倒的に作品数が多く、一つひとつの作品をゆっくり見て回ろうと思うと、こちらも1日で回りきるのは正直難しいです。むしろ、何度も訪れて、1箇所ずつ街や観光名所なども楽しみながら訪れてほしいです。 スタートは、小湊鉄道線の飯給駅にある「Toilet in Nature」から。建築家の藤本壮介さんが設計したという女性専用のトイレで、春には梅、桜、菜の花。夏には一面が緑のじゅうたんになるそうです。こんな遊び心たっぷりのトイレは初めてで、世界一大きなトイレだというのも頷けます。 かーんかーんという音がして振り返ると、ちょうど飯給駅に小湊鉄道が!市原名物のレトロで愛らしい列車と菜の花の共演にしばし目を奪われます。 飯給駅の近くにある大人気の田邉精肉店を通りがかったら、迷わず車を停めてください。店内に入って食べたいメニューを頼むと揚げてもらえます。メンチカツやイカメンチ、カニクリームコロッケなどいろいろメニューはありますが、ぜひ食べてもらいたいのがイカメンチ。アツアツを頬張ると、プリッとした口当たりのイカがごろごろ入っていて、一個で満足感! そして、そこからすぐの旧里見小学校へ。2013年で廃校となり、以降「いちはらアート×ミックス」の作品展示場所となっていたこの場所には、国内外の作家の制作風景や、地域発の品々からなるショップやレストランが並びます。 校舎内に入るとゴオ〜ッと言う大きな音が鳴り響いているので何事かと思って進むと現れたのがこちら。アレクサンドル・ポノマリョフ《永久機関》。 2021年の「いちはらアート×ミックス」で小湊鉄道五井機関区の鍛冶小屋に設置された作品を、旧里見小学校の給食室跡へと移設したそうですが、2本の円柱の中で赤い球体が水と共に勢い良く上下運動を続ける様子は思わず見入ってしまいます。これは鼓動する心臓や機関車を連想させ、人類の進化、創造的精神を表しているのだそう。止むことなく運動を続ける本作は、来訪者を圧倒すると同時に、百年後芸術祭によって3年ぶりに再稼働した旧里見小学校を動かす心臓を象徴しているかのようです。 エルヴェ・ユンビ《ブッダ・マントラ》 アジアの精神である仏教と、アフリカで今も重要視されている祖先崇拝の要素を対話させることにより、違いを受け入れる寛容さと友愛を称える作品。アフリカの美術品に重用されてきたガラスビーズが用いられていて、近づいて見れば見るほどその繊細さに驚きます。 森靖《Start up – Statue of Liberty》 木彫や塑像など伝統的な彫刻技法を使い、「美」などの根源的な要素や、記号論的な思い込みや意識に対して問いかける彫刻作品を制作している森靖さん。《Start up – Statue of Liberty》は、現代に必要とされる自由とは何かを考えながら、伝統的な木彫技法を用いて制作されていると言います。公開制作中とのことで、会期中に少しずつ形づくられる自由の女神の完成に期待が膨らみます。 ソカリ・ドグラス・カンプ《Peacetime》 校庭ではなにやら作品を製作中の様子。ナイジェリア出身の作家のソカリ・ドグラス・カンプさんでした。鉄板を加工してベンチや木、植物をかたどり、人々の憩いの場となるような彫刻作品を制作するとのこと。現地に長期滞在し、校舎を改装したアトリエで制作する様子も4月上旬まで来場者に公開されました。完成後は半恒久的作品として校庭の噴水付近に移設し、作品に人が座って休んだり思索にふけったりできる空間になるそうです。この記事が公開する頃にはきっと完成しているのではないでしょうか。楽しみです。 アーティストの豊福亮さんも発見!この日はソカリ・ドグラス・カンプさんのお手伝い中だったようで、同じ場所で作家さん同士が交流しながら作品が出来上がっていく様子も微笑ましく感じました。 そんな豊福さんの作品は体育館にあります。《里見プラントミュージアム》と名付けられたこちらの作品は、市原の原風景である里山に、市原の工場夜景をモチーフとしたミュージアムをつくりだすというもの。 1960年代から市原の湾岸部につくられた工業地域。60年以上にわたり休まず、たゆまず、動き続けてきた工場群は、今では市原の象徴的風景の一つです。体育館内には、以下5人の作家の工業的なエッセンスをもった作品も展示されています。 角文平 《Fountain》ドラム缶に積み上げられたオブジェが、絶えず中身を循環させる。石油缶やチョコレートの噴水に、作家は列強や経済大国、エネルギー争奪戦争や公害といったシンボルを重ねる。大食い願望を軽やかに見せながらも、資本主義社会で私利私欲に溺れて破滅する危険性など暗黒部分と向き合わせる本作は、物事を多角的に見せる工夫と手がかりを示す。 栗山斉 《真空トンネル》大気圧と真空でつくられたトンネルの構造を観測する作品。内側と外側で大気圧に大きな差異が生じているガラス管を局部的に熱すると、柔らかくなったガラスが大気圧に押され(真空に引っ張られ)形態が変化する。できた凸凹状のガラス管では放電が不安定になって光がゆらぎ、大気の圧力が可視化される。 千田泰広 《0.04》滴る水が屈折率の変化し続けるレンズとなり、床や壁面に、連続的に変化する光の模様を描く。水滴内部の微細な変化により、二度と同じ模様が現れることはない。宇宙を構成する主要素である、光、空間、時間が、重力と水の表面張力によってつなげられる。 原田郁 《HOUSE #001》作家は仮想空間におけるユートピアをモチーフに絵を描く。その世界では、あらゆるものが簡易的な形に抽象化される。作家が描く「家」は一見CGのように無機質だが、よく見れば個性や表情がある。キャンバスや建材に絵の具で描くことで、現実世界と仮想世界をつなぐ橋を架ける。 柳建太郎 《FUROCCO》「風呂+トロッコ=FUROCCO。アートを楽しむ身支度をしよう。FUROCCOに乗りこんで、心はピュアに心身を清めよう。さあ、芸術祭に出発進行!」(柳) 角文平 《Fountain》 インフォメーションセンターには、公式グッズなどのほか、地元の食材などが販売されているショップも併設されています。 旧里見小学校でのお楽しみはなんといってもこちらのレストラン。EAT&ART TAROさんプロデュースの「SATOMI HIROBA」は入館料なしで利用できます。塩田済シェフ特製の手作りのベーコンと房総の新鮮卵を挟んだフォカッチャサンド、房総の豚肉を使った揚げたてカレーパンやスイーツ、珈琲などメニューも豊富。 その場で自分でつくれる生いちごミルクも最高の味わい! この日は自家製プルドポークがたっぷり挟み込まれたサンドイッチをオーダー。さっきイカメンチを食べたことも忘れてパクパク食が進みます。ジューシーでとってもおいしい!校庭に置かれた小さくて可愛いカラフルな机や椅子に腰をかけて食べるのもどこか懐かしい気持ちになります。先を急ぎたい人は、テイクアウトメニューもあるのでコーヒー片手にアートめぐりもおすすめです。 会期中はEAT&ART TAROさんによる「おにぎりのための運動会!」もこの場所で開催されています。ラストは5月18日(土)なので、ぜひ参加してみてくださいね。たっぷり運動したあとにみんなで食べるおにぎりは至福の味です。 木村崇人《森ラジオ ステーション× 森遊会》 旧里見小学校を出て車で少しいくと、月崎駅にある小湊鉄道の旧詰所小屋を森に見立て、人と自然との関係を見直す「森ラジオ ステーション」が現れます。有志団体「森遊会」が通年維持管理を行い、地元の人に大切にされ続けています。会期中はラジオをチューニングして、森から森へ旅を楽しめるプロジェクトや、森を遊ぶワークショップを実施。屋久島や飛騨の森、月崎の森など、さまざまな森の音の旅を楽しめて癒されるのでぜひ立ち寄ってみてください。 「みんなでつくるがっこう 月出工舎」には注目作家の作品が揃い踏み! 市原市の山間部にある月出小学校に到着です。2007年に閉校した月出小学校は、2014年に芸術の発信拠点として大きく生まれ変わりました。「みんなでつくるがっこう 月出工舎」をコンセプトに、「遊・学・匠・食」の4つのプロジェクトを展開。芸術のみならず、あらゆる分野や世代を超えた取り組みが、時間をかけて着実に月出の森に根付いています。 中根唯《出る月の絵たち / 絵の宿木》 校舎に入る前に、まず外の作品をめぐります。なにやら古民家に白い物体が巻き付いているように見えます。なんだろう。「家とも自然とも言えない空き家という環境に、宿木のようなあり方で絵を介在させることはできないか」という作家の想いから、少しずつ周囲の自然に侵食されていく家屋に残る人の暮らしの気配を繊細に感じ取り、外からやってきた種が少しずつ周囲と調和しながら根を張るように、時間の経過と共に育っていく作品を目指したとのことです。 白い塊はジェスモナイトという素材を使用して制作されているそうですが、近づいてみても繭のような、生き物のような不思議な作品でした。 ほかにもさまざまなアーティストの作品が外のスペースで見られるのですが、起伏が激しくてちょっとした山登りを楽しみながら鑑賞することになります。必ずスニーカーを履いてきてくださいね。 月出工舎の全体ディレクションを手掛ける岩間賢さんが、月出の暮らしの中にある先人からの知と技を継承し、月出の森から集めているという「雫」を貯蔵する土づくりの作品をプールに設置しています。本作は2021年の「いちはらアート×ミックス」で発表した養蜂の機能を持つ野外彫刻《ほとり》の空間と合わせて展開されたもの。会期中には土壁塗りの公開制作を行い、その熱気や創造のプロセスの現場に立ち会える場となるそうです。 そして、敷地内の一番山奥で体験できるのが、今年のヴェネチア・ビエンナーレの日本館の展示作家でもある毛利悠子さんによる《I Can’t Hear You》です。音だけの作品なので見過ごしてしまわないようにしてください。 タイトル《I Can’t Hear You》は、NHK 番組「ここに鐘は鳴る」に出演した際の鈴木大拙が、国際電話がうまく通じずに繰り返した言葉の引用。この言葉を会場の両端にあるスピーカーから一瞬だけ時間をずらして流す。端から端に向かう鑑賞者は、ある一点においてエコーが消えるのを感じる。ようやく聞こえた言葉が「I canʼt hear you very well(よく聞こえません)」であることの意味と無意味を、この混沌とした今の時代に響かせる。 とガイドブックに書かれていたので、ある一点を探してみるもこの日は見つからず。またリベンジしたいと思います。 体育館には「距離」をモチーフとした石川洋樹さんによる《彫刻あるいは距離を測る為のプラットフォーム》が展示されています。 ショップには、 月出工舎に巨大壁画を描いた岡田杏里さんによる陶器のオブジェも販売されていました。とっても可愛くて欲しくなります。 岡田さんは、月出の暮らし、動植物、伝説、住民から聞いた昔の風景の話をもとにして、土地の記憶をテーマに巨大壁画を制作。3階建ての月出工舎の約11×15m の外壁を中心に、階段内部まで物語性のある壁画がダイナミックに描かれているのでじっくり鑑賞してください。 ベルリン在住の田中奈緒子さんによる《彼方の家》も見応えたっぷりなので時間が必要です。遠近感がわからなくなるほどの巨大な椅子がお迎えしてくれます。 「築約100年の古民家とその周辺域を詩的なサイトスペシフィック・インスタレーションとして蘇生させた作品」とのことですが、この家でかつて使用されていた家具や小物が、床に溶け入るように設置されていて、さらに土間にはアリ地獄のように深く大きな穴が口を開けていて圧巻です。   月出工舎にて焙煎工房を構える「ヤマドリ珈琲」では、南市原をイメージした珈琲豆の販売や焙煎師が淹れるコーヒーを味わえます。また、月出の森で食べられるBBQ スタイルのサンドイッチや地元野菜を使用したオリジナルデザートを週替わりで楽しめます。さらに、森の恵みでつくられた自家製シロップを使用したかき氷「月出のかまくら」が期間限定で登場。こちらも休憩場所として要チェック。 廃校めぐりはまだまだ続きます。次は旧平三小学校。養老川の支流である平蔵川に沿った大多喜街道の道中にある平三地区にあります。旧平三小学校は140年の歴史があったそうで、校庭の地下には川廻しという手掘りの水路が流れていて、先人たちが地域の発展ために捧げた思いを見ることができます。 校舎に入ると階段には九九を覚えるためのこんな工夫が。これなら毎日階段を上がりながら覚えられそうです。 暗闇の中の理科室や賑やかな音楽室でのアート体験 旧平三小学校に3つの作品を展示しているのが冨安由真さん。見えないものや不確かな存在への知覚を鑑賞者に想起させる没入型のインスタレーション作品や絵画作品を発表されている作家さんです。会場にある3つの冨安さんの作品は1つ目が「上昇」、2つ目が「下降」、3つめが「水平/均衡」をキーワードに制作されています。 「上昇」をテーマとした作品《Jacob’s Ladder (Dream For Ascension) / ヤコブの梯子(終わらない夢)》は、2階から3階にかけての階段および3階から屋上への梯子スペースに展示されています。「ヤコブの梯子」は、旧約聖書に登場するヤコブが夢で見た天から地へと伸びる梯子のこと。また、「Ascension」とは日本語で「上昇」を意味しますが、キリスト教においては「天国に魂が昇る」ことを表しており、階段を登り作品を鑑賞する行為を通じて、答えの出ない「死」について問いかけていると作家はコメントを残しています。 3つめの「水平/均衡」をテーマとした《Three on the Level》も同じ校舎内にあります。作品のモチーフとなっている「3」という数字は、ピラミッドやキリスト教の三位一体など古くから思想や信仰の中で使用されてきました。三角形は安定を意味し、また「第三者」「三人称」などは中立や客観性を意味する概念でもあります。作家の重要なテーマである「視点の重なり」を軸に、暗闇の理科室で幻想的な体験を創出します。理科室にある実験道具は倒さないように気をつけて。 二つめの「下降」をテーマにした《The TOWER (Descension To The Emerald City) / 塔(エメラルド・シティに落ちる)》は別棟にある配膳室に展示されていますのでそちらもお見逃しなく。 レンズやゼンマイを使用したキネティックなオブジェの制作や、人間の視覚を比喩的にとらえた作品などを発表している秋廣誠さんによる《時間鉄道》は、傾斜のある長さ6m のレールの上を、350kg 相当の鉄道車輪が約2か月かけて「降下」していく作品です。 ゼンマイ時計では、脱進機と呼ばれる機械によってゼンマイのエネルギーをゆっくりと解放しますが、本作では重い車輪の「転がろうとするチカラ」がゼンマイの力に相当します。脱進機が搭載された車輪は、展覧会会期という有限な時間と共にゼンマイのエネルギーから次第に解放されていくというコンセプトですが、じっと見ていても動いている感じがしないのに、それでも少しずつ降下していっているというのが不思議で、ただただ見入ってしまいます。 アブドゥルラーマン・アブダラ《最後の3人》 部屋は照明を落とし、この学校の最後の生徒となった3人が書き残したという黒板の別れのメッセージに視線が向くよう、スポットライトが当てられている。この作品は、「子どもたちが残していった言葉のしたたかさを観客に考えさせると同時に、一つの章が幕を閉じれば新たな章が始まるという楽観に満ちた表現となっている」と作家のコメントがありますが、そもそもこの黒板は本当に生徒たちが書いたものなのか、すべてが作品なのか、置かれたりんごとシャンデリアの意味は? と、いまだに謎に包まれたままです。 笹岡由梨子《Animale(アニマーレ)》 自身の身体のパーツ、そして自身で作詞作曲した音楽で構成された映像を用いて、独自の作品世界を築き上げてきた笹岡さん。今作《Amimale(アニマーレ)》は、「動物と人間の境はどこだろう?」「動物にとっての労働とは何だろう?」という素朴な疑問から生まれたそうです。学校で飼育され、かわいがられていた鶏やうさぎ、猫などの実話をもとにつくられた独自の生き物たちが、音楽室で労働歌を奏でる姿は奇妙だけど可愛らしい。賑やかで楽しい作品です。 バハマの作家ラヴァル・モンローさんの《サンクチュアリ》はほぼすべてが段ボールでできています。作家は段ボール古紙を、貧しい素材と呼び、経済的に貧しい者たち、すなわち大衆のイメージを重ねています。反抗の象徴であるガイ・フォークス人形と、それを囲む4匹の猟犬が対峙する構図ですが、それらはすべて貧しい素材でできており、単純な二極対立構造ではないことを暗示します。教室の奥に飾られた絵は作家の家族だそうで、カリブ海に浮かぶ遠い島で生まれ育った作家の人生を市原の奥地で垣間見る。そんな異空間な教室でした。 地方の芸術祭では廃校になった小学校がアートの舞台として使われることが多いですが、どんな芸術祭でもそこで過ごした子どもたちの笑い声や生活が思い起こされて、思い出深い学び舎がアーティストたちによってまた息づいていく光景がたまらなく素敵だなと感じます。 後編も廃校へ!内田未来楽校→上総牛久駅周辺→市原湖畔美術館ルート Photo:Eri Masudatext :Kana Yokota 

「不思議な世界に迷い込んだ、2人のアリスのものがたり」。 “通底縁劇・通底音劇”アートパフォーマンスライブ「不思議な愛な富津岬」レポート

内房総アートフェス

2024.04.30

「不思議な世界に迷い込んだ、2人のアリスのものがたり」。 “通底縁劇・通底音劇”アートパフォーマンスライブ「不思議な愛な富津岬」レポート

「不思議な世界に迷い込んだ、2人のアリスのものがたり」。 市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市で開催中の「千葉県誕生 150 周年記念事業 百年後芸術祭~環境と欲望~内房総アートフェス」。音楽を主とする「LIVE ART」として、“通底縁劇・通底音劇”と題した小林武史さんプロデュースによるスペシャルライブのひとつ「不思議な愛な富津岬」が4月6日(土)に開催されました。 場所は「千葉県立富津公園ジャンボプール」。富津岬の海辺に位置するここは、その名の通りとっても規模が大きくて、大人も子どもも潮風を感じながら思い切り夏を満喫できる場所です。プール開園は7月中旬からですが、一足先に足を踏み入れてきました。 アイナ・ジ・エンドとアオイヤマダは、同じ黄色いワンピースを身に纏い登場。 小林武史さんの美しいピアノの音色が会場に流れると、アイナ・ジ・エンドさんが登場。1曲目は「幻影」。賑やかだった会場がすっと静寂に包まれ、伸びやかなハスキーボイスが潮風とともに運ばれてきます。そして、この舞台のもう1人の主人公である、生き様パフォーマンス集団「東京QQQ(トウキョウサンキュー)」のアオイヤマダさんがボートに乗って踊りながら登場し、ナレーションとともに物語がはじまります。これは、「二人のアリス」ものがたり。 不思議の国のアリスは物語の中でいつも自分に問いかけます。今は自分が誰なのか良くわからない。アリスの中にはいつも2人の自分がいて、自問自答します。不思議な不思議な世界に迷い込んだ二人のアリスの旅は、さまざまなキャラクターと出会いながら続きます。“跳ねない蛙”、“恋する灯台”、“踊る根”などに模した東京QQQのメンバーたち(かんばらけんた / Kily shakley / KUMI / 高村月 /ちびもえこ / 平位蛙 / MONDO / 山田ホアニータ)が次々と登場し、ダンスを披露しました。 その後、白うさぎ姿に変身したアイナ・ジ・エンドさんは「華奢な心」と情熱的な赤い衣装で「前髪上げたくない」を披露。 不思議な、愛な、とってもファンタジックな一時間の旅を終え、再び出会ったふたりの“アリス“。4曲目には、ポールダンサーのKUMIさんによるパフォーマンスに合わせて「東京QQQ」のメンバー全員と一緒に踊りながら「宝者」を披露。かんばらけんたさんの車いすダンスも胸を打つ素晴らしさでした。 流れるプールの水色の水面、パステルピンクの水際、ジャンボプールという舞台そのものがすでにファンタジックな演出でしたが、その舞台と呼応するように印象的に映える衣装を手がけたのは、Butterfly Studio(バタフライ・スタジオ)メンバーである衣装デザイナーのひびのこづえさん。「東京QQQ」のメンバーのみなさんのコンテンポラリーでユニークなダンスがさらに浮遊していくような美しい色彩の衣装に終始釘付けになりました。 アイナさんはストーリーに組み込まれた人気曲「宝者」を終盤に熱唱。最後は「私たちは根底でつながりあえる」という百年後芸術祭の本プログラムへの思いや、海の底(東京湾アクアライン)で東京とつながる内房総エリアをイメージした「通底」をテーマに会場一体となって踊りました。 「次はみんなが踊る番だよ!」そんなアオイヤマダさんの掛け声とともに「ツーツーテーテー」ダンスの指導が入り、会場の盛り上がりは最高潮に。 “通底縁劇・通底音劇”テーマソングを600人の会場の観客と共に踊り、一体感が高まったステージ。たった一時間のパフォーマンスでしたが、「ここはどこだったんだろう?」と、どこか遠い異世界の物語の中に迷い込んだかのような、不思議な体験の余韻がいつまでも残る忘れられないステージでした。 会場入口には、百年後芸術祭の食コンテンツである「EN NICHI BA」も開催。長生村の無添加ソース焼きそばや、九十九里浜のハマグリなど、おいしそうな食事を提供する屋台が出店しました。君津市から出店した手づくりジャム工房のブルーベリージャムを購入したり、まるでジャンボプールをイメージしたかのような可愛いレインボー綿菓子を購入したり。 少し肌寒かったので、公演までの時間は木更津のスペシャルティコーヒー「THE COFFEE」さんのコーヒーであたたまりました。シナモンなどが入ったスパイシーな味わいがやみつきになります。百年後芸術祭イベント会場のお楽しみでもある千葉の食文化を紹介する「EN NICHI BA」も今後のイベントに参加する際にはぜひ立ち寄ってみてくださいね。 「不思議な愛な富津岬」 〈アイナ・ジ・エンド 歌唱曲〉・1曲目「幻影」・2曲目「華奢な心」・3曲目「前髪上げたくない」・4曲目「宝者」・“通底縁劇・通底音劇”テーマソング 出演:アイナ・ジ・エンド / 東京QQQ(アオイヤマダ/ かんばらけんた / Kily shakley / KUMI / 高村月 / ちびもえこ / 平位蛙 / MONDO / 山田ホアニータ )音楽:小林武史 / 名越由貴夫脚本:高村月演出:アオイツキ+清水舞手衣装:ひびのこづえopening DJ:Shoma fr.dambosound企画:OIP(Oi-chan honopanty) Photo:Takao IwasawaText:Mina Yoshioka

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