内房総アートフェス

内房総5市の風景を舞台に、アーティストやクリエイターたちが創造力を発揮し、新たな芸術作品を発表します。総合プロデューサー・小林武史とアートディレクター・北川フラムの両名により、総勢約 80 組の気鋭の現代アーティストを国内外から招聘し、絵画、彫刻、映像、インスタレーションなど、多様な手法を用いて表現されるアート作品を屋内外に展示します。来場者はアート作品を目印に5市を巡ることで、その土地の魅力を発見することができます。

【会期】2024年3月23日(土)〜5月26日(日)※火・水曜日定休(4月30日・5月1日は除く。一部施設は通常営業)(全49日)
【開催時間】10時~17時 ※作品によって公開日・公開時間が異なる場合あり
【会場】内房総5市 (市原市・木更津市・君津市・袖ケ浦市・富津市)
【総合プロデューサー】小林武史
【アートディレクター】北川フラム

【インフォメーションセンター】
・木更津駅東口インフォメーションセンター(木更津市富士見1-1-1 木更津駅東口前)9:00~18:00 ※会期中は全日程営業
・上総牛久駅前インフォメーションセンター(市原市牛久897-3)10:00~17:00 ※火・水曜日定休(4月30日・5月1日は除く)
• 旧里見小学校インフォメーションセンター(市原市徳氏541-1)10:00~17:00 ※火・水曜日定休(4月30日・5月1日は除く)
• クルックフィールズインフォメーションセンター(木更津市矢那2503)10:00~17:00 ※火・水曜日定休(4月30日・5月1日は除く)

ニュース

ニュース

2024.05.08

今週末、内房総アートフェスに来るならコレ!

市原市でのパフォーミングアーツに欠かせない小湊鉄道やバスに乗ってレッツゴー! 東京デスロック的しかけ満載の体験型ツアー! 約2時間のトイレを巡る旅に出ます。残席がある場合は当日申し込みでも参加できますが、定員が限られているため、事前のお申込みをおススメします。📢 peatixの申込締切は公演前日の18時まで 📅 日時5月11日[土]・12日[日]両日とも 12:30~14:30/15:45~17:45🚩 集合場所小湊鉄道・上総牛久駅(千葉県市原市牛久897-3)🧳 旅程上総牛久駅~飯給駅~上総鶴舞駅周辺(小湊鉄道)/定員40名🚽 立ち寄り作品藤本壮介《里山トイレ》《Tree/Toilet》《Toilet in Nature》🎫 チケット料金大人:3,500円、12歳未満:2,000円🗒️ 修学旅行おしながき・体験学習・俳優さんのおしごとを知る・小湊鉄道沿線の藤本壮介デザイン・トイレの見学・班行動でのおやつタイム・体験学習・ともに作るクラフト体験・集合写真撮影👜 もちもの・すきなおやつ(1人330円まで)・酔い止め(乗り物酔いしやすい人)・帽子、羽織りものなどの体温調整しやすいもの・動きやすい靴、服装💛 修学旅行の心得・バスの中ではガイドさんのお話をよくききましょう・修学旅行生同士、お互いを尊重しながら楽しく過ごしましょう・ごみは各自で持ち帰りましょう・こまったことがあったら、引率の人に相談してください 構成・演出:多田淳之介プランニング&ナビゲーター:夏目慎也、佐山和泉、原田つむぎ(以上東京デスロック)、大石将弘(ままごと/ナイロン100℃)、岡田智代、ヴィヴィアン佐藤舞台監督・美術:カミイケタクヤ制作:加藤仲葉協力:スイッチ総研、ナイロン100℃、ままごと主催:内房総アートフェス実行委員会問合せ:市原市役所芸術祭推進室TEL 0436-50-0565/メール geisui@city.ichihara.lg.jp旅行企画・実施・販売:新潟県知事登録旅行業第2-60号 共立観光株式会社 新潟県十日町市駅通り120-3(一社)日本旅行業協会正会員、(一社)全国旅行業協会賛助会員規約等:標準旅行業約款/旅行条件 詳細はこちら 《注意事項》・ツアー開始場所である小湊鉄道・上総牛久駅へは、JR内房線五井駅より約30分です。1時間に1本程度の運行頻度ですので、時間をご確認の上お越しください。・車でお越しの方は、駅近辺の有料駐車場か、芸術祭無料駐車場(牛久会館駐車場:市原市牛久139-1、会場周辺まで徒歩2分)をご利用ください。・お昼12:30開始の回の終了予定時間は14:30ですが、小湊鉄道・14:35五井駅行きの電車には間に合わない場合がございます。あらかじめご了承ください。・上総牛久駅地区では、百年後芸術祭の作品を鑑賞することができます。駅前のインフォメーションにてエリア鑑賞券:800円を販売していますので、『トイレを巡る修学旅行』の前後にぜひお立ち寄りください。詳細はこちらのマップの「●上総牛久駅周辺」をご確認ください。

2024.05.08

【「茶の間ユニバース」アクセスがより便利になり、チケット好評発売中!】

「通底縁劇・通底音劇」各公演のチケットについて、内房総アートフェス開催地域(市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市)在住者限定先行受付を皮切りに、順次申込受付を開始します。各公演チケットには、購入特典として、内房総アートフェスの会期中、すべてのアート作品を鑑賞できる作品鑑賞パスポートの引換券がつきます。内房総アートフェスの期間中であれば、いつでも作品鑑賞パスポートへの引換ができます。※チケットの発券は、各公演チケットの一般販売日の12:00~を予定※引換場所などの詳細はこちら※「通底縁劇・通底音劇」の詳細はこちら、内房総アートフェスのアート作品展示の一覧はこちら 各公演概要 「茶の間ユニバース」 「茶の間ユニバース」日時:2024年5⽉12⽇(⽇)17:30開場、18:30開演会場:袖ケ浦市⺠会館(千葉県袖ケ浦市坂戸市場1566)料金:6,500円(税込、全席指定席、アート作品鑑賞パスポート付き)出演:綾小路 翔/荻野⽬洋⼦ / MOROHA  / 落花⽣ズ(ヤマグチヒロコ、加藤哉⼦) / dance:アオイヤマダ⼩林武史(Key) 、椎野恭一(Dr)、佐藤直子(Perc)アクセス情報更新new●お車の場合袖ケ浦市民会館近辺の無料駐車場が利用可能です。駐車場の台数には限りがございますので、お車でご来場予定の方は時間に余裕を持ってお越しください。なお、会場近隣施設への駐車は絶対におやめください。駐車場:袖ケ浦市民会館近辺(陸上競技場駐車場/野球場駐車場/臨時駐車場)住所:袖ケ浦市坂戸市場1566台数:400台料金:無料利用可能時間:10:00〜22:00 ●電車の場合JR内房線袖ケ浦駅で下車後、徒歩15分 詳細はこちら 終了:「不思議な愛な富津岬」 「不思議な愛な富津岬」日時:2024年4⽉6⽇(⼟)13:00開場、14:00開演会場:富津公園ジャンボプール(千葉県富津市富津2280、屋外)料金:前売6,500円/当日7,000円(税込、全席自由、整理番号順に入場、アート作品鑑賞パスポート付き)※当日券の販売、及びアート展示鑑賞パスポートの引換は、ジャンボプール入場口横で実施します。出演:アイナ・ジ・エンド / 東京QQQ(アオイヤマダ/ かんばらけんた / Kily shakley / KUMI / 高村月 / ちびもえこ / 平位蛙 / MONDO / 山田ホアニータ )音楽:小林武史 / 名越由貴夫脚本:高村月演出:アオイツキ+清水舞手衣装:ひびのこづえopening DJ:Shoma fr.dambosound企画:OIP(Oi-chan honopanty) 詳細はこちら 終了:「super folklore(スーパーフォークロア)」 「super folklore(スーパーフォークロア)」日時:2024年4⽉20⽇(⼟)、21⽇(⽇) ともに15:30LIVE会場入場開始、17:30開演会場:クルックフィールズ(千葉県木更津市矢那2503、屋外)※開催日のクルックフィールズは、公演チケット所持者のみ14:30から入場できます。料金:前売9,800円/当日10,300円(税込、全席自由、整理番号順に入場、アート作品鑑賞パスポート付き)出演:櫻井和寿 / スガ シカオ / Butterfly Studio (guest vocal : Hana Hope / dancer : ⾼村⽉ / KUMI) ⼩林武史(Key) / FUYU(Dr)  / 須藤優(Ba)  / 名越由貴夫(Gt)  / 沖 祥⼦(Vl)映像:小阪淳 / 保良雄 ※演出の都合上、浅沼圭の出演がキャンセルとなりました。なお、この出演者変更に伴うチケットの払い戻しはございません。何卒ご理解を賜り、ご了承くださいますようお願い申し上げます。 詳細はこちら 終了:「dawn song(ドーンソング)」 「dawn song(ドーンソング)」日時:2024年5⽉4⽇(⼟)18:00開場、19:00開演 / 2024年5月5⽇(⽇・祝)16:30開場、17:30開演会場:君津市⺠⽂化ホール(千葉県君津市三直622)料金:9,000円(税込、全席指定席、アート作品鑑賞パスポート付き)出演:宮本浩次 /  落花⽣ズ(ヤマグチヒロコ、加藤哉⼦) /  dance:浅沼圭⼩林武史(Key)  /  ⽟⽥豊夢(Dr) /  須藤優(Ba)  /  名越由貴夫(Gt) / ミニマルエンジン(四家卯⼤(Vc)、⽵内理恵(Sax)) 詳細はこちら トータルプロデュース:小林武史プロデュース:Butterfly Studio(*)*様々な分野から集まったクリエイティブチーム https://en.butterfly-studio.jp協力:ap bank チケット販売 ■一般先行受付 「茶の間ユニバース」・ローチケ / チケットぴあ / イープラス チケット一般発売:2024年4月20日(土)10:00〜 ローチケ チケットぴあ イープラス ※1申し込みにつき4枚まで申込可能 注意事項 【各公演共通】※本チケットは内房総アートフェスの作品鑑賞パスポート引換券とセットになっております。チケット発券完了以降、内房総アートフェスの期間中であれば、いつでも作品鑑賞パスポートへの交換が可能です。(チケットの発券は、各公演チケットの一般販売日の12:00~を予定)パスポートへの交換方法や交換場所の詳細はこちらからご覧ください。 ※予約完了後の変更やキャンセルはできません※公演中の写真・動画撮影は禁止いたします※客席を含む会場内の映像・写真が公開されることがありますので予めご了承ください※身分証明書のご提示をお願いする場合がございます。お名前とご住所がわかる公的な身分証明書を必ずご持参ください。なお、内房総アートフェス開催地域在住者限定チケットの購入者は、チケット申込時にご入力いただいた住所が記載されている公的な身分証明書が必要となります※小学生以上はチケット要、価格は全年齢一律となります※未就学児は入場できません 【屋外公演(不思議な愛な富津岬/super folklore)対象】※雨天決行、荒天の場合は日程の変更・中止となる場合がございます。日程変更の際には、予めオフィシャルホームページなどでお知らせをします※天候により演出内容が一部変更になる可能性があります※公演中は、傘・日傘の使用を禁止させていただきます。恐れ入りますが、帽子や雨合羽をご持参ください 【super folklore対象】※芝生エリアでの立見となります。LIVE会場は前方/後方のエリアがございます(予定)※場内への持込、喫煙等のルールはクルックフィールズのオフィシャルHP(https://kurkkufields.jp/map/#rule)をご覧ください 〈終了した受付一覧〉 【先行販売】(抽選)■内房総アートフェス開催地域(市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市)在住者限定先行受付2024年2月20日(火) 12:00~2月25日(日)23:59まで※申込者・同行者ともに内房総アートフェス開催地域(市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市)に住民票がある方を対象とした受付です※1申し込みにつき2枚まで購入可能、申込時に当日来場者全員の住所を登録※このチケットで入場する人は、登録した住所が記載されている公的な身分証明書も必要となります※このチケットには、入場時に判別するための印字が入ります。 ■出演者ファンクラブ先行受付(「不思議な愛な富津岬」/「dawn song」のみ)2024年2月26日(月) 12:00~3月3日(日)23:59まで※「不思議な愛な富津岬」は1申し込みにつき4枚まで、「dawn song」は1申し込みにつき2枚まで申込可能。詳細は出演者のファンクラブでご確認ください ■一般先行受付「不思議な愛な富津岬」・ローチケプレリクエスト先行:2024年3月7日(木)12:00~3月13日(水)23:59・チケットぴあプレリザーブ先行:2024年3月14日(木)12:00~3月17日(日)23:59・イープラスプレオーダー:2024年3月14日(木)12:00~3月17日(日)23:59・ローチケ / チケットぴあ / イープラス チケット一般発売:2024年3月23日(土) 10:00〜 「super folklore」・ローチケプレリクエスト先行:2024年2月26日(月)12:00~3月13日(水)23:59・ローチケプレリクエスト2次先行:2024年3月14日(木)12:00~3月20日(水)23:59・チケットぴあプレリザーブ先行:2024年3月14(木)12:00~3月20日(水)23:59・イープラスプレオーダー:2024年3月14日(木)12:00~3月24日(日)23:59・ローチケプレリクエスト3次先行:2024年3月21日(木)12:00~3月27日(水)23:59・チケットぴあプレリザーブ2次先行:2024年3月21日(木)12:00~3月27日(水)23:59・ローチケ / チケットぴあ / イープラス チケット一般発売:2024年4月6日(土) 10:00〜 「dawn song」・ローチケプレリクエスト先行:2024年3月7日(木)12:00~3月20日(水)23:59・チケットぴあプレリザーブ先行:2024年3月21日(木)12:00~3月27日(水)23:59・イープラスプレオーダー:2024年3月21日(木)12:00~3月31日(日)23:59・チケットぴあプレリザーブ2次先行:2024年3月28日(木)12:00~4月3日(水)23:59・ローチケプレリクエスト2次先行:2024年3月21日(木)12:00~4月7日(日)23:59・ローチケ / チケットぴあ / イープラス チケット一般発売:2024年4月20日(土)10:00〜「茶の間ユニバース」・ローチケプレリクエスト先行:2024年2月26日(月)12:00~3月13日(水)23:59・ローチケプレリクエスト2次先行:2024年3月14日(木)12:00~3月20日(水)23:59 ・チケットぴあプレリザーブ先行:2024年3月14日(木)12:00~3月20日(水)23:59・イープラスプレオーダー:2024年3月14日(木)12:00~3月24日(日)23:59・ローチケプレリクエスト3次先行:2024年3月21日(木)12:00~3月27日(水)23:59・チケットぴあプレリザーブ2次先行:2024年3月21日(木)12:00~3月27日(水)23:59・ローチケプレリクエスト4次先行:2024年3月28日(木)12:00~4月7日(日)23:59

2024.05.04

No.27 《里見プラントミュージアム》内の千田泰広作品:メンテナンスのお知らせ

旧里見小学校体育館《里見プラントミュージアム》内に展示されている、千田泰広の作品について、メンテナンスのため一時的に公開を休止しております。再開次第ご案内予定ですが、《里見プラントミュージアム》自体は公開しておりますので、ぜひご覧ください。 豊福亮《里見プラントミュージアム》Photo by Osamu Nakamura 作品詳細はこちら

2024.05.03

百年後芸術祭-内房総アートフェス-富津岬会場の最寄り路線バス停の位置について[訂正]

百年後芸術祭-内房総アートフェス-のアクセスページ内の公式マップでご案内している、富津岬会場最寄りの路線バス停「新井」の位置に誤りがございました。正しい位置は、以下の画像のとおりとなります。 訂正してお詫び申し上げますとともに、富津岬会場の往来に路線バスをご利用される予定の方は、バス停の位置を今一度ご覧ください。 皆様の百年後芸術祭-内房総アートフェス-へのご来訪を心よりお待ちしております。

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イベント

通底縁劇・通底音劇「茶の間ユニバース」

内房総アートフェス

2024.5.12

通底縁劇・通底音劇「茶の間ユニバース」

「茶の間ユニバース」日時:2024年5⽉12⽇(⽇)17:30開場、18:30開演(予定)会場:袖ケ浦市⺠会館(千葉県袖ケ浦市坂戸市場1566)料金:6,500円(税込、全席指定席、アート作品鑑賞パスポート付き)出演:綾小路 翔 / 荻野⽬洋⼦ / MOROHA  / 落花⽣ズ(ヤマグチヒロコ、加藤哉⼦) / dance:アオイヤマダ/⼩林武史(Key) 、椎野恭一(Dr)、佐藤直子(Perc) ※同日11:00より、食コンテンツ<EN NICHI BA>も開催します アクセス●お車の場合袖ケ浦市民会館近辺の無料駐車場が利用可能です。駐車場の台数には限りがございますので、お車でご来場予定の方は時間に余裕を持ってお越しください。なお、会場近隣施設への駐車は絶対におやめください。駐車場:袖ケ浦市民会館近辺(陸上競技場駐車場/野球場駐車場/臨時駐車場)住所:袖ケ浦市坂戸市場1566台数:400台料金:無料利用可能時間:10:00〜22:00 ●電車の場合JR内房線袖ケ浦駅で下車後、徒歩15分 “通底縁劇・通底音劇”  通底という言葉は、アンドレ・ブルトンの『通底器』からヒントを得たもので、「つながるはずのないものがつながる、つながっている」ということをイメージしています。この通底という言葉には、歴史的な要因による戦争、自然災害による物理的な分断など、表面的には様々な分断が絶えないように見える現実に対して、本来、私たちは根底でつながりあえる(わかりあえる)のではないか? という想いを込めています。また、地理的な要因として、東京と内房総エリアはアクアラインで海の底で通底している、ということもあります。  この通底を根底とした“通底縁劇・通底音劇”を表現する形として、4会場で小林武史プロデュースによる、それぞれ異なるスペシャルライブを開催します。そして、それぞれにコンサートタイトルがつけられています。4月6日に、富津公園ジャンボプールにて、アイナ・ジ・エンドをフィーチャーしたアートパフォーマンスライブ「不思議な愛な富津岬」、4月20日、21日には、クルックフィールズ(木更津市)で、櫻井和寿、スガ シカオを中心とした「super folklore(スーパーフォークロア)」、5月4日、5日は、君津市民文化ホールで宮本浩次を中心とした「dawn song(ドーンソング)」、5月12日には荻野目洋子、MOROHAをフィーチャーした「茶の間ユニバース」。上記のメインアーティストとともに、通常の音楽ライブとは異なる次元の様々なアート的表現が展開されていきます。  年初に石川県能登地方で起こった能登半島地震に対して、「通底」の思いで内房総エリアから、表現を通じて想いを伝えつつ、APバンクの協力も得て、支援を実施していきたいと考えています。

百年後芸術祭-内房総アートフェス-Instagram写真投稿キャンペーンを開催します!

内房総アートフェス

2024.5.1-5.26

百年後芸術祭-内房総アートフェス-Instagram写真投稿キャンペーンを開催します!

Instagram写真投稿でオリジナルグッズをプレゼント! 百年後芸術祭-内房総アートフェス-では、ご来場いただいた皆様にさらに楽しんでいただくため、Instagram写真投稿キャンペーンを開催します!コンセプトの異なる賞を複数ご用意し、ご来場いただいた皆様がInstagramを通じて作品やイベントなどの写真を投稿いただいた中から選定し、オリジナルグッズをプレゼントいたします。ご来場者様同士の楽しみの共有や、まだご来場されていない方々を芸術祭にお誘いするきっかけ作りに、ぜひこのキャンペーンをご利用ください。 応募方法は、2ステップ!(応募締切:5月26日〆)①公式アカウント(@100nengo_art_fes)をフォロー②「#内房総アートフェス」を付けて写真を投稿※2024年3月23日(土)以降の、応募方法を遵守した投稿についても、対象とします。 ※公式アカウントのURL→https://www.instagram.com/100nengo_art_fes/ ●各賞のコンセプト内房総賞 : 応募された写真の中で最も優れているもの百年後賞 : 百年後を連想させるものなどサステナブル賞 : 環境に配慮したことがわかるもの(自転車を活用した周回など) ●プレゼント内容百年後芸術祭-内房総アートフェス-オリジナルグッズ詰め合わせ内房総賞 (1名):内房総アートフェスグッズセットA(ボールペン3本、クリアファイル3枚、手ぬぐい2枚、トートバック1個、Tシャツ1枚)百年後賞 (2名):内房総アートフェスグッズセットB(ボールペン1本、クリアファイル3枚、手ぬぐい2枚、Tシャツ1枚)サステナブル賞(3名) :内房総アートフェスグッズセットC(ボールペン1本、クリアファイル1枚、手ぬぐい1枚、Tシャツ1枚) 応募の際は以下のpdfの規約を必ずお読みください。 instagram_campaignダウンロード

レストランperus (ペルース)

内房総アートフェス

2024.3.23-5.26 の毎週土日祝

レストランperus (ペルース)

クルックフィールズ内にあるレストランperus(ペルース)では、芸術祭期間限定のランチコースが登場!食体験を通して「人と自然との繋がり」を体感し、農場の野菜やジビエをはじめ、地元の漁港で水揚げされた魚など、その時々の旬の食材を用いた料理をお楽しみいただけます。 イタリア、スペインをはじめ国内外の星付きレストランで研修を重ねた山名新貴シェフが、自然と共生し、生産者の想いと素材に寄り添った食体験をお届けします。 ■芸術祭限定手打ちパスタコースC (4,980円/税込) ※百年後芸術祭期間中の3/23~5/26限定前菜1『本日のフィンガーフード』前菜2『水牛モッツァレッラのカプレーゼ』前菜3『お野菜たっぷりミネストローネ』パン『Lankaの全粒粉パン』魚料理『芸術祭』メイン『選べる手打ちパスタ3種』・本日のパスタ・バジルと農場野菜のジェノベーゼ・猪肉と農場野菜のボロネーゼ ご予約はこちらから

佐藤悠「おはなしの森 君津」

君津市

2024.3.23-5.26の毎週土日祝

佐藤悠「おはなしの森 君津」

一枚の絵を描きながら、その場にいる全員で即興の「おはなし」をつくるパフォーマンス「いちまいばなし」。「何がどうした?どうなった?」と参加者へ順番に続きを聞いていき、答えた内容を1枚の絵に描き足していきます。「面白い『おはなし』は、既に参加者の中にある」とし、それらをひも解きながら取り出していく作品。3人以上の希望者が集まれば、そこからパフォーマンスが始まります。 ●開催日:2024年3月23日(土)~5月26日(日)の毎週土日祝 ●所要時間:15分程度(3人以上の希望者が集まり次第実施) ●参加費:無料 ●予約:不要

柳建太郎「ガラス細工をつくろう」

市原市 上総牛久駅周辺

2024.3.23-5.26の毎週土日祝

柳建太郎「ガラス細工をつくろう」

千葉県印西市の印旛沼近くにある柳建太郎の工房「アトリエ炎」を、市原市の牛久商店街(上総牛久駅周辺)にそのまま移転した作品。真っ暗な空間の中には、動くガラスの透明な世界が広がります。その作品に関連したガラス細工のワークショップを毎週開催します。ぜひご参加ください。 ●開催日:2024年3月23日(土)~5月26日(日)の毎週土日祝 ●会場:作品会場(以下マップ参照) ●参加費:2500円~ ●予約:不要

-cafe- TSUKIDEYA

市原市 月出工舎

2024.3.23-5.26 の毎週金土日祝 ※4.30・5.2は営業

-cafe- TSUKIDEYA

月出工舎にて焙煎工房を構える「ヤマドリ珈琲」では、南市原をイメージした珈琲豆の販売や焙煎師が淹れるコーヒーを味わえます。また、月出の森で食べられるBBQ スタイルのサンドイッチや地元野菜を使用したオリジナルデザートを週替わりで楽しめます。月出町会や「焼き芋屋リッツファーム」の協力によって地域食材を集め、「FOOD TANK」の櫻場シェフがプロデュース。国産小麦、天然酵母にこだわるベーカリー「麦を踏む」が焼くパンやお菓子でのおもてなしも。さらに、森の恵みでつくられた自家製シロップを使用したかき氷「月出のかまくら」が期間限定で登場します。出展作家の小作品やオリジナルTシャツ、UP COFFEEとして焙煎時に見つかる欠点豆で一つひとつ手染めした鞄などもご購入いただけます。●営業日:3月23日(土)〜5月26日(日)の金土日祝※GW期間中の4月30日(火)、5月1日(水)、5月2日(木)は営業●時間:10:00 〜17:00 / L.O.16:00●会場:月出工舎(市原市月出1045) 詳細は月出工舎公式HPへ

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作品

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コンセプト

コンセプトイメージ

内房総アートフェスについて

市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市による、アート、クリエイティブ、テクノロジーの力を融合した、新しい形の芸術祭です。百年後の未来をつくっていくための持続可能なプラットフォームとして、千葉県誕生150周年記念事業の「百年後芸術祭」が展開されている中で、内房総5市の広域連携、官民協同による初の試みとして開催します。

総合プロデューサーは、会場の一つであるクルックフィールズ(木更津市)を営む音楽家の小林武史、アートディレクターは、「いちはらアート×ミックス」など地域に根ざした芸術祭を数多く手掛ける北川フラムが務めます。

国内外のアーティストによる多様な作品が内房総5市の各地に展示されるほか、音楽、映像、ダンス、テクノロジーが融合した「ライブ・アート・パフォーマンス」、食をテーマとした体験型プログラムも行われます。

芸術祭を通じて、百年後を一緒に考えていきましょう。

 

ストーリー

フラム海苔ノリ通信Vol.4

内房総アートフェス

2024.05.03

フラム海苔ノリ通信Vol.4

4月27(土)、雨でしたが「おにぎりのための運動会!」挙行。旧里見小学校の豊福亮さん監修の《里見プラントミュージアム》で開会式。 豊福亮が手がけた《里見プラントミュージアム》での開会式(EAT&ART TARO《おにぎりのための運動会!》)Photo by Osamu Nakamura Photo by Osamu Nakamura Photo by Osamu Nakamura 玉入れに参加し、白鳥公民館での「時速30kmの銀河の旅」の観劇です。雨は11時頃から上がり、「おにぎりころがし」「綱引き」はグラウンドでやれたそうで、観劇のあと旧里見小のキッチンで待望のおにぎりを食べました。おいしい。5月18日(土)にもあるのでぜひご参加を!》詳細・参加申込はこちら 時速30kmの銀河の旅《終着駅2024》Photo by Osamu Nakamura 午後2時頃、木更津市の干潟にSIDE COREの《dream house》を見に行きました。アクアラインの手前にある島のような洲に実際の1/5くらいの、かつてメンバーの木更津市に住んでいた高須咲恵さんの家を再現したもので、写真では本物のように見えるのですが、実際は小さいもので、実に楽しい。 SIDE CORE 《dream house》Photo by Osamu Nakamura この干潟にはホソウミニナが無数にいるし、小さな蟹を見つけていくとピタッと止まって分からなくなる。槙原さんの干潟ツアーはさぞ楽しいだろうと思いました。夜は菜の花プレーヤーズの集会に行きました。 槙原泰介の作品《オン・ザ・コース》に関連した干潟ツアー 菜の花プレーヤーズ集会 北川フラム

ガイドブックを手に入れていざ内房総アートめぐりへ出発! 「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」作品鑑賞レポート<PART 2>市原市編(後編/内田未来楽校→上総牛久駅周辺→市原湖畔美術館ルート)

内房総アートフェス

2024.05.01

ガイドブックを手に入れていざ内房総アートめぐりへ出発! 「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」作品鑑賞レポート<PART 2>市原市編(後編/内田未来楽校→上総牛久駅周辺→市原湖畔美術館ルート)

ノスタルジックな雰囲気の木造校舎では圧巻の大型作品を展示 廃校を訪ねること3軒目。ほかの二つの小学校と同じように内田未来楽校も100年近くの歴史を持つノスタルジックな木造校舎です。地域住民・支援者を中心としたNPO法人「報徳の会・内田未来楽校」のもと、里山ハイキング、展示会、朝市、こっこ市など、子どもからお年寄りまで楽しめる行事が盛んに開催されています。 中には二つの作品があります。一つめは、角文平さんによる《Homing》。たくさんの凧が舞う空間に大きな惑星?のような星が鎮座しています。 上総地方には、生まれた子どもの健康を願い、端午の節句に凧を贈る風習があるそうです。「空高く舞い上がる姿に子どもの未来を重ね合わせたのだろう。けれど凧が自由で力強く見えるのは、糸の先にいつでも帰って来られる安心な場所があるためだとも思う」と角さんは語ります。この地域の子どもたちの拠り所であっただろう古い木造校舎の中に惑星と凧のインスタレーションを創造し、思い出の地を目指して大小の袖凧が集まってくる姿を表現。 一貫して資本のエコシステムをテーマに作品を制作しているイ・ビョンチャンによる《クリーチャー, 2024》。とにかく巨大!消費生活で大量に廃棄され、環境汚染や生態系の破壊などを引き起こしているビニールやプラスチック素材を作品に用いてそれらを発光させ、動かし、奇妙な生き物(クリーチャー)を生み出しています。どこからか空気が送り込まれて、萎んだり膨らんだり。待ったなしの環境汚染問題をここで突きつけられます。 校舎の隣にあるのが「内田未来カフェ」。地域のボランティアのマダムがコーヒーを入れてくれました。おやつも出してくれてしばしほっこり。一度は取り壊されそうになったというこの学校ですが、地域住民が一体となって守り続け、「いちはらアート×ミックス2014」でアートを展示する場としてまた返り咲いた素敵な場所。「あなたたち取材にきたの?たくさん宣伝してね〜」と頼まれたので、ぜひ立ち寄ってお買い物やカフェを楽しんでくださいね! 地域の人々から愛される昔ながらの商店街をめぐる さて、市原市の個人的ハイライト、上総牛久駅周辺エリアにやってきました。ここは養老川の船着場や荷揚げ場と、東京湾~太平洋の陸路との交点にできた宿場町で、道路がマスの角のように直角に曲がる宿場町特有の街道が残ります。約100年前に上総牛久駅ができてからは商業の中心地として発展してきました。近年は「アートのまちいちはら推進ビジョン」のモデル事業として、「牛久リ・デザインプロジェクト」を実施しています。 上総牛久駅から20メートル離れた場所に広がる牛久商店街には、古くから続く和菓子屋や肉屋、金物屋、蕎麦屋、寿司屋、文房具屋、呉服屋、氷屋、薬屋などが軒を連ねます。ノスタルジックな商店街好きの筆者としては、本当に地域の人々からの愛を感じる魅力的な商店街だと感じました。 豊福亮《牛久名画座》 かつてパチンコ屋として使われていた空き店舗の空間を、20世紀後半の美術史家E. H. ゴンブリッジの著書『美術の物語』に登場する世界の名画の模写で埋め尽くしたのは豊福亮さん。パチンコ屋時代の賑やかな店舗を想像しながらも、美しい絵画を前にまるで美術館にいるような優雅なひとときを過ごせます。 そのお隣にある柳建太郎さんの《KINETIC PLAY》も中に入ると素晴らしいガラスの世界が広がっています。千葉県印西市の印旛沼近くにある柳建太郎さんの工房「アトリエ炎」を牛久商店街にそのまま移転した作品とのこと。真っ暗な空間の中には柳さんご本人がいらっしゃって、ガラスを動かしながら作品解説をしてくれました。土・日・祝日はガラス細工ワークショップを開催しているとのことです。 ゴブレットやデキャンタなどの酒器を使ったクレーンやタワー、風車など、繊細かつユニークな発想でつくられた遊園地のような世界に魅了されました。本当に素晴らしい職人技。 終始ユーモラスな柳さん。  Artdex「世界の9人の光のアーティスト (2019)」に選ばれるなど、世界のライトアートを牽引している千田泰広さんの《アナレンマ》は、ぜひ人のいない時間にじっくりと鑑賞してほしい作品です。手作業で立体的に編まれた膨大な量の糸と、光を用いたインスタレーション作品ですが、まずは心を無にして無数の光が飛び交う幻想的な空間をお楽しみください。 続いて、空洞や余白、日常的には意識されないような「間」や「境界」を、形にとどめにくい素材を用いて再構築し空間を満たすような作品を制作している大西康明さんによる《境の石 養老川》。 銅という素材を用いて表現された養老川は下から見ても上から見ても美しく、もともと店のインテリアだったであろう大きな鏡や白い鳥が舞う大きな絵画もあいまって実に幻想的な空間となっています。ぜひ階段の上からも見てみてください。 以前は何屋さんだったかわからない店舗に展示されている作品もありますが、こちらは現在も営業する「東屋精肉店」。沼田侑香さんによる《MEAT SHOP/JAPANESE SWEETS SHOP》が展示されています。 沼田さんは、忘れたくないノスタルジックな風景や時間軸が残されている牛久商店街の精肉店と和菓子屋で作品を展開しています。「デジタル社会を示唆するようなコンピューターグラフィックのイメージを現実世界に再インストールした」とは沼田さん。吊るされたグラフィカルな加工肉の向こうで店主さんが笑顔で働いている光景がなんとも微笑ましかったです。コロッケやメンチカツも絶品だそう。※《MEAT SHOP》のみ月・火・水曜日定休 岩沢兄弟による《でんせつのやたい》は、「モノ・コト・ヒトのおもしろたのしい関係」を合言葉に、人や組織の活動の足場となる拠点づくりを手掛ける兄弟が、地域の家電販売や修理を支えてきた家電販売店「フコクデンキ」を舞台に、「でんせつのやたい」と題した屋台型の作品を展示しています。見たことがあるようでないような不思議な電気関連グッズ。ちょっと欲しくなります。 ※ 火・水曜日/第1・3日曜日定休 ところで、牛久商店街を歩いていると営業中の各店舗前に写真と言葉がプリントされたのれんが目に入ります。これは市原市牛久商店街活性化事業の一環として、牛久商店会・牛久奉仕会が、千葉大学ベンチャーの株式会社ミライノラボと千葉大学生と連携し、「アート×広告」ののれとして制作されものだそうで、一つひとつ読んでいくだけでも牛久商店街愛が感じられるのでぜひ注目してくださいね。 そして、薬屋「いとう」さんの前に気になるお知らせが!最近ここにあったオレンジ象の「サトちゃん」が誘拐されてしまったそうです。早く帰ってきてくれますように。 上総牛久駅に戻り、栗真由美さんによる《ビルズクラウド》をじっくり見ると牛久商店街のさまざまなお店がプリントされたランプでした。「さっき行ったお店だ!」「このお店の前通った〜」とアートめぐりを振り返るひととき。栗さんのコメントも素敵です。 「私は駅で展示したいと希望した。駅を利用する人々をお迎えできる場所で、作品を通じて『いってらっしゃい』『いらっしゃい』『お帰りなさい』と地元住民の皆さんと同じ瞬間に立ち会えたら幸せだと思ったからだ」。 上総牛久駅にも藤本壮介さんによるトレイを発見。個室の中に木が植栽された《緑があるトイレ》、空に向かいそびえ立つ《塔のトイレ》、やわらかな黄色に包まれた《菜の花+ 切通しのトイレ》、緩やかな外階段を上がると高さ3.5mの屋上から列車が走る様子を一望できる《階段のトイレ》の5つのユニークなトイレを自由に使用できます。電車で移動される方は、待ち時間をここで過ごすのもいいですね。 上総牛久駅を出発し、市原湖畔美術館へ。途中、上総久保駅近くでも感動的な菜の花畑に出会うことができました。 鈴木ヒラク《Warp》 国境を超えてつながること、絆を結んでいくこと。市原湖畔美術館の企画展へ。 すっかり日が暮れてしまいましたが市原湖畔美術館は土・祝前日は19時まで開館しているのでセーフ。✳︎公開時間:平日10:00~17:00、土・祝前日9:30~19:00、日・祝日9:30~18:00(会期中は火曜定休、最終入館30分前) 市原湖畔美術館は千葉県一の貯水面積を誇る高滝湖に臨む自然豊かな美術館で、現代アートを中心とした企画展や地域・子どもに開かれたワークショップなど多彩なプログラムを展開しています。ドラマやMVにも使われるユニークな建築や、隣接する「PIZZERIABOSSO」での旬の食材をふんだんに使った食事も楽しめます。 美術館内外には恒久作品も多数あります。エントランスの吹き抜けにどっしりと立ち、酸素と二酸化炭素を交換する「肺胞」をモチーフにした木の形をしたKOSUGE1-16さんによる《Heigh-Ho》は、日が暮れてからの、呼吸をするように明滅するライトアップも幻想的です。 KOSUGE1-16《Toy Soldier》 市原湖畔美術館名物といえばこちらの兵隊さん。人がいるときはピシッと立って監視をしていますが、人目を盗んでは膝を曲げて休んでしまう怠け癖があります。 エレクトロニクスを使用したガジェット的な作品の制作から活動を開始し、インスタレーションや映像などへ活動の場を広げるクワクボリョウタさんによる《Lost Windows》。地下ホールの壁面いっぱいに投影された窓枠は、光がつくりだす木立の影が角度によって大きさを変えながらゆっくりと回転を続けます。 市原湖畔美術館では現在、「内房総アートフェス」の一環として企画展「アートを通じて<わたし>と世界が交差(クロス)する」が開催されています。(〜6月23日まで) 千葉県の中央に位置する市原市は、全国・世界から移り住んだ数多くの人々を受け入れ、人口の50人にひとりが海外にルーツを持っていると言います。本展は、市原に暮らす多様な民族的バックグラウンドをもつ人々が共に生きる社会を希求するプロジェクトで、彼らの母国から招いたアーティストたちが、ワークショップやリサーチ、インタビューを通して生み出した作品が展示されています。出展作家は、ディン・Q・レ(ベトナム)、リーロイ・ニュー(フィリピン)、リュウ・イ(中国)、チョ・ウンピル(韓国)。それぞれの国の歴史・文化・風土、そしてこの地で暮らす人々の人生や思いに光を当て、鑑賞者の想像力を開花させてほしいという願いが込められています。 ベトナム人アーティスト、ディン・Q・レさんによる《絆を結ぶ》は、国境を超えてつながること、絆を結んでいくこと、世界の繋がりを感じさせる温もりに満ちた作品です。 ベトナム戦争で国を出て移民として暮らした経験を持つディン・Q・レさんは、市原に生きるベトナム人にインタビューを重ねる中で、いかに彼らが故郷の家族を思い、人と人とのつながりを大切にするかを知りました。この地で新たなつながりが生まれることへの願いを込めて、ベトナムと市原で集めた古着を、日本人とベトナム人、さまざまなルーツをもつ外国人が協働して巨大なキルトへと縫い上げ、インスタレーションとして展示しています。 ✳︎本展のために市原に3月17日より1週間滞在していたディン・Q・レさんですが、ベトナム帰国後、脳卒中により4月6日にご逝去されました。ディン・Q・レさんは出展作《絆を結ぶ》の完成を、「私はアイデアを出したけれど、一切、手を動かすことはなかった。これはベトナムと市原のコミュニティによってつくりあげられた共同作品だ。私のまったく新しいチャレンジだった」と心から喜んでいたと言います。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 リュウ・イ[劉毅]《はじめまして》 市原に住む中国人のライフストーリーの聞き取りを通して、異国の地で自らの固有性を保ちながらも、居場所を求める中国人の魂の旅を、中国古来の水墨画の技法を活かしたアニメーション作品として描きだしています。 独特な青を使ったインスタレーションを中心に、映像作品などを手がけるチョ・ウンピルさんによる《私の青》。青は、朝鮮半島に住む人たちにとって特別な色だと言います。織り手と織り手の交差点をネットのように編むことで無から有を生み出す様子を示しています。ネットワークがネットを語源とするように、本作品は、作品を取り巻く環境や観客との関係を紡ぎ、さらに海を介した長きにわたる日本と朝鮮半島の交流へと思いをつないでいく。韓国と日本の平和への願いが伝わる壮観な作品です。 身に着けることができるウェアラブル・アートから大規模なインスタレーションまで、多彩な作品をつくるフィリピンの作家、リーロイ・ニューによる《多次元港としてのバレテ》。何千本ものペットボトルと竹でつくりあげたという作品は、美術館の吹き抜けスペースを支配しているかのようでした。 現在の地球規模での環境問題に警鐘を鳴らす作品でもある本作ですが、こちらもディン・Q・レ作品同様に、約4000本のペットボトルを用いて、市原に暮らす多様な人々とともに作り上げたそうです。 「多文化共生社会に向けて、世界と<わたし>がつながる契機となることを願う」。そんな企画展でしたが、さまざまな国のアーティストが一つの願いを掲げ、それぞれの表現を通してメッセージを発信する。そんなことができるのはアートだからこそ。 そして、百年後を想う芸術祭であることを考えた時、「今よりももっと世界がやさしくつながっていてほしい」。そんな想いに駆られました。争いは今この瞬間も世界各地で起こっていて、多くの命が奪われています。大切な人を想う気持ちと同じように、みんなが他者とやさしさでつながることができたら、100年後の世界は今よりも希望がある気がします。 今回、レポート記事のために二日間かけて約90作品のアート作品を駆け足でめぐりましたが、最低でも3日間は必要でした。いや5日間かも(笑)。千葉県は自然豊かで食も美味しい場所。その豊かな土地のめぐみを味わいながら、アートをゆっくり堪能することができたなら、それがベストです。作品を通じて千葉の魅力を知ることができる。そんなアートが盛りだくさんなこともあり、そこから新たな千葉を発見することもしばしば。地元の方であれば、知られざる我が街のルーツや歴史を知る機会になり、もっと千葉が好きになるかもしれません。 千葉のそれぞれの地域の営みに美を見いだした作品の数々が、たくさんの人の心に届きますように。そして、来場者のみなさんにとって、少しでも未来への希望が持てる機会となりますように。 Photo:Eri Masudatext :Kana Yokota 

ガイドブックを手に入れていざ内房総アートめぐりへ出発! 「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」作品鑑賞レポート<PART 2>市原市編(前編/旧里見小学校→月崎→月出工舎ルート)

内房総アートフェス

2024.04.30

ガイドブックを手に入れていざ内房総アートめぐりへ出発! 「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」作品鑑賞レポート<PART 2>市原市編(前編/旧里見小学校→月崎→月出工舎ルート)

小湊鉄道が走り抜ける自然豊かな市原市では「アート×ミックス2024」を満喫 ここでは、千葉県のほぼ中央に位置する市原市のアート作品をご紹介します。市原市は自然や観光名所がとても多い場所。南北を養老川と小湊鉄道が縦断し、菜の花が一斉に咲き誇る春は、「撮り鉄」の方々が数多くみられます。なんと、ゴルフ場の数は日本で最も多いそうです。 今回、百年後芸術祭の里山エリアでは2014年から開催している「いちはらアート×ミックス」の成果を継承し、「アート×ミックス2024」として展開します。市原市は内房総5市のなかでも圧倒的に作品数が多く、一つひとつの作品をゆっくり見て回ろうと思うと、こちらも1日で回りきるのは正直難しいです。むしろ、何度も訪れて、1箇所ずつ街や観光名所なども楽しみながら訪れてほしいです。 スタートは、小湊鉄道線の飯給駅にある「Toilet in Nature」から。建築家の藤本壮介さんが設計したという女性専用のトイレで、春には梅、桜、菜の花。夏には一面が緑のじゅうたんになるそうです。こんな遊び心たっぷりのトイレは初めてで、世界一大きなトイレだというのも頷けます。 かーんかーんという音がして振り返ると、ちょうど飯給駅に小湊鉄道が!市原名物のレトロで愛らしい列車と菜の花の共演にしばし目を奪われます。 飯給駅の近くにある大人気の田邉精肉店を通りがかったら、迷わず車を停めてください。店内に入って食べたいメニューを頼むと揚げてもらえます。メンチカツやイカメンチ、カニクリームコロッケなどいろいろメニューはありますが、ぜひ食べてもらいたいのがイカメンチ。アツアツを頬張ると、プリッとした口当たりのイカがごろごろ入っていて、一個で満足感! そして、そこからすぐの旧里見小学校へ。2013年で廃校となり、以降「いちはらアート×ミックス」の作品展示場所となっていたこの場所には、国内外の作家の制作風景や、地域発の品々からなるショップやレストランが並びます。 校舎内に入るとゴオ〜ッと言う大きな音が鳴り響いているので何事かと思って進むと現れたのがこちら。アレクサンドル・ポノマリョフ《永久機関》。 2021年の「いちはらアート×ミックス」で小湊鉄道五井機関区の鍛冶小屋に設置された作品を、旧里見小学校の給食室跡へと移設したそうですが、2本の円柱の中で赤い球体が水と共に勢い良く上下運動を続ける様子は思わず見入ってしまいます。これは鼓動する心臓や機関車を連想させ、人類の進化、創造的精神を表しているのだそう。止むことなく運動を続ける本作は、来訪者を圧倒すると同時に、百年後芸術祭によって3年ぶりに再稼働した旧里見小学校を動かす心臓を象徴しているかのようです。 エルヴェ・ユンビ《ブッダ・マントラ》 アジアの精神である仏教と、アフリカで今も重要視されている祖先崇拝の要素を対話させることにより、違いを受け入れる寛容さと友愛を称える作品。アフリカの美術品に重用されてきたガラスビーズが用いられていて、近づいて見れば見るほどその繊細さに驚きます。 森靖《Start up – Statue of Liberty》 木彫や塑像など伝統的な彫刻技法を使い、「美」などの根源的な要素や、記号論的な思い込みや意識に対して問いかける彫刻作品を制作している森靖さん。《Start up – Statue of Liberty》は、現代に必要とされる自由とは何かを考えながら、伝統的な木彫技法を用いて制作されていると言います。公開制作中とのことで、会期中に少しずつ形づくられる自由の女神の完成に期待が膨らみます。 ソカリ・ドグラス・カンプ《Peacetime》 校庭ではなにやら作品を製作中の様子。ナイジェリア出身の作家のソカリ・ドグラス・カンプさんでした。鉄板を加工してベンチや木、植物をかたどり、人々の憩いの場となるような彫刻作品を制作するとのこと。現地に長期滞在し、校舎を改装したアトリエで制作する様子も4月上旬まで来場者に公開されました。完成後は半恒久的作品として校庭の噴水付近に移設し、作品に人が座って休んだり思索にふけったりできる空間になるそうです。この記事が公開する頃にはきっと完成しているのではないでしょうか。楽しみです。 アーティストの豊福亮さんも発見!この日はソカリ・ドグラス・カンプさんのお手伝い中だったようで、同じ場所で作家さん同士が交流しながら作品が出来上がっていく様子も微笑ましく感じました。 そんな豊福さんの作品は体育館にあります。《里見プラントミュージアム》と名付けられたこちらの作品は、市原の原風景である里山に、市原の工場夜景をモチーフとしたミュージアムをつくりだすというもの。 1960年代から市原の湾岸部につくられた工業地域。60年以上にわたり休まず、たゆまず、動き続けてきた工場群は、今では市原の象徴的風景の一つです。体育館内には、以下5人の作家の工業的なエッセンスをもった作品も展示されています。 角文平 《Fountain》ドラム缶に積み上げられたオブジェが、絶えず中身を循環させる。石油缶やチョコレートの噴水に、作家は列強や経済大国、エネルギー争奪戦争や公害といったシンボルを重ねる。大食い願望を軽やかに見せながらも、資本主義社会で私利私欲に溺れて破滅する危険性など暗黒部分と向き合わせる本作は、物事を多角的に見せる工夫と手がかりを示す。 栗山斉 《真空トンネル》大気圧と真空でつくられたトンネルの構造を観測する作品。内側と外側で大気圧に大きな差異が生じているガラス管を局部的に熱すると、柔らかくなったガラスが大気圧に押され(真空に引っ張られ)形態が変化する。できた凸凹状のガラス管では放電が不安定になって光がゆらぎ、大気の圧力が可視化される。 千田泰広 《0.04》滴る水が屈折率の変化し続けるレンズとなり、床や壁面に、連続的に変化する光の模様を描く。水滴内部の微細な変化により、二度と同じ模様が現れることはない。宇宙を構成する主要素である、光、空間、時間が、重力と水の表面張力によってつなげられる。 原田郁 《HOUSE #001》作家は仮想空間におけるユートピアをモチーフに絵を描く。その世界では、あらゆるものが簡易的な形に抽象化される。作家が描く「家」は一見CGのように無機質だが、よく見れば個性や表情がある。キャンバスや建材に絵の具で描くことで、現実世界と仮想世界をつなぐ橋を架ける。 柳建太郎 《FUROCCO》「風呂+トロッコ=FUROCCO。アートを楽しむ身支度をしよう。FUROCCOに乗りこんで、心はピュアに心身を清めよう。さあ、芸術祭に出発進行!」(柳) 角文平 《Fountain》 インフォメーションセンターには、公式グッズなどのほか、地元の食材などが販売されているショップも併設されています。 旧里見小学校でのお楽しみはなんといってもこちらのレストラン。EAT&ART TAROさんプロデュースの「SATOMI HIROBA」は入館料なしで利用できます。塩田済シェフ特製の手作りのベーコンと房総の新鮮卵を挟んだフォカッチャサンド、房総の豚肉を使った揚げたてカレーパンやスイーツ、珈琲などメニューも豊富。 その場で自分でつくれる生いちごミルクも最高の味わい! この日は自家製プルドポークがたっぷり挟み込まれたサンドイッチをオーダー。さっきイカメンチを食べたことも忘れてパクパク食が進みます。ジューシーでとってもおいしい!校庭に置かれた小さくて可愛いカラフルな机や椅子に腰をかけて食べるのもどこか懐かしい気持ちになります。先を急ぎたい人は、テイクアウトメニューもあるのでコーヒー片手にアートめぐりもおすすめです。 会期中はEAT&ART TAROさんによる「おにぎりのための運動会!」もこの場所で開催されています。ラストは5月18日(土)なので、ぜひ参加してみてくださいね。たっぷり運動したあとにみんなで食べるおにぎりは至福の味です。 木村崇人《森ラジオ ステーション× 森遊会》 旧里見小学校を出て車で少しいくと、月崎駅にある小湊鉄道の旧詰所小屋を森に見立て、人と自然との関係を見直す「森ラジオ ステーション」が現れます。有志団体「森遊会」が通年維持管理を行い、地元の人に大切にされ続けています。会期中はラジオをチューニングして、森から森へ旅を楽しめるプロジェクトや、森を遊ぶワークショップを実施。屋久島や飛騨の森、月崎の森など、さまざまな森の音の旅を楽しめて癒されるのでぜひ立ち寄ってみてください。 「みんなでつくるがっこう 月出工舎」には注目作家の作品が揃い踏み! 市原市の山間部にある月出小学校に到着です。2007年に閉校した月出小学校は、2014年に芸術の発信拠点として大きく生まれ変わりました。「みんなでつくるがっこう 月出工舎」をコンセプトに、「遊・学・匠・食」の4つのプロジェクトを展開。芸術のみならず、あらゆる分野や世代を超えた取り組みが、時間をかけて着実に月出の森に根付いています。 中根唯《出る月の絵たち / 絵の宿木》 校舎に入る前に、まず外の作品をめぐります。なにやら古民家に白い物体が巻き付いているように見えます。なんだろう。「家とも自然とも言えない空き家という環境に、宿木のようなあり方で絵を介在させることはできないか」という作家の想いから、少しずつ周囲の自然に侵食されていく家屋に残る人の暮らしの気配を繊細に感じ取り、外からやってきた種が少しずつ周囲と調和しながら根を張るように、時間の経過と共に育っていく作品を目指したとのことです。 白い塊はジェスモナイトという素材を使用して制作されているそうですが、近づいてみても繭のような、生き物のような不思議な作品でした。 ほかにもさまざまなアーティストの作品が外のスペースで見られるのですが、起伏が激しくてちょっとした山登りを楽しみながら鑑賞することになります。必ずスニーカーを履いてきてくださいね。 月出工舎の全体ディレクションを手掛ける岩間賢さんが、月出の暮らしの中にある先人からの知と技を継承し、月出の森から集めているという「雫」を貯蔵する土づくりの作品をプールに設置しています。本作は2021年の「いちはらアート×ミックス」で発表した養蜂の機能を持つ野外彫刻《ほとり》の空間と合わせて展開されたもの。会期中には土壁塗りの公開制作を行い、その熱気や創造のプロセスの現場に立ち会える場となるそうです。 そして、敷地内の一番山奥で体験できるのが、今年のヴェネチア・ビエンナーレの日本館の展示作家でもある毛利悠子さんによる《I Can’t Hear You》です。音だけの作品なので見過ごしてしまわないようにしてください。 タイトル《I Can’t Hear You》は、NHK 番組「ここに鐘は鳴る」に出演した際の鈴木大拙が、国際電話がうまく通じずに繰り返した言葉の引用。この言葉を会場の両端にあるスピーカーから一瞬だけ時間をずらして流す。端から端に向かう鑑賞者は、ある一点においてエコーが消えるのを感じる。ようやく聞こえた言葉が「I canʼt hear you very well(よく聞こえません)」であることの意味と無意味を、この混沌とした今の時代に響かせる。 とガイドブックに書かれていたので、ある一点を探してみるもこの日は見つからず。またリベンジしたいと思います。 体育館には「距離」をモチーフとした石川洋樹さんによる《彫刻あるいは距離を測る為のプラットフォーム》が展示されています。 ショップには、 月出工舎に巨大壁画を描いた岡田杏里さんによる陶器のオブジェも販売されていました。とっても可愛くて欲しくなります。 岡田さんは、月出の暮らし、動植物、伝説、住民から聞いた昔の風景の話をもとにして、土地の記憶をテーマに巨大壁画を制作。3階建ての月出工舎の約11×15m の外壁を中心に、階段内部まで物語性のある壁画がダイナミックに描かれているのでじっくり鑑賞してください。 ベルリン在住の田中奈緒子さんによる《彼方の家》も見応えたっぷりなので時間が必要です。遠近感がわからなくなるほどの巨大な椅子がお迎えしてくれます。 「築約100年の古民家とその周辺域を詩的なサイトスペシフィック・インスタレーションとして蘇生させた作品」とのことですが、この家でかつて使用されていた家具や小物が、床に溶け入るように設置されていて、さらに土間にはアリ地獄のように深く大きな穴が口を開けていて圧巻です。   月出工舎にて焙煎工房を構える「ヤマドリ珈琲」では、南市原をイメージした珈琲豆の販売や焙煎師が淹れるコーヒーを味わえます。また、月出の森で食べられるBBQ スタイルのサンドイッチや地元野菜を使用したオリジナルデザートを週替わりで楽しめます。さらに、森の恵みでつくられた自家製シロップを使用したかき氷「月出のかまくら」が期間限定で登場。こちらも休憩場所として要チェック。 廃校めぐりはまだまだ続きます。次は旧平三小学校。養老川の支流である平蔵川に沿った大多喜街道の道中にある平三地区にあります。旧平三小学校は140年の歴史があったそうで、校庭の地下には川廻しという手掘りの水路が流れていて、先人たちが地域の発展ために捧げた思いを見ることができます。 校舎に入ると階段には九九を覚えるためのこんな工夫が。これなら毎日階段を上がりながら覚えられそうです。 暗闇の中の理科室や賑やかな音楽室でのアート体験 旧平三小学校に3つの作品を展示しているのが冨安由真さん。見えないものや不確かな存在への知覚を鑑賞者に想起させる没入型のインスタレーション作品や絵画作品を発表されている作家さんです。会場にある3つの冨安さんの作品は1つ目が「上昇」、2つ目が「下降」、3つめが「水平/均衡」をキーワードに制作されています。 「上昇」をテーマとした作品《Jacob’s Ladder (Dream For Ascension) / ヤコブの梯子(終わらない夢)》は、2階から3階にかけての階段および3階から屋上への梯子スペースに展示されています。「ヤコブの梯子」は、旧約聖書に登場するヤコブが夢で見た天から地へと伸びる梯子のこと。また、「Ascension」とは日本語で「上昇」を意味しますが、キリスト教においては「天国に魂が昇る」ことを表しており、階段を登り作品を鑑賞する行為を通じて、答えの出ない「死」について問いかけていると作家はコメントを残しています。 3つめの「水平/均衡」をテーマとした《Three on the Level》も同じ校舎内にあります。作品のモチーフとなっている「3」という数字は、ピラミッドやキリスト教の三位一体など古くから思想や信仰の中で使用されてきました。三角形は安定を意味し、また「第三者」「三人称」などは中立や客観性を意味する概念でもあります。作家の重要なテーマである「視点の重なり」を軸に、暗闇の理科室で幻想的な体験を創出します。理科室にある実験道具は倒さないように気をつけて。 二つめの「下降」をテーマにした《The TOWER (Descension To The Emerald City) / 塔(エメラルド・シティに落ちる)》は別棟にある配膳室に展示されていますのでそちらもお見逃しなく。 レンズやゼンマイを使用したキネティックなオブジェの制作や、人間の視覚を比喩的にとらえた作品などを発表している秋廣誠さんによる《時間鉄道》は、傾斜のある長さ6m のレールの上を、350kg 相当の鉄道車輪が約2か月かけて「降下」していく作品です。 ゼンマイ時計では、脱進機と呼ばれる機械によってゼンマイのエネルギーをゆっくりと解放しますが、本作では重い車輪の「転がろうとするチカラ」がゼンマイの力に相当します。脱進機が搭載された車輪は、展覧会会期という有限な時間と共にゼンマイのエネルギーから次第に解放されていくというコンセプトですが、じっと見ていても動いている感じがしないのに、それでも少しずつ降下していっているというのが不思議で、ただただ見入ってしまいます。 アブドゥルラーマン・アブダラ《最後の3人》 部屋は照明を落とし、この学校の最後の生徒となった3人が書き残したという黒板の別れのメッセージに視線が向くよう、スポットライトが当てられている。この作品は、「子どもたちが残していった言葉のしたたかさを観客に考えさせると同時に、一つの章が幕を閉じれば新たな章が始まるという楽観に満ちた表現となっている」と作家のコメントがありますが、そもそもこの黒板は本当に生徒たちが書いたものなのか、すべてが作品なのか、置かれたりんごとシャンデリアの意味は? と、いまだに謎に包まれたままです。 笹岡由梨子《Animale(アニマーレ)》 自身の身体のパーツ、そして自身で作詞作曲した音楽で構成された映像を用いて、独自の作品世界を築き上げてきた笹岡さん。今作《Amimale(アニマーレ)》は、「動物と人間の境はどこだろう?」「動物にとっての労働とは何だろう?」という素朴な疑問から生まれたそうです。学校で飼育され、かわいがられていた鶏やうさぎ、猫などの実話をもとにつくられた独自の生き物たちが、音楽室で労働歌を奏でる姿は奇妙だけど可愛らしい。賑やかで楽しい作品です。 バハマの作家ラヴァル・モンローさんの《サンクチュアリ》はほぼすべてが段ボールでできています。作家は段ボール古紙を、貧しい素材と呼び、経済的に貧しい者たち、すなわち大衆のイメージを重ねています。反抗の象徴であるガイ・フォークス人形と、それを囲む4匹の猟犬が対峙する構図ですが、それらはすべて貧しい素材でできており、単純な二極対立構造ではないことを暗示します。教室の奥に飾られた絵は作家の家族だそうで、カリブ海に浮かぶ遠い島で生まれ育った作家の人生を市原の奥地で垣間見る。そんな異空間な教室でした。 地方の芸術祭では廃校になった小学校がアートの舞台として使われることが多いですが、どんな芸術祭でもそこで過ごした子どもたちの笑い声や生活が思い起こされて、思い出深い学び舎がアーティストたちによってまた息づいていく光景がたまらなく素敵だなと感じます。 後編も廃校へ!内田未来楽校→上総牛久駅周辺→市原湖畔美術館ルート Photo:Eri Masudatext :Kana Yokota 

「不思議な世界に迷い込んだ、2人のアリスのものがたり」。 “通底縁劇・通底音劇”アートパフォーマンスライブ「不思議な愛な富津岬」レポート

内房総アートフェス

2024.04.30

「不思議な世界に迷い込んだ、2人のアリスのものがたり」。 “通底縁劇・通底音劇”アートパフォーマンスライブ「不思議な愛な富津岬」レポート

「不思議な世界に迷い込んだ、2人のアリスのものがたり」。 市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市で開催中の「千葉県誕生 150 周年記念事業 百年後芸術祭~環境と欲望~内房総アートフェス」。音楽を主とする「LIVE ART」として、“通底縁劇・通底音劇”と題した小林武史さんプロデュースによるスペシャルライブのひとつ「不思議な愛な富津岬」が4月6日(土)に開催されました。 場所は「千葉県立富津公園ジャンボプール」。富津岬の海辺に位置するここは、その名の通りとっても規模が大きくて、大人も子どもも潮風を感じながら思い切り夏を満喫できる場所です。プール開園は7月中旬からですが、一足先に足を踏み入れてきました。 アイナ・ジ・エンドとアオイヤマダは、同じ黄色いワンピースを身に纏い登場。 小林武史さんの美しいピアノの音色が会場に流れると、アイナ・ジ・エンドさんが登場。1曲目は「幻影」。賑やかだった会場がすっと静寂に包まれ、伸びやかなハスキーボイスが潮風とともに運ばれてきます。そして、この舞台のもう1人の主人公である、生き様パフォーマンス集団「東京QQQ(トウキョウサンキュー)」のアオイヤマダさんがボートに乗って踊りながら登場し、ナレーションとともに物語がはじまります。これは、「二人のアリス」ものがたり。 不思議の国のアリスは物語の中でいつも自分に問いかけます。今は自分が誰なのか良くわからない。アリスの中にはいつも2人の自分がいて、自問自答します。不思議な不思議な世界に迷い込んだ二人のアリスの旅は、さまざまなキャラクターと出会いながら続きます。“跳ねない蛙”、“恋する灯台”、“踊る根”などに模した東京QQQのメンバーたち(かんばらけんた / Kily shakley / KUMI / 高村月 /ちびもえこ / 平位蛙 / MONDO / 山田ホアニータ)が次々と登場し、ダンスを披露しました。 その後、白うさぎ姿に変身したアイナ・ジ・エンドさんは「華奢な心」と情熱的な赤い衣装で「前髪上げたくない」を披露。 不思議な、愛な、とってもファンタジックな一時間の旅を終え、再び出会ったふたりの“アリス“。4曲目には、ポールダンサーのKUMIさんによるパフォーマンスに合わせて「東京QQQ」のメンバー全員と一緒に踊りながら「宝者」を披露。かんばらけんたさんの車いすダンスも胸を打つ素晴らしさでした。 流れるプールの水色の水面、パステルピンクの水際、ジャンボプールという舞台そのものがすでにファンタジックな演出でしたが、その舞台と呼応するように印象的に映える衣装を手がけたのは、Butterfly Studio(バタフライ・スタジオ)メンバーである衣装デザイナーのひびのこづえさん。「東京QQQ」のメンバーのみなさんのコンテンポラリーでユニークなダンスがさらに浮遊していくような美しい色彩の衣装に終始釘付けになりました。 アイナさんはストーリーに組み込まれた人気曲「宝者」を終盤に熱唱。最後は「私たちは根底でつながりあえる」という百年後芸術祭の本プログラムへの思いや、海の底(東京湾アクアライン)で東京とつながる内房総エリアをイメージした「通底」をテーマに会場一体となって踊りました。 「次はみんなが踊る番だよ!」そんなアオイヤマダさんの掛け声とともに「ツーツーテーテー」ダンスの指導が入り、会場の盛り上がりは最高潮に。 “通底縁劇・通底音劇”テーマソングを600人の会場の観客と共に踊り、一体感が高まったステージ。たった一時間のパフォーマンスでしたが、「ここはどこだったんだろう?」と、どこか遠い異世界の物語の中に迷い込んだかのような、不思議な体験の余韻がいつまでも残る忘れられないステージでした。 会場入口には、百年後芸術祭の食コンテンツである「EN NICHI BA」も開催。長生村の無添加ソース焼きそばや、九十九里浜のハマグリなど、おいしそうな食事を提供する屋台が出店しました。君津市から出店した手づくりジャム工房のブルーベリージャムを購入したり、まるでジャンボプールをイメージしたかのような可愛いレインボー綿菓子を購入したり。 少し肌寒かったので、公演までの時間は木更津のスペシャルティコーヒー「THE COFFEE」さんのコーヒーであたたまりました。シナモンなどが入ったスパイシーな味わいがやみつきになります。百年後芸術祭イベント会場のお楽しみでもある千葉の食文化を紹介する「EN NICHI BA」も今後のイベントに参加する際にはぜひ立ち寄ってみてくださいね。 「不思議な愛な富津岬」 〈アイナ・ジ・エンド 歌唱曲〉・1曲目「幻影」・2曲目「華奢な心」・3曲目「前髪上げたくない」・4曲目「宝者」・“通底縁劇・通底音劇”テーマソング 出演:アイナ・ジ・エンド / 東京QQQ(アオイヤマダ/ かんばらけんた / Kily shakley / KUMI / 高村月 / ちびもえこ / 平位蛙 / MONDO / 山田ホアニータ )音楽:小林武史 / 名越由貴夫脚本:高村月演出:アオイツキ+清水舞手衣装:ひびのこづえopening DJ:Shoma fr.dambosound企画:OIP(Oi-chan honopanty) Photo:Takao IwasawaText:Mina Yoshioka

ガイドブックを手に入れていざ内房総アートめぐりへ出発!「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」作品鑑賞レポート<PART 1> 木更津、君津、富津、袖ケ浦エリア(後編/KURKKU FIELDS→袖ケ浦ルート)

内房総アートフェス

2024.04.24

ガイドブックを手に入れていざ内房総アートめぐりへ出発!「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」作品鑑賞レポート<PART 1> 木更津、君津、富津、袖ケ浦エリア(後編/KURKKU FIELDS→袖ケ浦ルート)

オラファー・エリアソンなど新たなアート作品も展示中のKURKKU FIELDSへ 今回のメイン会場の一つである木更津にあるサステナブルファーム&パークKURKKU FIELDS。「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」総合プロデューサーも務める小林武史さんがつくられた場所で、約9万坪(30ha)の広大な敷地で「農」「食」そして「自然」の循環を体験できる施設です。2022年には宿泊施設“創る暮らしを体感するvilla”「cocoon(コクーン)」が、2023年には本との心地よい時間を過ごせる「地中図書館」がオープン。レストランやマーケット、シャルキュトリー、ベーカリーなどもありゆっくりと過ごせる場所なので、アート作品めぐりの際にも半日はスケジュールに盛り込んでほしい場所です。また、これまでも場内にはたくさんのアート作品が点在していましたが、内房総アートフェスのために新たに設置された作品も数点あり、見ごたえたっぷりです! KURKKU FIELDSにもインフォメーションカウンターがあるので、ガイドブックやグッズを購入することができます。 エントランスゲートを抜けて早速右側の丘に見えるのが、草間彌生さんの《明日咲く花》。鮮やかな色彩に彩られた花びらと葉に、繰り返し水玉と網目模様が描かれた大型の彫刻が緑の芝生の上でいきいきと咲く姿になんだかパワーをもらえます。草間さんの作品はこちらを含めて場内に4つあるので、ぜひ探してみてください。 草間彌生《新たなる空間への道標》 草間彌生《無限の鏡の間 -心の中の幻》 そして、木や草花が生い茂る土の下にひっそりと隠されたように存在し、洞窟のように横たわる「地中図書館」へ。ここは、土の中の微生物と共生して植物や野菜が成長するように、地中に潜り込んで本と出会い、知を蓄え、想像する力を養う。そんなコンセプトのもと誕生しました。緑の芝生が生い茂るこの季節は外観も美しく、うっとりしてしまいます。 今回、新たに館内のホールスペースに設置されたのが、名和晃平さんによる彫刻《PixCell-Crow/Welding Mask/VR Controller (R)/Wooden Ladder》です。 地上から降り注ぐ太陽の光がガラスを透過し、神々しく煌めく鳥が本当に美しくて、何時間でも観ていたくなります。(✳︎スペースが限られているので、鑑賞時間は10分目安ですが…)この図書館のためにセレクトされた食や自然、アート、哲学、音楽、生と死についてなど、さまざまなカルチャーに関する本が作品に映り込む光景をぼんやりと見ていると、100年前にも、100年後も、人間が「知」を得るのは本であること、あったことを感じます。 「シュールレアリズムを念頭に、複数のモチーフを組み合わせた《PixCell》シリーズの⼀作。今からちょうど100年前に隆盛し、⼈間の無意識の可能性を探索したシュールレアリズムは、VR やメタバース、AI が発達し⼈々の想像が拡張・拡散される現代の環境において、新たな⼿触りを帯びて⽴ち上がっている。100年前を振り返ることを通じて、100年後の芸術の姿を幻視する」(名和) 図書館で静寂の時間を過ごした後、次に向かったのは島袋道浩さんの《ツチオとツチコ:55年後のBED PEACE》。写真だと距離感がわかりにくいのですが、丘の上から見下ろした時にデーンと現れるツチオとツチコのユニークな姿に釘付けになります。この日は雨上がりで足元が悪く近づけませんでしたが、状態が良ければ側まで行って鑑賞することも可能です。 「遠く離れた二つの場所の土をそれぞれ人の形に置いてみた。土と土の出会い。土のハネムーン。その様子を眺めながら、ふと『人は死んで土に還る』という言葉を思い出した。この土の二人は本当に人だったのかもしれない。また、この二人をいつかどこかで見たことがあることにも気づく。1969年、アムステルダム、ヒルトンホテルのジョンとヨーコ。ちょうど僕が生まれたあの年はベトナム戦争の最中だったけれど、50数年たった今もウクライナやガザ、そして世界のあちらこちらで戦闘が続いている。55年後のBEDPEACE。100年後を考えるにはその半ば、50年後あたりが大切だと思う。50年後に誰かが引き継ぐ、語り継げば100年後にもきっと伝わる。届く。50年後、そして100年後、まだ戦いは続いているのだろうか?」(島袋)  ガイドブックにある島袋さんのメッセージを読みながら作品を見ていると、KURKKU FIELDSの名はThe Beatles の「Strawberry Fields Forever」が由来だという小林武史さんの言葉を思い出しました。クリエイティヴやイマジネーションの力こそが世界を変えることのできる大切なものだということ。そんなメッセージを発信し続けたジョン・レノンとオノ・ヨーコを想い、終わらない戦争を想い、ツチオとツチコとともに改めて世界平和を願いました。 オラファー・エリアソン《Mirror my orgasmic journey in me》 そして、4月18日に公開されたのがこちら。KURKKU FIELDSの土に馴染むようにつくられた宇宙船のようなカプセルのような建物に入って作品を鑑賞します。 色とりどりの手吹きガラスが、透明で重なり合う円や楕円を連想させるように配置されています。この10年間、エリアソンは色彩、透明感、重ね合わせというテーマに着想を得たガラス作品と水彩画を制作してきました。これらの作品のタイトルの多くは、円や楕円の構図と、曼荼羅の前に座る仏陀の歴史的絵画との類似性から着想を得ていると言います。その意味で、バランスの取れた左右対称の本作品は、瞑想と発展のための抽象的で凝縮されたイメージを提示しています。 オラファーファンの筆者としては、ずっとこの中で瞑想していたい気分になります。 アート作品や場内散歩を楽しんだ後は「内房総アートフェス」特別メニューを これからの季節、KURKKU FIELDSは新緑が本当に美しく、遊歩道を散策するだけでも気持ちがいいのですが、アート鑑賞をしながらぜひ途中のベンチや木陰に座ってマザーポンドと名付けられた池を眺めてみてください。自然の恵みの原点は、太陽と土と水、そしてそれらを元に育まれていく生態系。森に囲まれたこの池には、春から夏にかけては貴重なモリアオガエルなど様々な生物が繁殖し、秋から冬にかけては多くの野鳥が越冬のために利用する、1年を通して命が賑わう場所になっています。 マザーポンドの近くでは、増田セバスチャンによる《ぽっかりあいた穴の秘密》やカミーユ・アンロの《デレリッタ》も鑑賞できます。 パリ生まれのカミーユ・アンロは、人類学や博物学など幅広い分野からインスピレーションを受け、ユニークな作品に昇華させる女性作家です。見捨てられた女性が嘆き悲しむ様子を描いたサンドロ・ボッティチェッリの絵画《La Derelitta》に着想を得たというこの彫刻は、車輪に足をかけ、これから駆動していくイメージも想起させます。生命の多様さを抑圧する力を解きほぐすかのようなパワーを感じられる魅力的な作品です。 ファブリス・イベールによる《べシーヌの人》もKURKKU FIELDSの風景に欠かせない常設のアート作品。本作は1991年にフランスの街べシーヌで誕生し、以来、100以上ものクローンやコピーが地球上に広まっているそうです。「体に空いた11の穴から水を撒くことで周囲に溶け込み、自然の、また命の番人となるべくそこに立ち続ける」そんな美しいコンセプトとどこかユニークな姿のアンバランスさが魅力で個人的にとってもお気に入りです。 そして、エディブルガーデンのふもとにはChim↑Pom from Smappa!Groupによる《Level 7 feat.明日の神話》がひっそりと。この作品は、渋谷駅にある日本の被曝のクロニクルを描いた岡本太郎の壁画《明日の神話》の右下にある隙間に、2011年3月11日におきた福島第一原発事故を描いた絵をゲリラ設置したプロジェクトから誕生しました。 原子炉建屋からドクロ型の黒い煙が上がる様子を《明日の神話》と同じタッチで紙に描き、それを塩ビ板に貼ったものを連続した壁画の一部として自然に見えるように設置し、話題になりました。本作は2013年の岡本太郎記念館での個展の際に、そのドクロ雲を立体化したもの。太陽光発電のパネルのすぐそばに設置されていることも見逃せません。「エネルギーとその生産リスクにどう向き合うのか」という震災から10年以上を経て今も課題となっている問いをこの場所から発しています。 エントランスから一番遠く、場内端にある多目的スペース「フラック棟」にもアート好き垂涎の作品が展示されているので必見です。アニッシュ・カプーアの《Mirror(Lime and Apple mix to Laser Red)》と草間彌生さんのペインティング作品《時は過ぎゆけるか、死への近づき》が対面する唯一無二の空間が広がります。 たくさんのアート作品を見てお腹が空いたらダイニングやレストラン「perus(ペルース)」へ。ダイニングでは大きな壁面に描かれた浅井裕介さんによる《命の地層》を眺めながら、季節のピザや猪のキーマカレーなどが楽しめます。 土日であれば、「perus」でぜひ週末限定ランチを。限定メニューとして山名シェフが腕を振るった魚料理の一皿は息を呑む美しさです。 料理作品名《芸術祭〜空と海と大地〜》提供は内房総アートフェス期間中(〜5/26) 「内房総5市の豊かな食材を使用し、『地球』というマクロの視点から"空と海と大地"という表現に置き換え、百年後の地球に想いを馳せて。2024年、辰年に相応しい魚(太刀魚)に、発酵させたキャベツ。豆乳の泡と大根、農場で採れた菜花やいろんなお花を飾っています。青い空、もしくは広い海のような器に、大地から芽吹いた植物やお花が料理に輪郭をつけてくれています」(山名) そのほか、マーケットでもKURKKU FIELDSで育った野菜や地元の食材などが購入できるので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね! 水と緑と花があふれる袖ケ浦公園で、100年後を想うアートに出会う 続いて、袖ケ浦市にあるアート作品の紹介です。アクアラインの木更津金田ICで降りるとすぐの袖ケ浦市。アート作品が鑑賞できるのがすべて袖ケ浦公園やその付近なので、東京からなら一番最初に回るのも良いかもしれません。 アクアラインで都心へのアクセスが飛躍的に向上し、袖ケ浦駅海側地区はここ数年の開発で大規模な住宅地が形成され、急速に発展しています。内房総アートフェスでは、四季の花が咲き香る袖ケ浦公園周辺に作品を展開し、地域の歴史を学べるスポットがアート空間へと様変わり。まずは、袖ケ浦公園内にある「アクアラインなるほど館」へ。キム・テボンによる《SKY EXCAVATER》が展示されています。 「深夜、東京湾アクアラインを走る。車窓を流れる光の連続に、知らない場所へと導かれる。そう錯覚するときがある。月の裏側なのか、星たちの輝く遠い宇宙か。建設当時、工事の難易度から『土木のアポロ計画』と呼ばれ、外径14.14mのシールドマシンが地中を掘り進めたらしい。遠くない将来、これらの技術と経験は転用され、僕たちを未知の世界へと導いてくれる日が来るのだろう」。との作家のイメージ通り、記念館の点滅する天井の光の中、アクアライン工事過程に関する自作資料を展示する宇宙船のような空間が生まれていました。 そもそも、こんな施設があったことに驚きなのですが、「アクアラインなるほど館」は袖ケ浦市郷土博物館の別館として併設され、普段は東京湾の歴史や東京湾アクアラインを紹介する模型、建設に使用された部材などを展示しているそうです。それもぜひ見てみたい。 袖ケ浦公園内にこんな施設があったのか!の第二弾は「旧進藤家住宅」。江戸末期に代官をつとめた進藤家の住宅だそうで、上層農家の生活様式を現代に伝える貴重な建造物として、袖ケ浦市指定文化財に指定されています。数年前に改修工事をしているそうで、とっても立派な藁葺き屋根に見惚れてしまいます。そしてここでは、大貫仁美さんによる《たぐり、よせる、よすが、かけら》が鑑賞できます。 中に入るとガラスの断片でできた女性の衣服を象った美しい作品が迎えてくれます。千葉県は全国でもっとも多くの貝塚を有しているそうで、展示場所付近にも山野貝塚をはじめ多くの古代の痕跡があるのだとか。出土された多くの「断片」からは、先祖たちの息遣いを感じることができる、と作家はコメントを残しています。「一つひとつは無為な断片であっても、確かな日常がそこにはある」と考え、旧家に佇むガラスの「断片」で継がれた衣服やかけらたちによって、この地を生きた人の気配、痕跡の可視化を試みています。 前庭には大貫さんがワークショップの参加者と制作した「言葉のカケラ」が散りばめられています。 「旧進藤家住宅」のすぐそばにあるのは、東 弘一郎さんによる《未来井戸》です。西上総地方の小櫃川、小糸川流域で開発、発展した井戸掘り技術である「上総掘り」のダイナミズムに着目し、それを、自身を代表する大型の金属作品と重ね合わせて表現したと言います。作品は実際に掘削機能を兼ね備えているそうで、会期中には掘削体験会も開催されるそうです。 そして、袖ケ浦市のアート作品ラストは、ダダン・クリスタント《カクラ・クルクル・イン・チバ》。袖ケ浦市農畜産物直売所「ゆりの里」付近に広がる田んぼの農道に展示されています。風が吹くとカランコロンと心地よい音を立てて風車のように回ります。 竹を主な素材としてつくられる「カクラ・クル・クル」は作家の故郷バリ島に実際に見られる郷土民芸品であり、農夫が収穫期の前後に田んぼへ設置し、収穫の感謝を神に捧げるものだそう。豊穣の願いは、きっと100年先も続いていくもの。遥か先まで吹き抜けるその風景は、100年後にも残したい風景だと確信した瞬間でした。 袖ケ浦市マスコットキャラクター「ガウラ」の焼き印が押された「ゆりの里」の人気商品ガウラ焼きをパクリとかじりながら、鑑賞したアート作品を振り返ります。 東京という大都会のすぐ近くにありながら、豊かな自然がたくさんある内房総でアーティストたちが感じたさまざまな想いや願いが詰まった内房総アートフェスの「LIFE ART」。それぞれが100年後に残したいものを、作品を通して感じながら、それらを残すために自分達が今できることはなんだろうと考える。すぐに答えが出る訳ではないけれど、千葉に住む地元の方にとってはもっとリアルかもしれない。地元の人こそ、この芸術祭にたくさん足を運んでくれるといいなと感じました。 次回<PART2>の「LIFE ART」レポートは市原市をめぐります! Photo:Eri Masudatext :Kana Yokota 

ガイドブックを手に入れていざ内房総アートめぐりへ出発! 「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」作品鑑賞レポート<PART 1>木更津、君津、富津、袖ケ浦編(前編/木更津→君津→富津ルート)

内房総アートフェス

2024.04.24

ガイドブックを手に入れていざ内房総アートめぐりへ出発! 「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」作品鑑賞レポート<PART 1>木更津、君津、富津、袖ケ浦編(前編/木更津→君津→富津ルート)

内房総アートフェスのおすすめのめぐり方!まずはインフォメーションセンターへ いよいよ「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」アート作品の展示が始まりました。関東の桜は一気に咲いて一気に葉桜になってしまいましたが、気持ちの良い季節はこれから!芸術祭めぐりにぴったりのこの時期、何度も千葉に訪れてほしいという想いから、内房総アートフェスのおすすめのめぐり方や、おすすめの食事スポットなどを紹介したいと思います。 まずは、木更津、君津、富津、袖ケ浦の4エリアから前後編に分けてお届けします。「LIVE ART」として展示されるのは総勢77組による作品。観光名所も含めてすべての作品をゆっくり回ろうと思うと日帰りでは時間が足りません。気になるアート作品だけを目掛けていくも良し、それぞれの市に点在する作品を宝探しのように一つひとつ堪能するも良し、ひとまずはパスポートを購入すべく木更津駅東口にあるインフォメーションセンターへ! Tシャツやエコバッグなどの公式グッズもインフォメーションセンターで買うことができます。芸術祭めぐりはパンフレットや資料をもらうことが多く、クリアファイルを買っておくことをおすすめします。 パスポートを買うと、購入者特典として公式ガイドブックと公式マップももらうことができます。この時、スタッフの方におすすめの周り方や、休止中の作品情報など、いろいろと事前情報を確認しておくとスムーズです。 大きなマップを広げてどんなルートで回るかを決めます。車の場合は内房総アートフェス専用の駐車場が各所に用意されているので、そこに停めましょう。木更津駅周辺の数点の作品は徒歩で見て回ることができます。 作品鑑賞パスポートは作品ごとにスタンプを押せるようになっていて、自分で押す場所もあればスタッフの方に押してもらう場所もあります。スタンプラリーですべてのスタンプを集めると賞品をもらえるとのことでワクワクです。 木更津のインフォメーションセンターに展示されているのは増田セバスチャンの《Primal Pop》。原始的なポップさやいたずらごころをテーマにした作品は、懐かしさを感じるおもちゃやステッカーがぎゅっとひしめきあって新たなオブジェへと生まれ変わっています。かわいい。 次に向かったのは、1790年創業の砂糖や紙類などを販売していた「浜田屋」が所有していた趣のある「石蔵」。ガラリと木の扉を開けるとそこには巨大な女性のモニュメントが鎮座していました。 小谷元彦さんによる《V 〈仮説のモニュメント〉》は、約4,000年前の縄⽂時代の⼟偶『仮⾯の⼥神』と現代の⾁体を融合させる『仮設のモニュメント』シリーズのひとつ。「約1,300年前の奈良時代の半跏倚坐(はんかいざ)の⽉光菩薩像を像に重ね、過去から現代、未来の時間を凝結する」というコンセプトだそうで、初っ端から圧巻の彫刻に魅せられて心が躍ります。 石蔵から歩いてすぐの旧紅雲堂書店では、槙原泰介さんによる《オン・ザ・コース》という作品があります。築150年の木造建築の書店は、昨年末に閉店。営業当時のままの雰囲気を残しながら、東京湾に残る干潟をリサーチしてきた槙原さんが、木更津の広大な自然干潟に着目し、その風景や生物を題材とした映像作品を店内に展示。本棚に置かれた自然環境に関する書物を椅子に座ってゆっくり読むことも可能です。 内房総アートフェス会期中に数回開催される干潟へのツアー・トークもぜひ参加してみたい。 河岸を玄関口として栄えた木更津市は、かつて港付近まで浅瀬が広がっていたといいます。 旧木更津市役所があったという海の近くの倉庫には、梅田哲也さんの作品《上架》があります。中に入ると大きな木更津市の航空写真が迎えてくれます。この日は悪天候だったこともあって、丸い透明の照明がほのかに灯る空間は少し幻想的でした。 「船溜まりの一角に、使われなくなって久しいであろう船が積み重ねられていました。フジツボが船底にびっしり固着し、変色していることから、水上に放置された期間と、陸に引き上げられてからの経過が垣間見えます。この光景に触れた瞬間、単純に『いいな』と感じました。見ることしかできない船。実際には見られることすらなくなったような船ですが、じっくり観察するとそれは紛れもなく圧倒的な船でした」(梅田) ガイドブックに書かれた作家の梅田さんのコメントを読みながら、フジツボがびっしり固着した船を見ると、長い月日を経て自然に生まれたものではあるけれど、美しい彫刻作品のようにも見えてくるから不思議です。 閉業したガソリンスタンドから譲り受けたという丸いペンダントライトに少しずつ水を溜めて、その音に耳を傾ける。まるで海の底にいるかのような静謐な時間とともに、木更津は海とともに歴史を紡いできたまちなのだということを実感します。 晴れて風の音もない日に再訪したいと思いましたが、ゴーゴーと暴風の中の鑑賞も味わい深く、先鋭的な音響のアーティストとしても知られる梅田さんの作品を自然界の音とともに楽しめたことも良い経験でした。 受付には解体後に残されていたという木更津市役所の石看板を真っ二つにカットしたものが使用されていました。斬新! 房総半島のほぼ中央部に位置する自然と街が共生するまち、君津市へ さらに強い春の風が吹き荒れる中、君津市の八重原公民館へ移動。「木と水の館」をテーマに君津市産の杉を使用した木造の公民館は、地域の人々の集会所として、さまざまな講座や講演会、展示会などのスペースとして使用されているそうです。 早速目に飛び込んできたのは鉄でできた海苔!深澤孝史さんによる作品《鉄と海苔》です。鉄琴のようにバチを持って叩いてみると、キンコンカンコンと、なんとも良い音色を奏でることができます。楽しい。 海苔の養殖で栄えた君津市は、1961年の製鉄所稼働開始に合わせて漁業権が放棄され、北九州の八幡を筆頭に各地の製鉄所から2万人規模の労働者が移住したそうです。君津の風景は鉄と海苔なしでは語ることができない。そんな君津の歴史を想起させる作品が中にも展示されていました。 展示されたおはなしの絵を一枚一枚見ていくだけでそれぞれのストーリーが想像できて面白い。 中には、佐藤悠さんによる《おはなしの森 君津》も公開されています。一枚の絵を描きながら、その場にいる全員で即興の「おはなし」をつくるパフォーマンス「いちまいばなし」。「何がどうした?どうなった?」と参加者へ順番に続きを聞いていき、答えた内容を1枚の絵に描き足していく。「面白い『おはなし』は、既に参加者の中にある」とし、それらをひも解きながら取り出していく作品です。3人以上の希望者が集まれば、そこからパフォーマンスが始まる。といった内容。 パフォーマンスは会期中の土・日・祝日に開催(約15分、参加無料)とのことで、こちらもぜひ参加してみたいですね。 八重原公民館は施設自体がとても素敵で、図書スペース「かけはし文庫」も本をついつい読み耽ってしまう憩いの空間です。 そして、次に訪れたのは旧内箕輪保育園です。昨年まで実際に保育園として使用されていた場所で作品《Lost and Found》を展示するのはさわひらきさん。現実と虚構が織りなす幻想的な映像作品で知られている作家さんですが、今回は保育園を舞台にインスタレーションを展開。 入口を入って、一部屋ずつ順番にファンタジックな映像が流れるので、ぜひここはゆっくり時間をとって楽しんでもらいたいです。窓枠の角、教室の角、見逃してしまいそうな隙間にも作品が点在していますのでお見逃しなく。 そして、旧内箕輪保育園を見下ろす丘の上にある吉川工業内箕輪社宅へ。この日が悪天候だったこともあって、どんよりとした曇り空の下、ちょっと入りづらい雰囲気を醸し出しているここは、鉄鋼会社の社宅。保良雄さんによる《種まくひと》という作品が鑑賞できます。 鍵がかかっていない部屋を一室ずつ扉を開けて入っていくのですが、部屋の中にはみた事のない光景が広がっているので、ぜひドキドキしながら入ってみてください。 富津市の海沿いでは、地域住民が語る富津エピソードをじっくりと 木更津、君津を経てさらに南下し、富津市に入ります。南北約40km の海岸線の多くが自然海岸で、東京湾に突き出た富津岬が代表的です。向かった先は埋め立て地に建つ「富津公民館」。学習・交流・発表の場として親しまれる学習拠点でもあり、さまざまなイベントを開催する場でもあります。富津市民の成人式もここで行われるのだとか。ここで鑑賞できるのは、中﨑透さんの巡回型インスタレーション作品《沸々と 湧き立つ想い 民の庭》。 地域に所縁のある4名の方にインタビューを行い、富津の漁業や岬周辺の公園、海や街についての話を伺い、その言葉から引用した37のエピソードを会場内に配置し、エピソードとオブジェクト(制作した作品や備品、残置物を組み合わせたようなもの)を辿りながら富津にまつわる物語を体験するというもの。 作品数も圧巻ですが、一つひとつのエピソードから浮かび上がる富津市のイメージの断片を物語を読み進めるように鑑賞するスタイルが面白く、すべて鑑賞し終えるころには随分富津市のことを知ったような気持ちになる、そんな作品でした。 富津の人は映画を観るために船に乗って横浜にお出かけしていたようです。改めて地図を見ると、富津岬から横須賀までは本当に目と鼻の先! 富津埋立記念館 「富津公民館」のすぐ隣にある「富津埋立記念館」にも二つの作品があります。「富津埋立記念館」は、埋め立て以前に使用していた船などの貴重な漁業器具を展示しており、当時の漁業の様子を知ることができる施設。富津岬に江戸の守護として江戸時代より砲台が置かれていたことから、記念館の受付ホールの上部は、この砲台をモチーフに「砲台風」で設計されているのだとか。なるほど〜と思いながらエントランスを入るとなにやら香ばしい匂いが充満していることに気づきます。 「え、どこかで煮物炊いています?」というほどの違和感を覚えて進むと、そこには海苔で作られたジオラマが浮かぶ醤油の海の作品が。岩崎貴宏さんによる作品《カタボリズムの海》でした。 「遠浅の漁場で営まれてきた富津の漁業。埋め立てを機に漁場であった海はその姿を変えてきた。作家は内房総の海を巡り、土地が過ごしてきた時間と目の前に広がる光景への観察から生まれた作品を、さまざまな漁具・漁法を紹介する富津埋立記念館に設置」とガイドブックにありましたが、海苔のジオラマの繊細さとガラスのようにジオラマが映り込む漆黒の醤油の海の美しさに感動。 まさにこの富津という場所でしか創造されなかったであろう作品に胸を打たれました。醤油の匂いは本当に空腹を刺激します。 武藤亜紀子さんによる《海の森-A+M+A+M+O》は、富津干潟に広がる、海のゆりかごと呼ばれるアマモ場をイメージした作品。海の生き物の産卵場となり、生まれた稚魚や稚貝の生育場でもあるアマモ場の風景は、オーガンジーの布でたくさんの大きなアマモのパーツを縫い地域住民とともにつくり出しているそうです。会期中にもワークショップが開催され、アマモ場はより豊かになっていくとのこと。こちらもぜひ参加したいですね。 富津公民館と下洲漁港の2カ所に展示されているのは五十嵐靖晃さんの《網の道》。人々との協働を通じて、その土地の暮らしと自然とを美しく接続させ、景色をつくり変えるような表現活動を各地で展開されている作家さんです。 「およそ50年前に行われた埋立開発は海の風景・漁場、人々の営みを変えてきたが、ここ富津の海では、海苔漁が受け継がれ今の姿がある。この地で先代を含んだ漁師たちと協働で海苔網の道を編み、これからの50年に向けて50年前の志気を編みつなぐ。富津岬を挟んだ南北2つの網の道を歩き、水際の風景を眺めながら、地域社会の変容を体感すると共に、人と海の関係の100年後を想像してみる」 そんな五十嵐さんのコメントを読みながら《網の道》を眺め、人と海の100年後が今よりももっと優しい関係であることを願いました。 作品展示は17時までなので、3市をめぐり作品をみて回った怒涛の一日の終わりは富津岬までドライブ。岬先端の富津公園には、明治百年記念展望塔やジャンボプールなどがあります。惜しくもこの日、富津岬から富士山が見られませんでしたが、海辺で最高のトワイライトタイム! 日が落ちてしまいましたが、木更津にある作品で忘れてはいけないのが、SIDE COREの《dream house》。SIDE COREは公共空間におけるルールを紐解き、思考の転換、隙間への介入、表現やアクションの拡張を目的に、ストリートカルチャーを切り口として「都市空間における表現の拡張」をテーマに屋内・野外を問わず活動しています。 アクアラインのふもと、木更津の海岸に浮かぶ小さな島に建つ一棟の住宅。家の明かりがついていますが、遠近感がわからないので、大きいのか小さいのかが不明。上陸してみたい。 これは江戸時代から政治家や建築家たちの間で議論されていた「東京湾に海上都市を建設する」という議論があったことから着想されたそうで、そうした検討の果てに開通したアクアラインによって、多くの人が木更津に「夢のマイホーム」を建て、以前の田園風景は一変。この作品は、SIDE COREのメンバーの一人がかつて家族と共に暮らした木更津の家がモデルとなっているそうです。 振り向くと、さっき見えなかった富士山が!感動的です。内房総にマイホームを持ってみたい。 夕食は、木更津市の海辺、鳥居崎海浜公園にあるレストラン「舵輪」へ。地域の生産者さんが作る食材を、レストランが料理で繋ぎ、食をリレーしていく。「食(Food)が社会(Society)と繋がり、そこに生きる人たちの人生(Life)が紡がれていく」。そんな素敵なコンセプトがあるそうです。晴れの日は富士山を遠景に、夕方には美しいサンセットが楽しめます。 カメラマンとスタッフのみんなで乾杯!鮮魚のカルパッチョや舵輪名物の ロースト千葉肉の盛り合わせなど、どれも本当に美味しい!トマトソースのパスタにはなんとKURKKU FIELDSの竹島さんのモッツアレラチーズもトッピング。やはり絶品です。今日見た作品についてみんなで語り合いながら、最高の宴でした。 後編では、KURKKU FIELDSの作品めぐりと袖ケ浦のアート作品をご紹介します!記事はこちらから! Photo:Eri Masudatext :Kana Yokota 

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チケット

「百年後芸術祭~環境と欲望~内房総アートフェス」のすべての作品をご覧いただくことができる作品鑑賞パスポート

※一部イベントは本パスポートの他に鑑賞チケットが必要
※県内の小中学生は無料引換券を配布。小学生未満無料
※障がい者手帳をお持ちの方は無料(介添が必要な場合は同行者1名無料)
※アート作品展示の全会場へ各1回入場可能(ただし、有料イベントや有料ワークショップなどは別料金)
※2回目からは個別鑑賞券が必要
※再発行、払い戻し不可

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アクセス

東京から内房総まで1時間


内房総アートフェスの開催エリアは、東京・横浜・成田・羽田方面から車・鉄道・バスで約1時間
とアクセスの良いエリアです。
JR木更津駅や小湊鐵道の上総牛久駅などから、無料周遊バスも運行されます。
また、土日祝日を中心にガイド・ランチ付きオフィシャルツアーも実施します。
思い思いの交通手段で、内房総アートフェスティバルを巡っていただけます。

 

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ツアー・モデルコース

内房総5市ぐるっとツアー【カラカラ落花生コース】

内房総

2024.02.29

内房総5市ぐるっとツアー【カラカラ落花生コース】

内房総5市をぐるっと巡る日帰りバスツアー。使われなくなった建物を舞台にしたアート作品を中心にガイドがご案内します。昼食はEAT&ART TAROが監修したツアーのための特別ランチです。JR木更津駅発着でアクセスも◎。 日程3月23日(土)~5月25日(土)の 毎週土曜、4月29日(月祝)、5月6日(月祝)旅行代金一般(小学生以上)12,000円、幼児(3歳~5歳)3,000円、3歳未満0円 ※食事・バス座席が必要な場合は幼児料金(バス代、昼食代、ガイド代、消費税含む)※ご参加にあたり別途作品鑑賞パスポートが必要となります。お持ちでない方は、ツアー購入時に併せてご購入をお願いいたします。締切運行前日の18時まで交通手段貸切バス(市原中央観光、または櫻井観光バス)定員20名(最少催行人数:1名)問い合わせNPO法人越後妻有里山協働機構 025-761-7749 (9:00-18:00/火水休) officialtour@tsumari-artfield.com旅行企画・実施新潟県知事登録旅行業第2-60号 共立観光株式会社 新潟県十日町市駅通り120-3 (一社)日本旅行業協会正会員、(一社)全国旅行業協会賛助会員受託販売新潟県知事登録旅行業地域‐440号 NPO法人越後妻有里山協働機構 新潟県十日町市松代3743-1 (一社)全国旅行業協会正会員規約等標準旅行業約款  /  旅行条件 ご予約はこちら

内房総5市ぐるっとツアー【パリパリ海苔コース】

内房総

2024.02.29

内房総5市ぐるっとツアー【パリパリ海苔コース】

内房総5市をぐるっと巡る日帰りバスツアー。クルックフィールズや市原湖畔美術館を中心にガイドが作品をご案内します。昼食はEAT&ART TAROが監修したツアーのための特別ランチです。JR木更津駅発着でアクセスも◎。 日程3月24日(日)~5月26日(日)の 毎週日曜(4月21日(日)は除く)、5月3日(金祝)旅行代金一般(小学生以上)12,000円、幼児(3歳~5歳)3,000円、3歳未満0円 ※食事・バス座席が必要な場合は幼児料金(バス代、昼食代、ガイド代、消費税含む)※ご参加にあたり別途作品鑑賞パスポートが必要となります。お持ちでない方は、ツアー購入時に併せてご購入をお願いいたします。締切運行前日の18時まで交通手段貸切バス(市原中央観光、または櫻井観光バス)定員25名(最少催行人数:1名)問い合わせNPO法人越後妻有里山協働機構 025-761-7749 (9:00-18:00/火水休)officialtour@tsumari-artfield.com旅行企画・実施新潟県知事登録旅行業第2-60号 共立観光株式会社 新潟県十日町市駅通り120-3 (一社)日本旅行業協会正会員、(一社)全国旅行業協会賛助会員受託販売新潟県知事登録旅行業地域‐440号 NPO法人越後妻有里山協働機構 新潟県十日町市松代3743-1 (一社)全国旅行業協会正会員規約標準旅行業約款  旅行条件 ご予約はこちら

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ボランティア

百年後芸術祭-内房総アートフェス-のサポーターを募集します

 

「百年後芸術祭~環境と欲望~内房総アートフェス」では、芸術祭の制作や広報、会期中の運営などを支えてくださるサポーターを募集します。ぜひ私たちと一緒にアートを通じて地域をもりあげていきましょう。

活動内容
・アーティストサポート:作品制作・設営、運営のお手伝い
・会場運営サポート:会場での展示作品の監視、受付、会場案内・誘導のお手伝い
・広報サポート:広報物配布のお手伝い
・イベントサポート:会場設営、誘導のお手伝い

ボランティア詳細へ

寄附・協賛

企業・団体、個人の方からの寄附・協賛を募集します

 

百年後芸術祭-内房総アートフェス-では、芸術祭の運営や作品制作等にご支援・ご協力をいただける企業・団体、個人の方からの寄附・協賛を募集しています。寄附・協賛金は内房総アートフェスの事業に活用させていただきます。

想定される活用例
・作家によるアート作品の制作
・各種コンテンツプログラムの会場・環境整備
・小中学生パスポートの無償化

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よくあるご質問

百年後芸術祭-内房総アートフェス-のテーマやコンセプトについて教えてください。

百年後芸術祭-内房総アートフェス-のテーマやコンセプトについては、「コンセプト」をご確認ください。

百年後芸術祭-内房総アートフェス-の開催場所や行き方を教えてください。

内房総5市の各所で開催しております。各市の主要な拠点は、
【市原市】内田未来楽校、上総牛久駅周辺、市原湖畔美術館、旧里見小学校、旧平三小学校、月崎・田淵、月出工舎など
【木更津市】木更津駅周辺、クルックフィールズなど
【君津市】八重原周辺
【袖ケ浦市】袖ケ浦公園周辺
【富津市】富津岬周辺
となります。交通手段の詳細は「アクセス」をご覧ください。

百年後芸術祭-内房総アートフェス-はチケットが必要ですか?

アート作品展示の鑑賞は、作品鑑賞パスポートが必要となります。
販売金額や販売方法などの詳細は「チケット」をご覧ください。
※県内の小中学生は無料引換券を配布。小学生未満無料
※障がい者手帳をお持ちの方は無料(介添が必要な場合は同行者1名無料)

よくあるご質問一覧

寄附・協賛企業

株式会社ヤマト、シティライフ株式会社、株式会社樹住宅、株式会社まんだのファーム、株式会社上野工業所、株式会社アルファ商事、中央産業株式会社、中央航運株式会社、カーセンターファースト株式会社、協友工業株式会社、赤星工業株式会社、大成建設株式会社、平野コンクリート工業株式会社、株式会社ユニペン、医療法人社団白金会、株式会社オンフェイス、有限会社花金、オープンロード合同会社、株式会社千葉銀行 五井支店、学校法人三和学園 福増幼稚園、学校法人斎藤学園 青葉台幼稚園、共立化成株式会社、医療法人社団高原会、日本管財株式会社、医療法人社団直樹会、出張牛久商店街、株式会社トロンマネージメント、日本航空株式会社

公益財団法人朝日新聞文化財団

 

株式会社京葉銀行、株式会社千葉興業銀行 五井支店・辰巳台支店・国分寺台支店・光風台支店、太陽工業株式会社、医療法人鎗田病院、みどり産業株式会社